おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ジェームズ・ハーバートのベストセラー小説を、サム・ライミ率いるゴーストピクチャーズが製作したオーソドックスなオカルトホラー作品!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、ゴーストハウスピクチャーズ製作によるオカルトホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
過去に捏造事件を起こしたジャーナリスト、ジェリー(ジェフリー・ディーン・モーガン)は、超常現象取材のために、ある村を訪れていた。
そこは、魔女伝説の残る村で、呪いを封じ込めているとされる人形を発見したが、それを故意に破壊してしまう。
その出来事をきっかけに、聾唖の少女が突如、声を発し始め、数々の奇蹟を起こしていくのだった!?
サム・ライミとロバート・タパートのコンビによるゴーストハウスピクチャーズ製作オカルトホラー作品で、
ジェームズ・ハーバートの ベストセラー小説(奇跡の聖堂)の映像化作品です。
原作未読ですので、どこまでを忠実に映像化されているかは分かりませんが、映画作品としては、割とシンプルな表現の多いオーソドックスなオカルト作品となっています。
物語は、過去に捏造事件を起こして干され気味のオカルトジャーナリストが、ある田舎の村に取材にやってきたら、
偶然、聾唖の少女が、突然声を発する現場に遭遇し、(聖母マリアのお告げ)があった、という事でその少女がその後も様々な奇蹟を起こしていく、
という感じで、村で起きる出来事に関わっていく、という一種の巻き込まれ型の物語となっています。
ただ、冒頭で、邪悪な存在を封印している呪いの人形を主人公自らが、踏みつけて破壊する、というどう考えてもバチ当たりな行為を行っているので、
実際は巻き込まれ型というより、全て主人公のせい、ともいえるのですが、これがなかなか過ちから何かを学んだり、そこから成長したり、
という細かい描写を配した淡白な物語展開の作品ですので、この冒頭のインパクトのあるバチ当たり行為(足でおもいっきり陶器製の人形を踏みつけて破壊して、『この方が雰囲気がでて良い』みたいなホラー映画で真っ先に死亡フラグが立つキャラクターのような行動を取ります)は、
その後そんなに強調されません。
要するに本作は、大筋の流れを追いかける(原作の物語を追いかける)事を重視しているようで、最終的に人類規模のかなりの大事になっていきますが、
その都度簡単に奇跡の少女に対する世間の風向きが変わります。
主人公の少女は、数々の奇蹟(先天性の病気を治したり、不治の病を取り除いたり)を起こしていき、神父立ち合いの基に、
その現象が奇跡であり、その場所を聖地とする、という物凄い出来事がメディアでも伝えられたりしますが、
疑いの目を向けていた村人や世間の人々は、いつのまにか簡単に盲信するようになっていきます。
スティーヴン・キング原作の(ミスト)等では、危機的な状況に追い込まれていった人々が、すがるように狂信的なグループに傾倒していく過程が細かい描写で描かれていましたが、
本作は大筋では同じような流れになっていくものの、細かい描写が一切ありませんので、なんとも簡単に盲信していきます。
で、主人公はというと、特ダネ目当てに率先して盲信し、布教活動に一躍買っていきます。
しかも、奇跡を起こしている少女と唯一話し合えるという事で、教会側にその模様をインタビューする独占契約を申し込んだりして、
その奇蹟の騒動の先頭にたって、民衆を煽っていきますが、ふとしたきっかけで、その地方に伝わる魔女伝説を知ることになります。
という事でだんだんと雲行きが怪しくなり、少女はもしかすると神聖な存在ではなく、魔女に乗り移られているのでは?という流れになっていきます。
要するにタイトル通り(アンホーリー)な存在なのか?という流れになっていくのですが、この普通の少女から、神の生まれ変わりのような神聖な存在、そこからの邪悪な存在、
という流れの先頭に過去に捏造事件を起こした記者がいて、昨日まで少女は奇跡の存在だと得意げに先導していたと思ったら、
今度はあっという間に、住民たちに、『騙されるな!』という感じに態度を変えてしまい、住民達も割とあっさりとその都度態度を変えてしまう、
という感じで、とにかく、盲信するまでの心理描写等が薄めで、かなりの大人数がからんでいるのに簡単に心変わりしてしまいます。
しかも全員。
一人が信じれば全員信じる感じです。
で、当然少女は邪悪な一面を全開に出していき、その後ろで操っている邪悪な魔女登場となるのですが、
この邪悪な存在の表現も(オーメン)や(エクソシスト)のような邪悪な触れてはいけない存在のような恐怖感を煽るような表現ではなく、
人が怖そうな仮面を被って演じているようにしか見えない現実的な表現で、どちらかというとモンスターに近い表現になっています。
要は、走って逆方向に逃げれば逃げ切れそうな存在、という感じでしょうか。
結局、村は大騒ぎ、というクライマックスになっていき、主人公はヒーローぶりを発揮していきます。
結局主人公が何一つ反省や成長を遂げることなく普通にエンディングを迎える、というオカルトホラーの割には意外にすんなりと後味が良い(良すぎる)ラストは賛否両論ありそうですが、
そうなってくると、逆に原作に興味が湧いてきますね。
どう考えても、全ての騒動の元凶は主人公のバチ当たりな行為なので、、、。
あと、過去の捏造事件に関する反省も一切ありません。
という事で、秀作ホラー作品を数多く製作しているゴーストハウスピクチャーズ作品ですが、ちょっと恐怖ともハラハラドキドキも味わいきれない淡白なオカルトホラーとなっていますので、
サム・ライミ好きの方や、原作を読まれている方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
ジェフリー・ディーン・モーガンは渋くて良いのですが、本作ではただただ無責任な主人公に見えてしょうがないので、
他の作品での活躍がもっと観たいですね。
作品情報
2021年製作 アメリカ製作 オカルトホラー
監督・製作・脚本 エヴァン・スピリオトパウロス 製作 サム・ライミ、ロバート・タパート
原作 ジェームス・ハーバート
出演 ジェフリー・ディーン・モーガン、ウィリアム・サドラー、ケイティ・アセルトン、クリケット・ブラウン
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