おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(ワイルドスピード)シリーズのタイリース・ギブソン製作・主演のテロリストが郊外のスーパーマーケットを占拠する、というこじんまりとしたダイハード系アクション!!
作品紹介
2022年1月22日公開
今回ご紹介するのは、タイリース・ギブソンが製作・主演し、ジョン・マルコヴィッチが共演したアクションサスペンス作品です。
それでは、まずはあらすじから、
シングルファーザーで元海兵隊のカイル(タイリース・ギブソン)は、ある日、犬猿の仲の義父、ネルソン(ジョン・マルコヴィッチ)が経営するスーパーマーケットに立ち寄るが、
偶然にも謎の武装集団によって占拠されてしまう。
店内にいたカイルと娘たちは、人質となってしまうが、海兵隊のスキルを活かして反撃に打って出る!?
(ワイルドスピード)シリーズでお馴染みのタイリース・ギブソン主演のアクションサスペンスです。
基本的な大筋は、まさに規模の小さい(ダイハード)という感じで、テロリストに占拠された建物内で、ヒーローが単身戦いを挑む、
というシンプルな内容ですが、そこに一応製作も兼任しているタイリース・ギブソンの(かどうかは分かりませんが)こだわりのような味付けが少し付け加えられています。
その味付けですが、主人公は小学生ぐらいの娘を持つ元海兵隊の父親で、退役後はPTSDに悩み、常日頃から悪夢に悩まされている、
という心に傷を負った男、という設定になっています。
で、気力もなくなり、結構な挫折を味わっている、状態で、母親の結婚相手である下院議員で大手スーパーマーケットの経営者でもあるネルソンとは犬猿の仲、
たまに顔を合わせると、お互いののしり合うばかり、というなかなかのバックグラウンドのある主人公となっています。
で、犬猿の仲の二人が今日も喧嘩し終わった後、主人公のタイリースは、仕事の相棒と共にある家庭を訪れます。
そこでは、養父が幼い子供を虐待していたようで、通報を受けて問題を解決しに二人がやって来た、というわけです。
ん?という感じですが、
PTSDで悩んでいて気力を失い、義父であるジョン・マルコヴィッチに『そんな(みじめな)姿を娘には絶対見せるな!』
と、叱責され、力なく『俺だって、努力してるんだ、、、』
と、独り言を言っていたタイリースは児童養護施設の職員として立派に働いています、、。
相棒とのちょっとした仕事に対する考え方は違うけれども、しっかり勤務して、今現在も虐待されている児童を救出するために駆け付けています。
しかも、PTSDによって仕事ができない、という感じでもなく、しっかりとこなしています。
そのわりには、思い出したように戦闘シーンのフラッシュバックが入って、一応悩んではいるようですが、かといって特に日常生活に問題があるようにも見えません。
ちょっと設定が怪しくなってきましたが、そんなタイリースが通報を受けた家庭で、しっかりと勤めをはたして児童を保護し、施設に連れ帰るために車で移動します。
で、その途中でたまたま食事に立ち寄ったのが、犬猿な仲の義父が経営する郊外にあるスーパーマーケットネルソンズです。
で、そこで食料をゲットしようとしていたら、たまたまそこに自身の娘と共に訪れていた義父と遭遇、
嫌な気分満載になっていたら、たまたまマルコヴィッチに恨みを抱いていたサイコ気味のテロリスト数名がそのスーパーを重武装で占拠し、
自分は、20年前ぐらいにマルココヴィッチといざこざがあった男の身内なので、その件について今、テレビ中継で謝罪せよ、
というよく分からない要求を出してきます。
勿論大筋は(ダイハード)がやりたい作品なので、主人公が単身テロリストに戦いを挑むことになりますが、
展開が行き当たりばったりなので、それぞれの設定がかみ合わず、PTSDの要素はほとんど放置されてしまいますし、
守るべき子供が自分の子供と家庭内暴力から救った子供、と同じような存在が二人存在しますので、
途中自分の子供は解放されているのに、さっき出会ったばかりの子供を救出するために現場に留まる、という本来は逆であるべきはずの流れにもなっていきますが、
結構な行き当たりバッタリな物語展開ですので、とりあえず色々な不具合もそのままに、(ダイハード)展開に進んでいきます。
で、主人公は特にかつての海兵隊モードへと切り替わるようなスイッチもなく、なんとなくその場の雰囲気で、なんとなく敵を倒していきます。
殺人兵器と化す、とかPTSDと戦いながら必死で応戦する、等の繊細な描写は一切ありませんので、終始なんとなく応対していきます。
そもそも、PTSDに悩んでいる、という描写はありますが、強いという描写がほとんどないので、実際強いのかどうかも良くわかりません。
そんななんとなく応戦するふわっとした設定のヒーローですが、敵のテロリストも20年前の家族の恨み、というピンとこない理由で凄んできたかと思うと、
結構金品目当てであったり、絶対に死にたくなかったり、と全てが行き当たりばったりで、しかも後半その店の店長の元同級生、
という訳の分からない設定も加わり、郊外のスーパーマーケットを武装占拠する、という非常にスケールの小さいテロ活動の説得力をどんどん欠いていきます。
ジョン・マルコヴィッチのキャラクターも良い人なのか、利己主義の自分優先な考え方の持ち主なのかもはっきりと分からず、物語が進むにつれてどんどんキャラクター性がブレていきます。
さらにマルコヴィッチのボディガード役で(スポーン)や(ザ・ハードウェイ)(詳しくはこちら)等の早すぎた本格派、
マイケル・J・ホワイトが出演していますが、特にアクションシーンで活躍することなく、さっさと離脱していきます。
という事で、観終ってみるとなんとなく(ダイハード)がやりたかった映画という印象と、ほとんど笑わないタイリースの無表情ぶりしか印象に残りませんが、
それなりにB級アクションサスペンスを観た、という雰囲気は感じられる作品となっていますので、
アクション好きの方や(ダイハード)好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
それにしてもタイリース、(ワイルドスピード)以外では、個性を発揮できている作品が少ないですね、、、。製作も担当しているはずなのですが、、。
作品情報
2021年製作 アメリカ製作 アクションサスペンス
監督・製作 ジョン・キーズ 製作 タイリース・ギブソン
出演 タイリース・ギブソン、ジョン・マルコヴィッチ、マイケル・ジェイ・ホワイト、クリストファー・バッカス、ローレン・ベレス、ホリー・テイラー
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