お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
(男たちの挽歌)の名コンビ、チョウ・ユンファとティ・ロン共演で描く、警察官と香港マフィアとの戦いを描いた香港ノワール作品!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、(男たちの挽歌)の主演コンビが再び共演した香港ノワールアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
香港警察のケン(ティ・ロン)は、正義感の人一倍強い刑事だったが、かつて逮捕したヤクザ組織の構成員テッド(チョイ・シウキョン)が出所し、ケンを狙っているという情報を得る。
挑発を繰り返すテッドだったが、相棒であるディック(チョウ・ユンファ)の取り計らいで、なんとか難を逃れていた。
しかし、テッドの危害が家族にまで及んだ時、二人の刑事の怒りは頂点に達し、全面戦争へと発展するのだった!?
1986年製作の名作香港ノワールアクション(男たちの挽歌)の主演、チョウ・ユンファとティ・ロンが再び組んだ刑事アクション作品です。
今回は(男たちの挽歌)とは違い、香港マフィアではなく、刑事役としての共演で、
悪を憎むあまりに時折無鉄砲な行動に出てしまうが、家庭では、愛する妻と幼い子供二人と幸せに暮らしているティ・ロン刑事と、
一応身分的にはティ・ロンより上だが、かつて新人時代に色々とティ・ロンに世話になったプレイボーイ的な独身貴族のチョウ・ユンファ刑事
のコンビが、丁々発止のやり取りをする、ファン感涙の作品となっています。
その安定の刑事コンビに戦いを挑むのは、かつてティ・ロン刑事のせいで服役する事になったチョイ・シウキョンです。
チョイ・シウキョンと言えば、(中華道士)や、ロー・ウェイ監督のカンフー作品などで活躍し、90年代に入ってからもドニー・イェン、ミッシェル・ヨー共演の(レディファイター詠春拳伝説)(詳しくはこちら)や、
最近ではチン・シウトン監督の(ジェイドダイナスティ)(詳しくはこちら)などに出演しています。
カンフースター時代は、どちらかというと正義の人のイメージの強い役柄を演じる事が多かったですが、カンフー映画が廃れてしまっていたこの時代は、
香港ノワールのような暗黒街を舞台にしたガンアクションが主流の時代でしたので、極端に悪人のような分かり易い悪柄を多く演じていました。
一本筋が通った悪人、といった感じでしょうか。
そんなチョイ・シウキョンの復讐が止まらない本作ですが、大筋としては、良くある刑事アクションものの王道ストーリーといった感じですが、
やはり、本作一番の魅力は、後半に展開されるガンアクションに尽きると思われます。
襲われたティ・ロンの家族の仇を打つために、チョウ・ユンファが銃を大量に調達して、単身敵のアジトに乗り込んで行く姿は、
その衣装がロングコートという事も相まって、(男たちの挽歌)の興奮が蘇ってきます。
ガンアクション自体も、ジョン・ウー作品までとはいかないまでも、十分にヒロイックでカッコ良く、バスの修理工場という特異な場所という事もあり、
ラストステージとして十分な盛り上がりを見せてくれます。
途中、ティ・ロンが合流してからの動けなくなった二人が支え合うように、最後の一発を放つシーンは、まさに(男たちの挽歌)の名ラストシーンの興奮を思い出させてくれるような、
名シーンとなっています。
監督はサン・チェンという事で、ショウブラザーズ時代から(冷血十三鷹)など、ティ・ロンとは名コンビも組んでいて、
男を描かせたら、サン・チェンというぐらいに、カンフー作品では、一流の名作を残していますので、
本作でもそんなサン・チェン監督の男臭さ表現が存分に出た作品となっています。
という事で、香港ノワール全盛期に製作された、黄金主演コンビの勢いのある刑事アクションとなっていますので、香港映画好きで、本作をまだ鑑賞されていない方など、
機会がありましたら、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
やっぱり、チョウ・ユンファは文句なしにカッコ良い、と再確認できますよ。
作品情報
1989年製作 香港製作 香港ノワールアクション
監督 サン・チャン
出演 チョウ・ユンファ、ティ・ロン、チョイ・シウキョン、ロー・リエ、ティム・ナウ
その他のチョウ・ユンファ出演作品
偽札作りの強盗団を描いたチョウ・ユンファのカリスマ性が光る快作(プロジェクトグーテンべルク贋札王)はこちら
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