おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
そのアプリを起動させると24時間後に必ず死ぬ!!助かりたければ、制限時間内に他人に同じアプリを起動させよ!!という(リング)と(イットフォローズ)の設定をそのまま頂いたJホラー風イタリア産ホラー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、死者の世界に接続するアプリを巡って死者が続出するJホラー風イタリア産ホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ある日、学生のアージアは携帯電話の中に身に覚えのないアプリを見つけ、何気にそのアプリを起動する。
するとカメラが起動し、そこには(YOU DIE)という文字と共に携帯の現実拡張ゲームのような画面が映し出される。
しかし、そこに映っているのはゲームのキャラクターではなく、死者の姿で、そのアプリは死後の世界と接続することができるアプリだったのだった。
24時間の制限時間内に他人に同じアプリを起動させないと死に至る、というそのアプリの謎を求めてアージアは奔走することになる!?
Jホラーの代表作(リング)や(イットフォローズ)の影響をかなり受けたイタリア産のホラー作品です。
実際は影響を受けたどころか、二作品の設定と物語展開をそのままパクッ、、借りたような作品となっています。
まずは、冒頭で、何か思いつめたような女性が、自分のスマホを気にしながら、知り合いの男性の自宅を訪問するところから始まります。
男性は女性に気があったようで、嬉しそうですが、女性はそれほどでもないようで、とにかく様子がおかしいです。
なんとなく、既に(イットフォローズ)を想像してしまう雰囲気ですが、
とりえず女性が自分の部屋を訪問してくれて嬉しくてしょうがない男性は、そんな様子のおかしい女性を一切警戒することなく室内に招き入れます。
で、女性は、その男性に携帯を貸して欲しい、と言い出します。
勿論嬉しすぎて警戒心なんか一切ない男性は素直に携帯を差し出します。
でロックの解除番号などもあっさりと教え、女性がロックを解除して何やら、スマホで操作し、しばらくすると、用事が済んだのか、男性の気持ちの高ぶりをよそに速攻で退出していきます。
あっけにとられる男性、、、。
で、主人公である女子大生のアージアが友人と共に登場。
なんだかんだと楽しくやっているうちに幼馴染みの彼氏候補の男性とホラー映画鑑賞会を決行しようとしたらポップコーンがないので、コンビニに買いに行こう、となります。
で、コンビニ行って買い物中に、冒頭で登場した男性登場、ちょっとスマホを貸して欲しいと言い出します(勿論、初対面です)。
で、初対面なのにあっさりと携帯を貸してもらった男性は、ロックの解除番号をあっさり聞いてロックを解除し、なにやら操作し、別れを告げます。
で、主人公たちが、スマホを返してもらい帰宅してホラー鑑賞会開始。
鑑賞後に何気にスマホが起動したので、見てみたら(YOU DIE)という文字と共に何かのアプリが勝手に起動し、カメラも勝手に起動。
その画面をのぞいてみたら、存在しないはずの霊のようなものが移っていた!!
という流れが中盤までの展開となります。
ルールとしては画面下部に表示されている24時間の制限以内に自分以外の人物に同じアプリを起動させないと死に至る、
というもので、もし起動させることに成功すればさらに24時間制限時間が延びるというルールですが、とりあえず完全に自由になるというルールは存在しない、
という設定になっています。
主人公の友人が、ホラー映画を見ながら(リング)に登場する【貞子】の真似をするようなシーンもありますので、
完全に(リング)等のJホラーが好きでしょうがない製作者によって演出されている作品だという事ははっきりと分かるのですが、
本作はそのJホラー風味に、犠牲となる他人を探すために手っ取り早く(なにせ24時間、しかも毎日という制限がありますので)行きずりの異性を誘ったり、
出会い系や商売っ気のある人たちと次から次へと行為に及んでいく(他人のスマホを隙を突いて起動させる)という、完全に(イットフォローズ)な展開を融合させた物語となっています。
それだけ名作の設定と物語展開をいただいているので、恐怖描写などはなかなか怖いシーンもあったり、で移ってはいけない何かが移りこんでしまう、
というPOV的(スマホの画面ではありますが、恐怖演出的にはパラノーマルアクティビティなどにも近いです)な恐怖感も加わり、
また、制限時間がせまる危機感もありますので、結構ハラハラドキドキ感を味わえる作品となっています。
ただ、死のアプリの連鎖によって犠牲者が広がっていくという基本の物語展開は秀作ホラーの良い所取りで楽しめる要素が多いものの、
そもそも基本的な設定の部分がしっかりしていないために、突っ込みどころは多い作品となっています。
まず、一番大事なところですが、この謎のデスアプリ、ルールを説明してくれる人がいません。
シチュエーションスリラーものではまずはルールを説明してくれる(SAW)のジグソウや、ゲームという設定ではなかった(リング)でも、
【呪いのビデオを見た人は7日以内に死ぬ】という大前提の噂的なルールが存在して、同じ状況に陥っている人々が呪いを解くために謎を追う、
という物語になっています。
死なないために謎を解く、というしっかりした行動理由があるので、その過程で(呪いのテープ)を拡散させてしまったり等の理由で、
犠牲者がどんどん膨れ上がっていく、という展開ですが、本作のデスアプリの場合、まずルールを説明することがないので、主人公たちに危機感が生まれません。
一応、カメラに映っている霊らしきものが、カメラを通さずリアルに見えるようになるので怖い、という事はありますが、
そのままだと制限時間内に他人に同じアプリを起動させなければ24時間命を長らえることはできない、という事もわかりません。
さらにネットで調べてもほとんど情報がないようで、主人公アージアには偶然ネット関係に詳しい友人がいたので、そのつてで、同じような目に合っている人物とスカイプを使って接触し、
細かいルールのさわりを教えてもらえましたが、それは偶然なので、ほとんどの人はそのルールも把握できないわけです。
だとしたら、ほとんどの人が24時間以内に他人に同じアプリを起動させる事ができないので、このデスアプリが拡散するはずもなく、
理由も分からず霊にとり殺される人が数人いるだけで終わってしまいます。
そもそも、そのアプリを他人の携帯にダウンロードする方法も分かっていないのに、ずいぶんと簡単にダウンロードしてしまえますので、その辺にも違和感があります。
後半になってそのアプリを他人に起動させて毎日犠牲者を出しながら生きながらえている物凄い人物が登場しますが、追い込まれた主人公は、
自分が生き残るために他人を犠牲にするなんて信じられない、といった表情をするばかりで、どうやって生き延びているのか?という肝心な部分を聞こうともしません。
常識的に考えて他人のスマホを毎日いじる、という行為を繰り返して生きながらえる、という事が継続できるとは思えませんし、
その人物含めて、何故根本の呪いを解こうと謎に挑もうとする人物がでないのか?がさっぱりわかりません。
こういう呪い系の作品は必ず、その呪いの起源を求めて謎を解明していく部分が根本の目的なので、その謎が分かった時に物語の全体像も見えてくるはずなのですが、
本作の主人公たちは、その謎自体は放ったらかしで、完全に(イットフォローズ)のように次の犠牲者を探すだけの物語になってしまいます。
そんな調子で後半までいってしまうので、勿論物語は解決することなく、一番見たくないような終わり方で終幕を迎えてしまいます。
それまで積み重ねてきたドラマは何なんだ?というような終わり方になっていますので、この辺は意見の分かれそうなラストとなっています。
ただ、それでも恐怖演出部分は十分楽しめますので、Jホラー好きの方や、恐怖映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
設定がしっかりしていれば、結構な秀作になっていたかもしれないのでちょっと残念ですね。
作品情報
2018年製作 イタリア製作 ホラー
監督 アレッサンドロ・アントナチ、ダニエル・ラスカー、ステファノ・マンダラ
出演 キャロラ・クデモ、シモーネ・バレンチノ、エリカ・ランドルフィ、アリス・ビアノ、ミコル・ダミアーノ
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謎のメールによって次々と犠牲になる高校生グループを描いたホラー(デスメール)シリーズはこちら
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