お薦め度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
共通の目的のために集い、散っていった名もなき英雄たちの知られざる戦いを描いた武侠アクション!!後半は、それぞれのキャラクターの英雄的な散り際が魅せ場となる、英雄片!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、ディズニーのハリウッド作品以降、中国での映像化が多数進んでいる【ムーラン】を主人公としたアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
西暦424年、魏は、柔然軍によて雲中城を陥落される。次第に柔然軍によって侵略されつつあった魏だったが、隣国の北涼との間に同盟を結ぶため、
公主を嫁がせるはずだったが、柔然軍によって公主を拉致されてしまう。
目の前で公主を奪われてしまった将軍ムーランは、汚名を挽回するために、信頼厚い部下たちとともに、公主奪還の作戦を実行する。
中国で映画化が連発されている【ムーラン】ものの、最新作です。
本作の特徴としては、歴史ものというより、共通の目的のために集められた仲間が、協力して、敵の本拠地に乗り込んでいく、
という分かり易い少年漫画のような物語となっていて、どちらかと言うと【ムーラン】ものの中でも、比較的【ムーラン】色の薄い作品となっています。
作品の魅力としては、ムーランの活躍というより、この集められた個性的な仲間たちのそれぞれの活躍がメインとなっています。
この仲間たちは、かつて大盗賊だったものの、ムーランとの出会いで改心し、命を預けるまでになった元悪党や、侵入すべき敵軍に乗っ取られた城の元設計者、
公主を助ける作戦のために必要な大量の爆破のプロ、中国一の弓矢の達人としての誇りを常に持っている兵士、など非常に個性豊かな面々で、
この個性的な仲間たちの活躍と散り際が本作最大の見せ場となっています。
そのため、逆にムーランの存在感は極めて薄く、武術もそんなに強く見えないのが残念ではありますが、どちらかというと、
腕力的な強さというより、精神的な強さに同調して集まった仲間たち、ともいえますので、そういう狭義心で集まった英雄たちの活躍する熱い物語となっています。
共通の目的のために、違う世界で活躍する英雄たち数人が集まって、一人の人物を守るために、激闘の末に散っていく、
という物語展開は、(里見八犬伝)や、ドニー・イェン主演で大ヒットした(孫文の義士団)、また散っていくシーンが見せ場なところは、
ショウブラザース製作のチャン・チェ監督の武侠作品にも大きく影響されているのではないでしょうか。
その仲間集めのために訪れる重要な場所として、爆破のプロがいる幻の隠れ都市のような場所に行くことになりますが、
その場所も、荒れた荒野の砂漠のような場所に、突然ある時間帯になると、地面の底が抜けて、幻の地下都市に行ける、
という物凄くファンタジックな設定で、本作独特の歴史劇ではないオリジナリティのある路線を強調しています。
そんな本作には、作中、一番目立つ、城の建築家ロンディー役で、(少林寺 十八の羅漢)(詳しくはこちら)や、(クリミナルターゲット)など、
近年の中国アクション作品で大活躍中のアクション俳優、グ・シャンウェイが出演しています。
主人公のムーランの存在感が薄い分、余計にグ・シャンウェイの存在感のあるキャラクターが目立ち、終盤までほとんど主役と言っても良いぐらいの活躍を見せます。
この本当に動けるキャストが出演している事で、本作は他のムーラン作品とは一線を画する作品となっています。
ラストバトルも、実際に活躍しているのはムーランではなく、グ・シャンウェイの方なのでアクション的には盛り上がりますが、
ムーランという物語的には少し消化不良の残る展開かもしれません。
ただ、恐らく本作のメインは英雄たちの活躍と散り際なので、ムーラン自身はその活躍の見届け人としての役割が大きく、
ラストで、散っていった仲間たち(の幻)が、砂漠の荒野に一堂に会して、それぞれ一言づつ台詞を残して、そのまま馬に乗って駆けていくシーンは、
まさかの男泣きの名シーンとなっていて、まさにこのラストカットが、本作のクライマックスとい言えるのではないでしょうか。
という事で、本作は、ムーランものとして鑑賞すると、物足りない部分もあるとは思いますが、複数の登場人物が共通の目的のために活躍する武侠アクションとして
鑑賞すると、意外に楽しめる部分が多い作品ですので、そういった見方でのご鑑賞をお薦めします。
ラストのジーンとくる切ない余韻が良い感じですよ。
作品情報
2020年製作 中国製作 武侠アクション
監督 ホー・ジャナン
出演 チャ・トン、グ・シャンウェイ、ドゥー・ユーミン、スン・ジャオロン
その他の歴史武侠作品
子役アクションスター、シェー・ミャオがイケメン青年になって帰って来た(少林寺十八の羅漢)はこちら
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