ディープブルー(DEEP BLUE SEA)105分
お薦め度 ★★★★★★★☆☆☆
作品紹介
1999年10月9日公開
レニー・ハーリン監督がまだメジャー作品を製作していた時期のサメパニックアクションです。
それでは、まずはあらすじから、
海中の研究施設アクティアカでは、アルツハイマー病の特効薬を開発するため、サメを実験台とし、脳に遺伝子操作を加えていた。
しかし、サメの脳は以上に発達しだし、知恵をつけ、施設脱出のために人間に戦いを挑んできたのだった!?
本作は、レニー・ハーリン監督が1995年製作の(カット・スロート・アイランド)と翌年の(ロングキス・グッドナイト)で大失敗を経験した後の巻き返しを狙っていた時期の作品で、結果としてこの後、急速に作品規模が縮小していってしまう事にはなりますが、並々ならぬ意欲に満ちた内容にはなっています。
とにかく、作品の特徴の一番に挙げられるのは、こういったパニック作品では通常生き残るようなタイプのキャラクターが死んでしまい、逆に意外な人物が生き残る、という設定のお約束を逆手にとったような展開が挙げられます。
それと、ヒーローとヒロイン像も通常とは違った感じになっており、主人公の一人であるはずの女性科学者は、本作では野心に満ちた表情をしており、そもそも諸悪の根源となっています。
自分の行いを反省して後半で成長を見せるような、見せないような、そんな微妙な役柄となっています。
なかなか単純には感情移入しにくいキャラクターです。
でも、よく考えたら、行動の根本は私利私欲のためでは決してなく、自身の親がアルツハイマー病で大変苦しんだ経験があり、
他の病気に苦しんでいる人たちのために、タブーを犯して秘密裏にサメの脳に遺伝子操作を組み込んでしまう、という
やった事はいけない事だけれども、根っこにある精神は善意でしかない、通常は感情移入できるはずの善人キャラクターのはずなんですけどね、、。
レニー・ハーリンの予想を裏切るような演出と演じているサフロン・バロウズの感情移入を拒絶するかのような眼力で、想定外のキャラクター像を作り出しています。
サミュエル・L・ジャクソンはもう、ある意味本作一番の大活躍、といっていいぐらい印象に残るシーンを残しています。
サミュエル・L・ジャクソンといえばこの時期1994年製作の(パルプフィクション)1995年製作(ダイハード3)、1996年製作(ロングキス・グッドナイト)、1997年製作(ジャッキー・ブラウン)1998年製作(交渉人)と立て続けにタフなイメージの作品への出演が続いていましたので、そんな本人へのイメージをも逆手にとったキャスティングかと思われます。
当時、映画館で鑑賞しましたが、物凄くびっくりした記憶があり、個人的には後年に渡って、そのシーンの印象がそのまま作品のイメージとなっていました。
それぐらいインパクトのあるショックシーンで、そのインパクトのあるシーンは、物語的には無関係の続編にもしっかり継承されていました。
正直、ヒーロー役のトーマス・ジェーンのみが、分かりやすいキャラクターとなっていますが、活躍するわりには、なんとなく印象に残らないのはなぜでしょうか、、。
というより、トーマス・ジェーン自体が他の作品でも同じように作品のイメージを決して損なわない、というか邪魔をしない存在感、というか突っ込んで言うと、あまり強烈な印象が残らない、というある意味独特の存在感を持っているような印象があります。
本作以外で有名なところでは2003年製作で主演なのに原作者のスティーヴン・キングの印象しか残っていない(ドリームキャッチャー)、
2004年製作で主役なのに悪役のトラボルタの印象しか残っていない(パニッシャー)、
2008年製作でまた原作者のスティーヴン・キングの印象しか残っていない(ミスト)など、
作品名は憶えていても主演は誰か憶えていないような作品で、主演をしている事が多いような気がします。
そういった、印象がついたのはもしかしたら、本作からかもしれません。
無鉄砲でタフガイで大活躍しているのに、周りのキャラクターが予想外の扱いになっていくのが目立ってしまい、結果的に何故か印象に残らない、、。
それでも、その独特の存在感で有名作品の主演作品はその後、多く残しているので、本作は良いきっかけになった作品だったのではないかと思います。
本作は、そんな、予想外のキャラクター展開が魅力のサメパニック作品で、他の作品とは一線を画すような内容となっていますので、ちょっと変わったサメものをお探しの方はご鑑賞されてはいかがでしょうか。
作品情報
1999年製作 アメリカ製作 アニマルパニック
監督 レニー・ハーリン 製作 アキバ・ゴールズマン
出演 トーマス・ジェーン、サフロン・バロウズ、サミュエル・L・ジャクソン、LL・クール・J
ディープブルー2(DEEP BLUE SEA2)94分
お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
作品紹介
日本劇場未公開
19年ぶりの続編、というより、似たようなコンセプトでの作り直し作品で、物語的には前作との関連性はありませんが、ちゃんと原題も2となっているシリーズ第2弾です。
そのあらすじは、
製薬会社の大富豪、カール・デュラントは試薬実験のため、海底の実験施設でサメを使って研究を行っていた。
そんなある日、研究チームにサメ保護活動家のミスティ・カルフーン(ダニエル・サブレ)を迎え入れる。
しかし、カルフーンは実験対象に驚愕する。
その研究対象は、サメの中でも最も獰猛な肉食動物であるオオジロザメだったのだ。
やがて、薬物を投与され巨大化したサメたちは群れをなしてカルフーン達に襲い掛かる!!
物語的には前作との関連性はないものの、前作にオマージュを捧げたようなシーンはありますので、前作が楽しめた方でしたら、それなりに楽しめる作品となっています。
ただ、予算の都合からか、前作よりもかなりB級よりになってしまったので特殊効果やCGなど、ちょっと可愛い作りとなっています。
今回は、知能が上がったサメが5匹ほど隊列を組んで攻撃してくるうえに、ベビーサメも複数登場し、まるでピラニアのような感じで人間たちに襲い掛かります。
アイデアは良いのですが、そのアイデアを生かした襲い方が少なかったようなので、その辺が少し残念でした。
例にもれず、本作も分かりやすく、ヒーローとヒロインが活躍する作品となっています。
しかも、ヒロインはやたらとお色気過剰ぎみです。
来ている衣装がやたらとぴっちぴちです。
それは、どうでも良いですが、本シリーズはまさかの第3弾もあるようですので、本作との繋がりがあるのかは分かりませんが、一応、3を鑑賞予定の方は本作をおさらい鑑賞してみてはいかがでしょうか。
シリーズ全体でいうと、part2以降は別物ですので、part1だけの鑑賞でも良いシリーズではないかと思います。
作品情報
2018年製作 アメリカ製作 アニマルパニック
監督 ダリン・スコット
出演 ダニエル・サブレ、ロブ・メイズ、マイケル・ビーチ
その他のサメパニック作品
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