おすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
乗った気球が空中で制御不能!!珍しいパニックに突っ込みどころが満載ながらも、その良い意味でズレた感覚が予測不能なサスペンスを生み出し、91分間目が離せません!!ちょっと他の作品と見方のスイッチを変えれば非常に楽しめます!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、気球上でのパニックサスペンス、という限定された空間でのサスペンスを描いたパニック作品です。
それでは、まずはあらすじから、
地中海のリゾート地。酒に酔って気分が高揚した4人の男女が、その勢いのまま無許可で気球に乗るが、強風に流され、
発電用の巨大風車に接触して気球は大破してしまう。
そのまま、上空をコントロールを失いながら漂い続け、ついに地中海上空に漂い出てしまう。
そのうち、燃料も底を尽きはじめ、上空から落下するか、会場に落ちて溺死するかの選択を迫られていく事になる!?
キプロスというトルコの南の東地中海上に位置する島国で製作されたパニックアクション作品です。
初めて聞いた国名で製作された作品ですが、一応(バックドラフト)、(バックドラフト2)(詳しくはこちら)等で有名なウィリアム・ボールドウィンも出演していますので、
それなりの期待の持てる作品となっています。
島国で製作された作品という事で、期待も高まりますが、これが、ハリウッド作品とは一線を画すような展開が目白押しの、
良い意味で通常の予算の少な目の作品の展開とは明らかに異なったパニック作品となっています。
意図しているのかどうかは分かりませんが、要するに良い意味で完全に感覚がズレています。
ジャンルとしては完全にパニック系の作品ですが、その内容が気球で飛行中に遭難するパニックもの、という事でパニック系作品の中でも非常に珍しい内容となっています。
パニック作品といえば、追い詰められ、限定した空間でなんとか生き残るためにサバイバルしていく、というのが通常の流れですが、
その限定された空間でも飛行中の気球上、という限定され過ぎている状況、という事でそこからのドラマも生まれにくく、
2時間弱の映画作品の舞台には選びにくい題材だと思われますが、そこは流石に海に囲まれた島国、という事でそれでもなんとか試行錯誤してドラマを生み出そうと挑戦しています。
その苦肉の策ゆえに、とにかく無理矢理ピンチを創り出しているような展開が多く、登場人物たちは常に良くない方の選択肢を選びまくります。
で、結果的に(自業自得的に)、危機また危機の連続となりますので、通常のハリウッド作品では考えられないようなレベルの危機が次から次へとやってきます。
このある意味、全く予測のつかない展開が非常にサスペンスフルで、とにかく主人公たちが次、どういう行動をとるのかが全く予測できず、
結果的に物語展開がこちらの予測を大きく越えていくので、興味が常に尽きない、という予想外の面白みが出ている作品となっています。
ただ、予想通りに全くいかないので、突っ込みどころは満載で、それに対してストレスを感じてしまう方はいるかもしれません。
そういう要素を持った作品です。
個人的には非常に楽しめてしまったのですが、普段からB級作品をあえてB級と理解したうえで楽しむ、という心構えがある方でないと厳しいかもしれません。
※↓ここからは物語展開に触れていますので、真っ新な状態で鑑賞したい方はご注意ください↓※
あまり関係が上手くいっていない姉妹がホテルに到着するところから物語は始まります。
とりあえず、スマホばかり見ている妹を残してディスコ的なところに姉が出かけます。
で、そこで出会った男性2人と女性1人と仲良くなります。
しかし、この女性は、実はホテルの空き巣の常習犯のようで今日もこの場所で獲物を狙っていたようです。
で、まんまとホテルのカードキーをすられてしまった姉はそんなことも気づかずにお酒の場をエンジョイします。
その間盗んだカードキーは彼氏であるウィリアム・ボールドウィンに手渡され、姉が楽しくやっている間に盗みに入ろうとします。
妹が危ない!!
で、同時進行で姉パートも進み、その仲良くなったうちの一人が『気球を所有しているので今から乗りにいかないか?』と誘うので、夜ですが、みんなで乗りに行きます。
で、男2人、女2人のきままな気球旅のスタートです。
妹が危ない。しかし、姉を隠れて驚かそうと思っていた妹は姉が帰ってきたと思い物陰に隠れます。
でも入ってくるのは、ボールドウィン!!
異変に築いた妹の運命は、、、!?
という状況に姉は空の上に行ってしまっているので助けにも行けないという状況が重なり、
非常に緊迫感が高まります。
で、妹が逃げようとするとボールドウィンに気づかれます。
やばい!!『キャー!!』
捕ま、、、、、
らないで、妹はしっかりと逃げ延びてフロントで警察を呼んでもらいます。
ううむ、予想外ですね。
で、ボールドウィンはというと目撃者の妹はそっちのけで、カードキーを盗ませていた彼女(今現在は気球に乗ってしまっている)をも放ったらかしにして、
さっさと逃げて、別の女性とどっかに行ってしまいます。
ボールドウィン、まさかの役目終了。
ううむ、予想外ですね。
で、気球の4人は、大はしゃぎですが、ここであることに気が付きます。
主人公女性『あれ?ロープに繋いで移動はできないようにしていたはずなのに、移動してない?』
アンドレアス(男)『!!ロープを気球に縛って固定しろって言っただろう、ニック!!』
ニック(男)『ロープを結べとは言われたけど、気球に結べとは言われなかったぜ!!』
人為的ミス!!
しかも低レベルの!!
焦る4人。
男性二人は殴り合いの喧嘩を開始!
飛行中の気球の中で!!
そうこうしているうちに、前方に風力発電用の巨大風車が接近!!
主人公『アンドレアス、なんとかしなさいよ!!』
アンドレアス『俺は持ち主じゃないから操縦の仕方が分からないんだ!!』
!!!!
アンドレアス『俺は整備士なので構造は分かるけど、操縦はできない』
そんな事あるのか、アンドレアス!!
操縦できない気球の整備士!!
じゃあ、何故乗ったの!?
という突っ込みも聞こえそうですが、そんな事言っている場合でもないので、操縦技術のない4人を乗せた気球はあえなく風車に激突!!
その威力でニックが後ろに飛んでいきます!!
自分のミスにうなだれるアンドレアス、、。
その衝撃で意識を失うメンバー、、
で、しばらく後に意識を取り戻し、誰かの声を耳にします。
???
上空ですけど、、、
あの声は、、、?
吹き飛ばされたと思われたニックが結び忘れて怒られたロープにぶら下がって助かっています!!!
凄まじい奇跡+みんなが気絶してから意識を取り戻すまでずっとぶら下がって待っていたニックの努力!!
ニックを救え!!!
ニックをまた気球内に戻すために手を伸ばすコソ泥女子と支える主人公。
振り子の要領で体制を変えながら揺られるニック!!!
振り子1回!!
まだ届かない、2回!!
まだ届かない、3回!!
まだ届かない、4回!!
『うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
ニックが居ない!!
ニックあえなく退場!
ロープにつかまって助かったのはなんだったんだ、という突っ込みが聞こえそうですが、そうこうしているうちに目視で確認できる位置に大きなヨットを発見!
喜んで助けを求めるメンバー!!
でも嬉しさのあまり、満面の笑みになってしまっているので、ヨットの乗客は、
『おーーーい!!』
と笑顔で手を振り返して、気球上の修羅場に築いてくれません。
普通笑顔で気球から手を振っていたら、楽しそうに見えますから。
で、風車激突時に足を怪我して立ち上がれなくなっていた諸悪の根源アンドレアスが、名誉を挽回しようと張り切って自分も立ちあがって手を振ろうとすると、、、
アンドレアス落水!!!
何やっているアンドレス!!!
これは、ニックに続いてアンドレアスも転落死!?
と思ったら、、、
まさかの近距離!!
助けられる!!主人公は体にロープを縛り付け、
いちにの、、、
さ、、、
うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
????
まさかの、飛び込むのが怖いだけ!!!
コソ泥女子は泳げないので、あえなくアンドレアス退場!!
自業自得ですけど、足を怪我しているので自力では無理でした、、、。
で、ヨットが遠ざかりそうな気配を見せたため、主人公がなんとか危機を知らせる方法を考えだします。
気球の横面に括り付けている幕を取り外して『SOS』のメッセージを書いて、危機を知らせようというのです。
良いアイデアですね、タイトルにもつながりますし。
で、上下4点で括り付けている垂れ幕をコソ泥女子が外します。
上部分2つを先に外して、、、、
しまって手を離すと下2点からぶらりと幕が垂れ下がってしまいました!!!
当たり前!!!!
主人公『何やってんのよ!!!』
観ている側も含めて全員思います。
怒られた、コソ泥女子は、、、
コソ泥女子『足を持ってて、、』
なんなんだその勇気は!?
というか、そういう方法でしか、その幕は取れないのか?
しかし、コソ泥女子の思わぬ勇気でゲットした垂れ幕の裏地に口紅で(SOS)の文字を書いていく主人公。
何故か口紅をそのまま使用するのではなく、手に練りつけて力強く【S】の文字を記入、、、
次は当然【O】です、、、
が、、、、、、
口紅が足りない!!!!
今回は、手に練りつけている時点でなんとなく予想できた!!
ていうか、配分考えたらいけたのに!!!
【S】だけだとスーパーマンみたいで意図が伝わらないので、残りの2文字を赤い字で書くには、、、
そこで主人公が床面に散らばっている物から、ある物を手に取ります、、
は、はさみ、、、まさか、、、
主人公『うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
そのハサミを持って自身の手のひらに大きなダメージを負わせて血文字で『SOS』完成!!!
しかし、努力の甲斐もむなしく、ヨットの乗客は気づくことなく、ヨットは彼方に消え、結局そのまま空中を漂流する事になります。
で、ここで気球のガスの威力が弱くなってきている事に気づき、火力が必要であることがわかります。
ライターもマッチもなく、あるのはコソ泥女子が大切にしている祖母の形見の鏡だけ。
しかし、鏡の反射を利用しても火は起こりません。
そこで、おもむろにコンドームを取り出し、ウォッカの便に取り付け風船のように膨らませます。
で、その丸みを帯びだコンドームに太陽光を反射させて火を起こす、という急転直下のサバイバル術を披露します。
これは流れが変わり始めましたね。
というところで、場面は変わって、ホテルのロビーで警察との応対も終わった妹が、大使館職員の女性ソフィアに保護施設に連れて行ってもらうシーンに代わります。
しかし、妹は姉の帰りを待ちたい、自分を置き去りにして消えてしまうような姉ではないため、姉を探したいと思っています。
で、ここからは地獄の女子二人気球旅パートとその姉を探す妹と政府職員との捜索パートが同時進行で描かれていきます。
女子旅の方は、いよいよ友情も芽生え始め、お互いのひととなりなんかも口にしだして人間ドラマも盛り上がりだし、さらに衣服を燃やしてのろしに使う、
という薄着サービスとサバイバルを兼ねた展開で前半の自業自得展開をどんどん挽回していきます。
一方、妹と公務員の二人女子旅の方は、一瞬の姉のGPS信号の回復を見逃さず、現在地が海の上である、という事も突き止め、なんとか公務員を説き伏せて、浜辺へと向かいます。
公務員のソフィアもなんだかんだといいながらちゃんと見捨てず付き合ってくれます。
優しいですね。
で、海上の女子旅の方は、頑張ったのろしも、気づかれず、いよいよ高度も落ちてきて、着水してしまうか、というところまで来てしまいます。
そんなぎりぎりの状態で、浜辺にいる妹はその辺に落ちているボートにおもむろに乗り込み、エンジンを懸けようとしてます。
なかなかの勇気ですが、それに気づいた公務員も、あきれながら結局一緒に会場に繰り出します。
優しいですね。
先に海に出ていた女子二人はいよいよ着水してしまい、気球に積んでいたガスタンクにしがみついて海上で揺られている状態になっています。
これは、もうあまり猶予がありません!!
どうなる、女子4人!!!
そこで天然さんっぽい妹が言います
妹『このボート穴が開いているわ』
まじかーーーーーー!!!
そりゃ、浜辺に落ちてたからねっ!!
海上の二人女子旅X2の運命やいかに!?
作品情報
2020年製作 キプロス製作 パニックアクション
監督・脚本 ロマン・ドロ二ン
出演 ジャーニー・カスパー、マリアナ・ロセット、クセニア・ビンチ
その他の勢いのある独特なB級作品
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