修行度 🔥🔥🔥🔥●●●●●●
幽霊などの目撃証言の多い最も呪われた場所とされているクリントン・ロードで巻き起こる、支離滅裂な交霊会騒動を描く殺害シーンの全くないソフトホラー!!でも、77分中前半20分は、何故か登場するアイスTが、バーで話しているだけのシーンが延々と続きます!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、幽霊の目撃証言が多いとされている(クリントンロード)を舞台とした支離滅裂なホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
行方不明になった家族を求めて幽霊などの目撃証言の多いクリントンロードに、交霊術師と共にやってきた一行。
しかし、その交霊にやってきたのは、家族の霊ではなく、もっと邪悪な存在だった!?
クリントンロードという最も幽霊などの目撃証言の多い(実際はどこまで有名なのかはわかりませんが、、)とされている場所を舞台にしたオカルトホラー作品です。
上映早々に幽霊の目撃証言や、殺人事件などが多い、という事が映像無しの字幕で説明されます。
そこからクリントンロードの映像に入っていくのではなく、まさかのクリントンロードの近くにある(多分)BARで、
その店の経営者が、客(主人公一行)に自慢話などをしているシーンから始まります。
で、その経営者を90年代にラッパーとしての活躍や、映画でも(ニュージャックシティ)や(トレスパス)などのハードな作品で人気だった、アイスTが演じています。
今も若いころ同様とはいかないまでも、登場すると一気にその場の雰囲気をさらっていくような魅力があり、まるでその後も本作に重要な要素をもたらしてくれそうな迫力が伝わってきます。
ですが、予想通りアイスTの登場はこのシーンのみで、クリントンロードに行こうとしている主人公達に、自分が経験したクリントンロードでの恐怖体験を少しだけ語るのみとなっています。
ただ、このシーンが意外に長く、上映時間77分の作品で前半20分近く存在します。
飲みながら恐怖体験を聞いているだけのシーンで全体の4分の1が取り留めのない話とちょっとの恐怖体験の話なので、
始まって早々にいったい何の映画を観ているのか分からなくなってしまいますが、これも修行と割り切り、なんとか耐えるしかありません。
で、アイスT劇場は終わり、主人公達が帰宅しようと店外に出ると、入店待ちの行列の中にまさかのエリック・ロバーツ(本人役)がいます。
で、門番のような女性スタッフに身分を証明するものを見せろ、と要求されています。
エリック『エリック・ロバーツだよ』
店舗スタッフ『いや、私の知っているエリックとは違うわ』
『エリック・ロバーツはもっとホットな人よ』
エリック『おおっ。ホットか!』(ちょっと嬉しそうに)
『でも俺がそのエリック・ロバーツだよ。ほら。』(身分証を見せる)
店舗スタッフ『大変失礼しました!エリック様!申し訳ありません!』
エリック『良いんだよ。気にしないでくれ』
で、主人公達はエリックに絡むことなく帰宅していく、、、
要るか?このシーンという感じですが、
本作の監督はリチャード・グリエコです。
90年代に学園アクション(ティーンエージェント)の主演としてデビューし、クリスチャン・スレーター主演の(モブスターズ)などにも出演していた元青春スターです。
近年でも出演本数は少ないながらも活躍中の、長年作品を残してきたレジェンドの一人ですが、そのリチャード・グリエコの、おそらく初監督(製作者としての参加は他の作品でもありました)作品だと思われます。
その長年温めてきた友情の証として晴れの舞台でアイスTやエリック・ロバーツの出演が実現したのではないでしょうか。
正直言うと本題とは全く関係ないといっても良いぐらいに不必要なシーンではありますので、なんとか友達である二人に出演をお願いしたら、
急遽その日のその時間なら良いいよ、と心良く引き受けてくれたので、本題をほったらかして撮影した、といった感じでしょうか。
完全に個人的な推測ですが、、。
という事で、本題とは無関係の時間を差し引いて残り57分のオカルトホラー物語に突入となります。
通常、こういう呪われた森を舞台にした作品は、そこに行き着くまでの移動シーンで、ちょっとした不安な要素や、主人公達のバカ騒ぎなどを挿入して、
後の恐怖シーンに繋がるような要素を散りばめられたりしますが、本作はアイスTとエリックの二人に結構な時間を割いてしまっていますので、いきなり森についています。
移動して、『ここが噂のクリントンロードか』などと話すシーンなどは一斉なく、もうそこに着いて道からそれて森の中に入って行ってしまっています。
で、そこに来た本当の目的は亡くなった(行方不明になった)女性の霊を交霊術によって呼び出し話す事、です。
だとしても、幽霊の目撃証言の多い森に夜間にわざわざ出向いて行って亡くなった家族の霊を呼び出す、という何故そう言う設定になったのか良く分からない設定で物語は進んで行きます。
で、案の定、いざ交霊を行ったら、家族(主人公の妻)の霊よりも、正体不明のグラサンスキンヘッドのおっさん幽霊と、正体不明の目の周りを黒く塗った少女の霊が登場します。
その霊たちの物語が全く描かれないので、何が目的で何をしたいのか?等全てが謎ですが、当然理由なんかは関係なしに主人公達を襲って行きます。
で、順調に人数を減らしていきますが、このおっさんと少女に主人公一行が殺されてしまうシーンも、実際に殺されるシーンは一切なく、
悲鳴を上げたら死んでいた、などの繰り返しでホラー映画としての見せ場は一切排除されています。
なんなら、何故死んだのか、はっきり分かない死に方のキャラクターまでいたりします。
さらにもっと言うと、死んでいるのかどうかも良く分からないけれども、その後登場しないので、あれは死んだという事なのか、と観ている側の歩み寄りさえ必要なキャラクターさえいます。
キャストの演技もなかなかのもので、ちゃんとした指導を受けているのか疑問のキャストもいますが、主人公のキャストでさえ、
足を痛めて歩きにくくなる、という感情表現というより、痛みに対するリアクションだけのシーンでも仮病のように見えるようなレベルの緊迫感を欠いた演技が炸裂します。
最終的には亡くなった家族に会えたような、でも幻のような、良く分からないシーンで終了となります。
という事で、全体的に支離滅裂としか言いようがないですが、アイスTとエリック・ロバーツとリチャード・グリエコの友情に乾杯!
いや、完敗!
作品情報
2019年製作 アメリカ製作 ホラー
監督 リチャード・グリエコ・スティーヴ・スタヌリス
出演 エース・ヤング、エリン・オブライエン、コーディー・カラフィオール、ケイティー・モリソン、ローレン・ラベラ
その他のオカルトホラー作品
(ブレアウィッチプロジェクト)監督による静かーなオカルトホラー(ザ・プレゼンス)はこちら
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