(Missデンジャラス)が好評のシュー・トントン主演、暗黒街を舞台にした、リベンジノワールアクション!!
おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、(Missデンジャラス)が好評だったシュー・トントン主演のレディースアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
麻薬組織を捜査中に、組織員によってある刑事が殺害された。
その刑事の妹であるチンチョンは、自らも傷を負い、それ以来復讐を胸に誓うのだった。
腐敗により、頼ることのできない警察を見限ったチンチョンは、復讐を遂げるために暗黒街の実力者である、フェイフォの下を訪ね、自らが復讐を遂げるための暗殺者となっていく!?
(Missデンジャラス)(詳しくはこちら)のシュー・トントンが主演し、女流監督ジェ二ー・ツェンと再びコンビを組んで製作したリベンジレディースアクション作品です。
前作では現代の特殊部隊員を演じていたシュー・トントンですが、本作では一転して復讐に燃える暗黒街の殺し屋役、
というシュー・トントンの別の魅力を引き出すような作品となっています。
物語は、少女時代に警察官である兄を、暗黒街のボスに殺されたシュー・トントンが、復讐のためにそのボスの敵対勢力のボスの下に復讐の援助を頼みに行く、
というところから本題に入っていきます。
この敵対勢力のボスを演じているのが、(ヴァーチャルシャドー)や(スパイチーム)、(香港国際警察)、(追龍)等の香港映画で、
1990年代から悪役等を中心に活躍しているテレンス・インで、デビュー当初はナイフのような尖った若者を演じることが多かったのですが、
いつの間にかボスの貫禄を身に付けて、シュー・トントンとの愛憎劇を盛り上げて行きます。
で、そんなボスの下を訪ねて、『復讐を手伝ってくれるなら何でもする』と言っているシュー・トントンに対して、
テレンス・インの方は、金もあるし、女も間に合っていると言い出しますので、どうなるのかと思っていると、
まさかのシュー・トントン自身に格闘や銃器の扱いなどを教え込んで、殺し屋として育てる、という、ちょっと理解しがたい接し方をしていきます。
しかも、一対一で、自ら格闘を教える、というマフィアのボスらしからぬ親身な指導ぶり。
で、サンドバッグを叩きながら、あっという間に凄腕の暗殺者に成長したシュー・トントンは、復讐を開始する、という展開になっていきます。
その間もテレンス・インとシュー・トントンの仇である敵対するボス、グイヤンとの戦いは苛烈さを増し、
前面抗争の様相を呈していきます。
この敵対ボスを演じているのが、(殺人バグズ)(詳しくはこちら)で、バグズの犠牲になっていた、人の好さそうなおじさんにしか見えないシュー・シャオウで、
全然見かけに合っていないヤクザ組織の切れやすいクレイジーボスを口角を上げながら頑張って熱演しています。
ただ、全然役柄に合っていませんが、、、
で、いよいよ敵討ちという事で、口角を上げて頑張っているボスを亡きものにしようとシュー・トントンがやってきますが、
寸前のところで、あの時刑事が捜査していたのは、俺だけではない、という意味深な台詞を遮るように入って来たテレンス・インが銃で射殺してしまいます。
もう、バレバレではありますが、そのまま物語は進み、ボスのために自分の身を挺して守ったシュー・トントンが認められて、
一挙にボスの二番手まで格上げになります。
今まで頑張って来た他の部下たちを差し置いて一挙に出世し、部下たちはシュー・トントンを姉御と平気で呼びだします。
で、そこからはオールバックでメンズスーツ(サイズは大きめ)に身を包み、足元はハイヒール、という独特のファッションが微妙な女ボスの大活躍ぶりが描かれます。
結構なやりたい放題ぶりで、麻薬、暴力なんでもありで、勢力範囲を拡大していきます。
で、散々暴れまわった挙句に、麻薬の更生施設として機能している建物の住民に世話になることになり、
そこで自分の組織がしでかした事の大きさに今さらながらに気付いていきます。
で、急に正義の心に目覚めたシュー・トントンが組織壊滅のために戦いに挑んでいく、というのが後半の流れになっています。
という事で、要するに本作は、復讐を遂げるために暗黒街の門をくぐり、力をつけて実績を上げ、
そこから部下を多数持つボス格に成長しつつ、ある事をきっかけに正義の心に目覚めて、足を洗い、平穏な日々を送るも、かつてのしがらみによって再び暗黒街に戻ってけじめをつける、
というシュー・トントンによる暗黒立志伝的な物語となっています。
シュー・トントンも出演しているドニー・イェン主演の(追龍)が好評だったようで、同じような時代背景で、同じような世界観で、今度はドニーではなく、シュー・トントンを主役にして、
同じような物語を描いていく、というのが本作の趣旨かと思われます。
お互いをよく理解している(Missデンジャラス)の名監督主演コンビが、シュー・トントンの魅力を上手くアピールできるような企画として製作されたのではないでしょうか。
ただ、本作、暗黒街での組織間の抗争を描く、という比較的リアルなやり取りで進んで行く物語なので、
世界観を崩すような、少々ファンタジックな要素のある(Missデンジャラス)のようなヒロイックアクションを挿入するにも限界がりますので、
結果的に物語を描く事重視で、前作ほどアクションシーン満載となっていない構成は、
やはり前作を楽しんで、同じ様なスカッとした爽快アクションを期待した方からすると、消化不良感の残る内容となっているかもしれません。
ラストシーンも、暗黒街の立志物語としては十分あり得る終わり方なのですが、それを、どちらかというとセクシーアクションが魅力のシュー・トントンがやるとなると、
今までのギャップを感じる方も多い、終わり方かと思われます。
マフィアもの、ヤクザものでは定番のような終わり方ではあるのですが、、、。
それでも、前作よりは少な目ですが、キレの良い女性スタントマンの超絶アクションと、
できるだけ自身でも動いているシュー・トントンのアクション、そしてそのアクションを違和感なくカット割りで繋いでいくジェニー・ツェン監督の映像テクニックと、
アクションシーンに関しては、前作同様に楽しめる作品となていますので、香港映画好き、中国映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
また、この監督・主演コンビの次回作に期待が高まります。
でも今度は、もうちょっと明るめの題材が良いですね。
因みに、活躍しそうで、そんなに活躍しなかった敵対するボスの愛人役のジェーン・ウーは、(シビル・ウォー/キャプテンアメリカ)や(ミュータントニンジャタートルズ)シリーズ等に出演しています。
作品情報
2021年製作 中国製作 レディースアクション
監督 ジェニー・ツェン
出演 シュー・トントン、テレンス・イン、リャン・カイ、ジェーン・ウー、リー・ユウェイ、シュー・シャオウ
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