おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
(マーシャル・ユニバース)シリーズの第二弾は、妹を誘拐された主人公リン・ドンが多くの陰謀が渦巻く炎都で、激闘を繰り広げるVFX満載の娯楽武侠アクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、(マーシャル・ユニバース)シリーズの同じキャストによるシリーズ第二弾です。
それでは、まずはあらすじから、
恩師からの勧めで、妹と共に炎都にやってきたリン・ドン(ワン・ルオジア)は、そこで街を取り仕切っている万金商会と、
かつてのライバル血衣門のウェイ・トン(ワン・ハンヤン)、そして血狼党の3大組織が火花を散らす勢力争いを目撃する。
リン・ドンが持つ聖石の噂を聞きつけたウェイ・トンは、リン・ドンの妹を誘拐し勢力の拡大を狙っていくのだった!?
(マーシャル・ユニバース伝説の聖石)(詳しくはこちら)の同スタッフ・キャストによる続編作品です。
主要登場人物も前作と同じキャストでそのまま登場しますので、完全に前作の続きとして鑑賞できる作品となっています。
物語の流れは、前作を鑑賞しなくても一応分かるようになっていますが、それまでの感情の流れや人物関係などを深く理解するには、
やはり前作は鑑賞してからの方が寄り良く理解できますので、2作品通しての鑑賞をお勧めします。
そんな前作の続きから始まる物語ですが、一応前作の事件は既にひと段落していますので、今回は主人公兄妹が、師匠の勧めで炎都へと旅に出るところから始まります。
そこでは街の最大の勢力である万金商会、血気盛んな血狼党、そして前作で主人公たちと敵対していた血衣門のウェイ・トンの、
3つの勢力が覇権をかけて睨みあう緊迫した状況が続いています。
そんな状況の炎都に、主人公の兄妹がやってきて、覇権争いに巻き込まれていきます。
まず、妹が誘拐されてしまいます。狙いは前作でリン・ドンが手に入れた聖石の力で、その絶大なパワーの噂はこの炎都にも響き渡っていたようです。
で、そこからまずは最大勢力である万金商会と接触することになり、偶然党首を助けたりした事で、若干親しくはなりますが、
リン・ドンは聖石の力は手に入れたもの、まだまだ内功的な高みには達していないようで、完全に小物扱いされてしまいます。
そんな時に前作で仲間として戦った女戦士も合流して、戦いが本格化していきます。
妹を拉致している張本人は、前回で悲しいシーンの果てに絶命し、、、たと思ったら実はおまけシーンで生きていた、
というあんまりな終わり方の末に本作では悪の大ボスとして登場するウェイ・トン。
前作の恋愛要素がまるで無かった事のように妹を誘拐した挙句に鎖で吊るしたりしますが、今回は完全に悪役のラスボスとして登場します。
で、そんなウェイ・トンから妹を救う力を習得するためにリン・ドンは、万金商会の党首の協力も仰ぎながら、未知の力が眠る池(?)に入っていきます。
前作でもそういうシーンがありましたが、本作でもこの池でさらに強大な力を得ることに成功します。
で、主人公はさらに絶大なパワーを得ることになり、本作登場時は小物扱いされていた万金商会の党首からも、その強さを認められます。
絶大なパワーを身に着けたリン・ドンはいよいよ妹を救い出すためにラスボスの待つ塔に向かっていく、というのが大体の物語の流れになります。
人気のWEB小説が原作で、物語や設定自体はしっかりしているので、近年の中国作品にありがちな何をやっているのか良くわからない、
というようなことは少なく、多少説明不足ながらも娯楽作品としてしっかり楽しめる作品になっています。
全体的に前作よりセット撮影が増えてしまったようには感じましたが、セット自体は凄く大掛かりで潤沢な予算を感じるような豪華な舞台となていますので、
前作同様の奥行のある世界観を味わう事ができます。
アクションに関しても、前作のイケメン刈り上げラスボスほどに動けるキャストは不在ながらも、それぞれができるだけ自身でアクションを見せているようなシーンも多めでしたので、
他の中国系の吊られてくるくる回っているだけのアクションよりは、数倍見どころのあるアクションとなっています。
血狼党の党首がかなり出来上がった体格でしたので、期待しましたが、完全にパワー系で、力強さと安定感は物凄いですが、
超絶アクションとはなっていなかったのが少し残念です。
主人公のリン・ドンは、前回の聖石のパワーと今回の池で習得したパワーの習得でどんどん強くなっていますが、今回も前回同様にその場で急に身に着けたパワーですので、
努力の結果たどり着いた強さではないのが、いまいち感情移入できませんが(見たいのは修行の結果たどり着いた勝利)、
始まりと終わりで強さのレベルが格段に上がっていて、無敵状態に近くなってきていますので、次回以降の展開に若干不安を覚えます。
強さのインフレ問題はヒーローアクションものにはついて回る事柄なのでしょうがないのですが、主人公の努力と得られる力の大きさが、つり合っていないのが、ちょっとした問題といえば問題でしょうか。
登場人物は前作に引き続いたお馴染みのキャラクターが登場しますが、中でも注目は、万金商会の党首のボディガード的に登場する蜘蛛の化身的な女戦士です。
手足合計8本の女戦士ですが、非常にカッコ良く描かれていて、前半のアクションシーンの見せ場はほとんどこの女蜘蛛戦士がさらっていきます。
ちょっとCGに頼りすぎている(しかも、CGっぽさが強い)部分が少し残念ですが、人間に寄り近い姿での蜘蛛戦士というのは、
あまり見たことがないキャラクター(完全に蜘蛛モンスターに近い姿は逆に頻繁に見かけます)でしたので、
その戦い方の多彩さと単に見かけのカッコよさと、演じているキャストのクールビューティーさが、非常にカッコ良くブレンドされていて、異彩を放っていました。
活躍が前半のみなのが非常に勿体ないぐらいの目立ちぶりなので、下手したら本作一番の見どころと言えるかもしれません。
その他のメンバーでは寡黙な女戦士も続投し、主人公とまた共闘していきます。
この二人のエピソードは、前作でほんのり感じられたロマンス要素がさらに進展していて、ちょっとしたシーソーゲームが作品の味付けとなっています。
寡黙でクールな美女に少しづつ笑顔が戻っていく過程は、見ていて微笑ましいです。
あと、前作のライバル門派で仲間として共に戦った戦士が、別の役柄で登場するのもなかなかに前作からの流れも尊重していて良い流れとなっています。
という事で、まだまだ物語の大きな流れの途中、といった感じですので、今後も続編が続いていきそうな展開で終了となりますが、
本作を見る限りは、この先の続編も、恐らくしっかりとシリーズの世界観と流れを大事にした作品になっていきそうですので、
前作を鑑賞された方で十分楽しめた方は、本作もご鑑賞をお勧めします。
まだ前作を鑑賞されていない方は、是非前作とまとめてのご鑑賞をお勧めします。
それにしても最近の中国作品はVFXを使用したくてしょうがない、という感じがひしひしと伝わってきます。
VFXは、もう少し武術アクションの味付け程度でも良いと思うのですが、、どうでしょうか。
作品情報
2021年製作 中国製作 武侠アクション
監督・脚本 フォ・スイチアン
出演 ワン・ルオジア、シア・モー、ワン・ハンヤン、ツァン・ヤキ
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