修行度 🔥🔥🔥🔥🔥🔥●●●●
ホテル宿泊客を襲う正体不明の死のウィルスによって次々と出る犠牲者の悪夢を描いた釈由美子世界進出第一弾!!
作品紹介
2021年7月2日公開
今回ご紹介するのは、謎のウィルスが蔓延したホテルで起こる悲劇を描いたホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
とあるホテルの一室で発生した謎の殺人ウイルス、ホテルの廊下はもがき苦しむ感染者たちでいっぱいにになっていた。
一方、臨月が近い日本人客のナオミ(釈由美子)は、支配的な夫から逃れてそのホテルに滞在していたが、やがて彼女の体にも異変が起こり始める。
釈由美子海外進出第一段となるウィルス感染ホラー作品です。
内容はあるホテルに宿泊に来た臨月の日本人女性と、夫の暴力が原因で関係がこじれている夫婦とその娘の家族を中心に、
そのホテルで突然のウィルス感染によるパンデミック状態で、命を落としていく人々を描くホラー作品です。
途中でウィルスをばらまいたと思われる怪しい人物が登場しますが、その方法や、対処法など細かい(というか物語上必要な)部分は一切描かれていませんので、
その時点で問題解決のしようがないので、始まりも終わりも描かれない、もやっとした作品となっています。
そもそも宿泊客のほとんどが一挙に感染してしまうほどの強力な影響力を持っているウィルスが入っていると思われる容器を、ばらまいた張本人と思われる男が、
素手で掴んで軽々しく扱っている、時点で、完全に細かい設定を描く事を放棄してしまっていますので、その時点で早々に修行的な要素が高くなる作品となってしまっています。
その嫌な予感は的中し、とにかく理由も分からず感染しまくるウィルスに何故か人を選んで感染者が多発し、主人公など物語上活躍する人物はとりあえず感染しない、
という暗黙のルールの元、物語は全く先に進むことなく(というより進めるつもりがないようにしか見えない)、何故か宿泊客は廊下まで出てきて、もがき苦しみだします。
とりあえず、廊下にでるより自室のベットで寝ておいた方が絶対良いです、
とにかく皆廊下に出てきてそこで悪化していきますので、廊下には感染者がゴロゴロいます。
おそらくその調子だと各部屋にはほとんどの人がいないと思われますが、それもこの廊下だけしか映らないので、他の廊下がどうなっているのかは分かりません。
要するに、本作のメイン舞台はこの廊下ですね。
廊下映画です。
ほとんど廊下だけで1本映画を製作する、というなかなか硬派な修行映画です。
勿論、ロックダウン的に閉じ込められ限定された空間ではなく、どこにでも逃げ道のある廊下ですので、そこを舞台にドラマが大きく展開できそうですが、
そうするつもりもないようなので、この廊下でとにかく、もがき苦しむシーンばかかりが繰り返されます。
釈由美子の感染者演技は熱演ですが、そこに至るウイルス発症までのシーンが非常に長く、宿泊している部屋で母親となんという事のない、
とりとめのない会話をするシーンが延々と続きます。
長電話ですね。
長電話映画です。
海外なので、通話料金も気になるぐらいに長電話です。
もう少しドラマに関係のある会話ならまだ聞けますが、支配的な夫と離れてここで暮らしたい、とかの会話しかしないので、
特に聞く必要のない会話です。
そんなシーンを長時間見続けた挙句、会話中にウイルスが活性化したようで、感染者モードに入っていきます。
一方、主人公夫婦の方もとりとめのない会話を繰り返し、夫のDVなどが原因で険悪な中、何故か『愛している』などの言葉も飛び出し、
関係が良く分からないままに夫のみがウィルスに感染してしまいます。
何故、夫だけなのか?などかなり重要な要素だと思うのですが、そういう部分は描くつもりがない、という事が分かってしまっているので、
見ていても、何のサスペンスも生まれません。
で、取りあえず例によって廊下に集合しますので、廊下に出てみたら釈由美子がもがいている、という感じに繋がっていきます。
ここから、もし、ウィルスに感染してしまった釈由美子がゾンビになって、主人公親子に襲い掛かる展開になっていたら、
恐らく、もっと結構楽しめる作品になっていたかもしれないのですが、本作は意表をついてゾンビ映画ではないようなので、
ただただ苦しんでいる姿が映されるだけとなっています。
一応、若干暴力的になった他の感染者の行動もありますが、基本的に健康な人間に襲い掛かるゾンビ地獄描写はありませんので、
ウィルスが蔓延している状態になっても盛り上がる要素がありません。
だったら、さっさと逃げれば良いのでは?
とも思いますが、そうはなりません。なぜなら、そういう部分を描くつもりがないからですね。
もう、ウィルスをばらまいていると思われる犯人らしき人物は描きながらも、細かい設定を描かない時点で、通常必ず描かれるべき要素も描かない、
という事はなんとなく予測できましたが、流石にここまで最後まで何も描かないとは思いませんでした。
という事で、これはなかなかの修行覚悟のいる作品です。
もし、普通のゾンビ映画などをイメージしていると、思わぬダメージを食らいますので、それなりの覚悟の上でのご鑑賞をお勧めします。
これなら、ドニー・イェンアクション監督の修羅雪姫2なんて、、、もう無理ですかね、、。
作品情報
2020年製作 カナダ製作 ホラー
監督・製作・脚本 フランチェスコ・ジャンニー二
出演 カロライナ・バルトチャク、釈由美子、マーク・ギブソン、ベイリー・タイ
その他のウィルス感染系ホラー作品
ジェイソン・ブラム製作によるウィルスパニックサスペンス(ヴァイラル)はこちら
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