カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
しなやかながらもキレのあるアクションが魅力の女ドラゴン、シャー・クワンリ主演によるリベンジカンフーアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介させていただくのは、女性カンフースター、シャー・クワンリ主演によるリベンジカンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
宝飾品の護送任務に就いていた夫婦が、ある日、野盗団に襲われた。
夫は殺され、妻は暴行されたが、なんとか一命を取り留め、ある尼僧に助けられるのだった。
尼僧はカンフーの達人で、復讐を止めるように言うが、熱意に押されてカンフーを伝授することになる。
そして、厳しい3年の訓練の後、復讐劇が始まるのだった!?
(セイントスティック怒りの聖拳!)等の女性カンフースター、シャー・クワンリ主演によるリベンジカンフーアクションです。
その見所は、なんといってもシャー・クワンリのしなやかながらもキレのあるカンフーアクションで、
本編中の結構な大部分をその流麗なアクションシーンで彩っています。
まるで、プロモーションビデオのように全編に渡ってシャー・クワンリ出ずっぱりの作品で、開始早々に強盗団に襲われ、夫を殺され、
復讐を誓って、カンフーを習い始めるまでなんと8分、という感じで、とにかくストーリー展開などよりも、
シャー・クワンリが活躍するシーンを見せたくてしょうがないような足早な展開となっていきます。
9分目以降は、お待ちかね(というほど待っていませんが)の特訓シーンとなっていきます。
例によって命を助けてもらった尼僧が、偶然カンフーの達人だったので、カンフーの基礎訓練から初めていきます。
水の入った桶を両手に持っての石段の上り下りという(少林寺木人拳)のような特訓(本当に重たい桶なのでふらついていますが)や、
タケノコを素手で血まみれになりながら掘り起こす(食べるんでしょうか、、)という(ドラゴン修行房)のような指先の訓練、
刺さると大けがしそうな竹を敷き詰めての型の練習等、カンフー映画お馴染みの訓練シーンに続き、
型が身についてきてからは、ちょっと簡易版の木人を使った対人用での戦いの訓練等、
カンフー映画の一つの盛り上がりと言える訓練シーンが、前半の駆け足感とはまるで違う流れで、じっくり丁寧に描かれていきます。
で、そんな特訓シーンも早々に、早速かたき討ちに街に繰り出していく事になるのですが、
ここからはお色直し、という事で何故かショートカット姿になり、男性用の衣服に着替えて修行場となっていた山を下山していきます。
要するに、カンフー映画あるあるの一つである、男性用の衣類を着てヘアスタイルがある程度短ければ、周りの登場人物は、男性と思い込んで、女性とは全く思わない、
というお約束の展開に突入していく事になります。
この辺の流れは、カンフー映画をあまり鑑賞していない方だと、?という感じになるのではないでしょうか。
誰が、どう見てもショートカットの女性にしか見えませんので。
で、街に着くと早速強盗団の消息を掴み、その地区の警察隊に協力を申し出ます。
そこから男としてふるまうシャー・クワンリの大活躍に入っていくのですが、この男装のカンフー使いに扮してからは、
終始笑顔の絶えない明るいキャラクターで、完全にカンフーの達人になっているので基本的に出会う相手より強い、
という余裕のある雰囲気も相まって、前半のとんでもなく悲惨な目にあったヒロインとは思えないほどに痛快レディ化していきます。
ただ、この笑顔の絶えない余裕のある痛快レディキャラクターは、手足が長く、ふわっとしたなめらかな見栄えのするシャー・クワンリのアクションと凄く相性が良く、
常に周りの(男性の)悪漢たちを手玉に取っていく展開は、非常に爽快で、アクションが気持ちよく決まっていきます。
勿論、復讐ものですので、かつての宿敵たちを一人づつ撃破していく展開になっていくのですが、
本作の魅力は、陰惨な復讐物語そのものよりも、このシャー・クワンリの持ち味が存分に出ている男装の痛快レディ(一応、男のフリしてますが)キャラクターを演じているパートに集中していると思われます。
因みに、実際に事件の当事者たちと特定し、その人物に決闘挑んでいくという展開になりますが、その要所では女性の扮装に戻って、
自分自身を思い出させてから、仇を撃つ、というキメも男装パートとの対比が効いていて見せ場となっています。
で、復讐は進み、ボスまで後一歩というところまでいきますが、残念ながら今のカンフーの腕ではボスにはまだかなわない、
という事で、そこでまた危機を救ってもらった若い女性に別の足技を教えてもらう事になります。
まさかの二回目の特訓です。(師匠は別人)
今回は、完全に足技に特化しているようで、とにかく既に柔らかい足をさらに柔らかくするような特訓を繰り返していきます。
前半では水の入った桶を両手に持って訓練していましたが、今回は足にひっけて、両足で持ち上げる、という股関節が脱臼してしまいそうな厳しい訓練も繰返していきます。
どこまで、足を柔らかくするんだ、という感じですが、この特訓が、しっかりとラストシーンに繋がっていて、
その柔らかくした足技でラスボスに他で観たこともないような強烈な蹴り技で撃破することになります。
この後半からはシャー・クワンリの正体も知られていますので、男装ではなく女性の衣服を着て強い女性として活躍していきます。
特訓シーンを指導してくれるのも若い女性、という事で、カンフーの厳しい特訓をしているのに、頭には花飾りが装着されている、
という男臭さは皆無(当たり前ですが)の、女性らしさ全開の特訓シーンになっていきます。
という事で、酷い目に合って、修行して、男装して、痛快になって、また修行して、女性らしさ全開になって、最後は痛快な蹴りで悪党をやっつける、
シャー・クワンリのほとんどプロモーションビデオのような痛快レディカンフー作品となっていますので、
カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1979年製作 台湾製作 カンフーアクション
監督 リー・ツォーナム
出演 シャー・クワンリ、ペン・コン、ウォン・チッサン
↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します。↓