【中国映画】少林寺 阿羅漢VS鬼神羅刹(少林降魔)88分

投稿者: | 2021年8月12日

お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

シェー・ミャオ主演の少林寺カンフー映画シリーズの新作と思いきや、VFX満載の、ほとんど呪術合戦のような戦いを繰り広げるファンタジックな世界観のコメディ寄り作品!!ほぼカンフー無し!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、子役から青年カンフースターへと成長したシェー・ミャオ主演のファンタジックアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

少林寺で修行するホイハイ(シェー・ミャオ)は、復活しかけている邪心の塊、羅刹を倒すために、同等の力を持っている阿羅漢を訪ねるように師匠より指示を受ける。

早速旅に出たホンハイは、阿羅漢の居所を知っているとされる悪党団を訪ねるが、その悪党たちは一癖も二癖もあるものたちの集まりだった。

成長した元子役スターシェー・ミャオ

ジェット・リー主演の香港作品(D&D完全黙秘)や(新少林寺伝説)などで、親子カンフーアクションを見せていた子役出身シェー・ミャオ主演のアクション作品です。

子役から成長して、キリっとした青年アクションスターに成長を遂げました。

最近では(西遊記 孫悟空VS7人の蜘蛛女)(詳しくはこちら)などのアクション作品で中国で大活躍中の人気スターとなっています。

子役時代のシェー・ミャオ大きくなりましたね、、。

主演作としては、真面目な少林寺映画(少林寺 十八の羅漢)に次ぐ、少林寺作品ですので、前作の続編かと期待しがちですが、

本作は同じ少林寺僧が主人公であるものの、全く違う製作者と全く違う世界観の作品となっています。

同じ部分と言えシェー・ミャオが主演している部分と、一応主人公は少林寺僧、という部分だけです。

少林寺映画なら、大体同じような武術映画のイメージがありますが、本作の場合、これを少林寺映画とは捉えにくいぐらいに武術映画とかけ離れた展開となっています。

前半結構登場する少林キッズ。主人公が旅に出てからは登場しなくなるのが残念

まず、冒頭からナレーションにかぶせて、いきなりクライマックスのバトルを見せてしまう(勿論ラストでも同じシーンがもう一度登場します)、

という最近の純中国系作品に多く見受けられる、同じシーンを繰り返し見せる尺稼ぎのようなシーンから始まり、そこで、いきなり本作がVFX満載のファンタジックな世界観である事が強引に説明されます。

少林寺カンフー映画を期待していた人にとっては、ここでいきなり躓きますが、テンポだけは良い、というか、どんどん物語の世界観を台詞だけで一方的に進めてしまう、

という、これまた最近の純中国作品の独特の流れがありますので、台詞の字幕を何気に読んでいると、何のために戦いに行くのか?という物語の根本までもあっという間に見失ってしまいます。

で、いきなり前振りなく本編に突入していきますので、大事な部分を見逃さないように注意深く鑑賞していると、

どうやらシェー・ミャオには幼いころに口約束で結婚の約束を交わしたスー・スーという女性がいて、大人になった今でも、

シェー・ミャオにぞっこん、少林寺まで押しかけてくるけれども、僧侶なので結婚できない、いや、約束したらか結婚しろ、

という最近のシェー・ミャオ作品にありがちなモテモテ設定で物語は進んでいきます。

今作のモテモテのシェー・ミャオ

この辺の設定は、押しかけガールから逃れるために、少林寺に入山しに行く、という傑作青春少林寺映画(嵩山少林寺)にも影響を受けているようですので、

もしかしたら、そういう大筋の日本未公開の少林寺映画が多数存在するのかもしれません。

で、ここまで鑑賞すると本作はVFXを使ったファンタジックな世界観のしかもコメディチックな作品であることが分かります。

何故、この物語でコメディを選択したのかは謎ですが、恐らく中国製の武侠作品で、ジャッキー・チェン主演の(ナイト・オブ・シャドー魔法拳)(詳しくはこちら)のように、

前半コメディチックな流れを作っておいて、後半で号泣系のストーリーに急展開させる、という物語展開が一つのスタンダードになっているのかもしれません。

そんな例に漏れず、本作も前半のおふざけコメディ色が嘘のように中盤以降急激に悲劇的な展開になります。

もう、かなり急展開過ぎて、何故そうなるのか全く理解できないぐらいに急転直下の悲劇的な展開です。

そんな展開が待っている本作ですが、物語の大筋としては、古来より邪心を持って人々を悪い方向に向かうように操っていた羅刹という邪悪な存在が、

復活しようとしている気配が漂ってきたので、少林寺の高層が、羅刹の復活を止めるために、弟子であるシェー・ミャオを遣いに出す、

という流れで始まり、旅に出たシェー・ミャオを、スー・スーが後を追っかけていく事で物語が展開していきます。

シェー・ミャオを追いかけるスー・スー

武術シーンもありぞうな気配はありますが、どうもあえて避けているようで、スー・スーも武術の腕前は凄く、大の男が6人がかりでも、全く歯が立たないというキャラクター設定にも関わらず、

アクションシーンは皆無で、コメディ作品にありがちな、戦っているシーンになると急に風景に画面が切り替わって、『バキッ!ドカッ!』という音声のみになって、

本人が映ってみたら全員吹っ飛んでいる、というようなほとんどギャグのような表現を繰り返します。

そんな調子なので、シェー・ミャオ主演でありながら、ほとんどアクションの見せ場もなく、物語はどんどん進んでいきます。

強いという設定ながらほぼ台詞のみで表現します、、。

で、羅刹を倒す力を持っている阿羅漢という存在を探すのですが、まず、その居場所を知っているとされているネズミの妖霊という山賊集団のような悪党に会いに行きます。

その妖霊たちと騒動を繰り広げつつ、いよいよ阿羅漢がいるとされている南無寺に向かいます。

結構良い味を出している悪党たち

で、この辺から急激な展開にますが、追いかけてきていたスー・スーが、もう、これ以上待てないので、ファイナルアンサーを求めてきます。

で、シェー・ミャオは何度も何度も言っているように、僧侶なので結婚できない、と言います。何回も言っていますので繰り返しになりますが。

その返事を聞いたスー・スーは、何故かいつも以上に切なそうです。

で、そんな切ないスー・スーが腕を擦りむいています。先ほどバトルがあったので、ちょっと擦りむいたようです。

そんな一連のシーンのあと、急に切なそうなスー・スーに情が移ったのか、いきなり二人は急接近します。

2人は急接近

ちょっと擦りむいて肌が赤くなっているだけですが、命の危険のある重傷を負ったかのようなシェー・ミャオスー・スーに対する手厚い気遣いが、

先ほどまでとは、まるで別人のようになり、もうそろそろ僧侶には見えなくなってきています。

理由は分かりませんが、シェー・ミャオスー・スーに対して押さえていた感情が一気にマックスを越えて来た、といった感じでしょうか。

先ほどまでとは、違って急にラブラブの恋人同士にしか見えなくなります

急にラブラブな二人

なかなか急すぎて展開に付いていけませんが、ここで、さらに、あまりにいきなり過ぎる急展開を迎えて、シェー・ミャオは悟りを開く勢いの境地に至ります。

おそらく鑑賞している人のほとんどが、唖然とするぐらいの急展開で、何故そうなるのか?を考えても、おそらく答えは出ないぐらいの衝撃的な出来事となっています。

そんな出来事の果てに、ついに羅刹を倒すことができると言われている龍の杖が登場します。

龍の杖、ついに登場!

で、いよいよ羅刹とのバトルという事で、ラストは説明なく、突然羅刹の待つ地獄へとバトルの舞台を移して、ラストバトルへと突入していく、

という何か大事なシーンを大幅に端折ったような独特の世界観の表現になっています。

ラストバトルも龍の杖を振りかざすと龍のスタンドのような幻が出現して、羅刹めがけて攻撃を仕掛ける、というおよそ武術映画のラストバトルとはかけ離れた表現で、

ほとんど呪術合戦のような戦いとなっています。

そのバトル自体はなかなか迫力のある戦いですが、そのバトルの総集編のような映像を冒頭でいきなり見せられていますので、正直感動もかなり半減してしまっているのが残念なところです。

ラストで登場の龍。少林寺映画だったはずですが、、
羅刹はこんな感じです。妖怪ですね。少林寺映画、、。

という事で、このラストバトルも含めて、娯楽映画としては十分娯楽していますが、そのトンデモ展開と、シェー・ミャオが主演していながら、

ほとんどその身体能力の高さを活かしたアクションが見られない、という大きなマイナス要因がどうしても拭いきれない、ちょっと期待していた内容とは異なる作品となっています。

ただ、独特の世界観ではありますので、少林寺カンフー映画を期待しなければ、VFXファンタジー作品として結構楽しめる作品にはなっていますので、

そういった作品が、お好きな方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

それにしても、純粋な少林寺映画が観たいですね、、。タイトルが少林寺ですから、、。

地獄で悟りを開くシェー・ミャオ
悟りを開いたシェー・ミャオ龍のスタンドを操れます

作品情報

2020年製作 中国製作 VFXアクション

監督 チャン・ポー

出演 シェー・ミャオ、ワン・ズートン、サン・ピン

数少ないアクションシーン
こういう修行シーンがもっと観たかった、、

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