お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
期待のタイ・ウェスト監督の新作は今上り調子な旬なキャストが揃った狭い地域での西部劇
2016年製作 日本劇場未公開 西部劇アクション
監督・脚本・製作・編集 タイ・ウエスト 製作 ジェイソン・ブラム
出演 イーサン・ホーク、ジョン・トラボルタ、タイッサ・ファーミガ、カレン・ギラン
監督は(キャビンフィーバー2)、(VHSシンドローム)、(サプライズ)、(サクラメント死の楽園)などのホラー、スリラー系作品で秀作を残してきたタイ・ウェスト。出演は(ガタカ)、(パージ)、(魂のゆくえ)など様々な作品で一線で活躍しているイーサン・ホーク。共演に(ポイズン・ローズ)、(ギャング・イン・ニューヨーク)など主演作の続くジョン・トラボルタと(死霊館のシスター)、(ファイナルガールズ)などの注目株タイッサ・ファーミガ、(ジュマンジ)シリーズ、(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー)シリーズのカレン・ギラン、という豪華な顔ぶれが集結。
あらすじ
心に傷を負った流れ者ポール(イーサン・ホーク)はバレー・オブ・バイオレンスと呼ばれる町デントンにたどり着く。そこで街を牛耳る悪徳保安官補佐との揉め事に巻き込まれる。ポールはトラブルを避けるため町を出ようとするが、深夜、徒党を組んだ保安官補佐に寝込みを襲われ暴行されたうえに崖から突き落とされる。しかし、翌朝九死に一生をえたポールは保安官補佐に復讐するために再びデントンに戻ってくる。
感想
本作は若手注目株タイ・ウェスト監督作品という事で(サプライズ)など従来のジャンルの流れにとらわれないストーリー展開の作品が多くありました。今回は恐らく監督自身が西部劇の世界観が好きな思いを前面に出して撮影した作品だと思われるのですが、予算や周りの環境がそれに追いついてない、という印象でした。ストーリー自体はオーソドックスな西部劇ですが、キャストは非常に豪華でいくらでも面白くできる実力派ばかりが揃っていて、面白くなりそうな雰囲気は漂っているのですが、なんとなく乗り切れないという展開が続きました。タイ・ウェスト監督作品なので、ある程度わざと肩透かしを意識しているとは思うのですが、透かされる部分が前面に出すぎて消化不良のまま終わってしまう印象を受けました。敵を倒すときもガンファイトよりナイフなどでグロく倒すようなホラー系の表現が強く印象に残りました。なのでそういう表現が苦手な方は厳しいかもしれません。それと、主要登場人物以外、人の気配を全く感じない町、というのが意図的だとしても作品への没入感を削がれてしまう原因になっているように感じました。しかし、本作で登場する犬の可愛さたるや、なかなか動物ものの作品でも見れないような愛らしい演技が多数見れますので、意外ですが犬好きの方にお勧めできる作品となっていました。一応、物語に大きく関わるキャラクターの一員にもなっていますので。それにしても2016年製作作品ですが、今後この4人での共演は二度どと実現しないような豪華キャストではありますので、そういう意味で鑑賞する価値はありそうです。