お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
謎のピエロによる監禁残酷ショーを描いた北欧デンマーク製シチュエーションスリラー!!
作品紹介
2020年1月13日公開
今回ご紹介するのは、デンマーク製作のシチュエーション監禁スリラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
深夜のガソリンスタンドで勤務するアグネスとベリンダは、その日も少ないながらも個性的な来客に応対していた。
しかし、ある奇妙な男が現れて以来、直したはずの道具が散らかっていたり、突然停電したり、などの出来事が頻発しだす。
原因を調べようと暗がりに踏み入ったアグネスの背後に、正体不明の人影が迫るのだった!?
珍しいデンマーク製作のサスペンスホラー作品です。
原作が存在し、(デンマークのスティーヴン・キング)と言われているスティーン・ラングストルブのベストセラー小説の映画化作品となっています。
邦題に関しては明らかにスティーヴン・キング原作の映画化作品(IT それが見えたら終わり)のあやかりタイトルですが、
本作は基本的には(IT)のような心霊や超常現象を扱った作品ではなく、完全に人間の異常者が無実の人を監禁する、という(悪魔のいけにえ)タイプの作品となっています。
ですので、一応(IT)のようにピエロ的な扮装で登場する異常者は登場しますが、ただただ拷問ショーのMC兼実行役的な役割を果たすためにでてきますので、
(IT)のピエロ、ペニー・ワイズのような神秘的な魅力は一切ありません。
サブタイトルの(そいつが見えたら終わり)というのも、要するにそのピエロを見ているという事は監禁されて拷問される、という事なので終わり、という意味ですね。
で、肝心の内容ですが、本作は深夜のガソリンスタンド(コンビニ併設)で勤務する二人の女性が、妖しい何者かの気配を感じるサスペンスパートと、
同じ登場人物が監禁されて少しづつ拷問されていくパートが、交互に描かれます。
こういう展開の作品は多数ありますが、普通に時系列ごとに描かれる物語プラス、どのように繋がっていくのか?という興味も上乗せられますので、繋がったときにはパズル的な満足感も得られるようになっています。
で、本作の場合もピエロ遭遇前と遭遇中の二つの時間を同時に描く、という構成になっています。
作品の見せ場としては監禁されてからの物語がメインのはずですが、
監禁されるまでの何かを怪しんでいるパートが思いのほか長く、その合間に監禁されているシーンが挿入される、というパターンが続き、なかなか監禁までたどり着きません。
もう既に監禁されてしまう事は分かり切っているので、あとは何者によって監禁されるのか?という部分だけなのですが、
いよいよ、二つの物語が繋がる、という段階で、予想以上に普通にあっさり誘拐監禁されてしまって、あっという間に椅子に縛り付けられてしまっています。
※ここから先は、一応物語展開に触れていますのでご注意ください※
で、どういうやつが監禁しているのかと思ったら、さっき来店した怪しい客が、白塗りでコスプレしているだけでした、というあっさり感。
どうやら、この監禁は何者かにショーとして見せるためにどこかの廃墟で執り行われているようで、観客は仮面を被って目視できる距離でその行為を見ているようです。
という事で、このピエロはそのショーのMCでした、という感じで残酷ショーがスタートします。
それなりに痛そうなシーンもありますが、予算の都合か、メインの展開の割にはそこまでえげつないシーンでもなく、こちらも割とあっさり目となっています。
主役二人とも監禁されているので、なんとなく二人とも拷問されますが、椅子に縛り付けられている主人公のアグネスが、なすがままにされてしまうのは当然ですが、
ベリンダの方は、よほどのM気質なのか何も拘束されていない状態で、ホッチキスの芯を顔に打たれたりして悶絶しますが、
何故かそれにずっと耐えています。何も拘束されていない自由な状態で。
で、周りに武器になるような道具が多数転がっている中で、華奢な体形のピエロ一人に体格の良い女性二人(一人は自由に動ける)が拷問されていきますが、
全然反撃しなかったベリンダが、何かのタイミングで急に反撃し出します。痛い思いをするのが嫌なので当然の行動ですが、
この反撃によって形成が一挙に逆転していきます。
アグネスの拘束も解かれ、二人で協力して脱出していく展開になっていきます。
ここの脱出時の疾走感は意外に爽快で、それまで時間軸をずらして興味を煽ったわりに何も無かった謎展開や、予想外にあっさり目の拷問シーンを少しだけ挽回するようなアップテンポな脱出劇となっています。
それも逆にいうとアップテンポというより、こちらもあっさり目、という事になってしまうのかもしれませんが、、。
という感じで、何故主人公達がこの拷問ショーに選ばれたのか?黒幕の正体は誰なのか?など必要な謎は何一つ明かされないままに物語は終幕を迎えます。
そういう事なら、普通の時系列で、普通の監禁スリラーとして描いて行った方が、寄り楽しめたのでは?とも思いますが、
一応デンマークのスティーヴン・キングが原作の物語なので、そこはしょうがないのかもしれません。
という事で、なかなか思い描く内容とは違う作品かもしれませんが、デンマーク製作の珍しい作品ですので、ホラー好きの方など、機会がありましたらご鑑賞ください。
それにしても、こんな真っ暗闇のコンビニで女性二人だけの勤務は避けた方が良いですね。
作品情報
2018年製作 デンマーク製作 ホラー
監督・脚本・製作 ソーレン・ユール・ピーターセン
出演 アンネ・ベルグフェルド、カーリン・ミキルセン、デイモン・ヤンガー、クリストファー・ファブリシアス
その他の一夜の悪夢を描いた作品
映画撮影隊が偶然撮影してしまった殺人現場を巡る攻防を描く(ナイトシューターズ処刑遊戯)はこちら
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