【カンフー映画】ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 外伝 鬼脚 (黄飛鴻之鬼脚七KICK BOXER)93分

投稿者: | 2021年5月6日

カンフー映画としてのお薦め度 ★★★★★★☆☆☆☆

当時流行りだった(ワンチャイ)シリーズの番外編!!ウォン・フェイホンの弟子鬼脚七を主役にし、ユン・ピョウが主演と武術指導も担当し、自身の製作会社で製作したアクロバティックカンフーの祭典的な作品!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、(ワンス・アポン・ア・タイム・インチャイナ)シリーズの大ヒットを受けて製作されたユン・ピョウ主演のカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

高名なウォン・フェイホンの弟子候補のチー(ユン・ピョウ)は、薬材の買い付けに海外に同行した帰りに、幼馴染の謀略にはめられ、税関でアヘン密輸の嫌疑をかけられる。

この出来事を発端に兄弟子たちとの関係に溝が生まれ、弟子になる話は無かった事になる。

弟子たちとは決別するチーだったが、自身の嫌疑を晴らすために、アヘン密輸団へと潜入し、事件の真相追及を決意する!?

主役は鬼脚七役のユン・ピョウ。足技で有名な鬼脚役にはピッタリです。本家(ワンチャイ)では他の弟子役だったのでややこしいですね。
鬼脚七を主役にしたスピンオフ的な作品

ジェット・リーの(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ)シリーズの大ヒットを受けて製作された、同じウォン・フェイホンの流れをくむカンフーアクションです。

その中でも、本家(ワンチャイ)シリーズでは3作目より登場し、ホン・ヤンヤンが演じていて絶大な人気のあった鬼脚七を主人公にした物語となっています。

ですが、外伝という事で、今回はウォン・フェイホン自体は留守中で画面には登場せずに、その留守を預かる弟子たちが活躍するという物語となっています。

今回主役となっている鬼脚七というキャラクターは、ホン・ヤンヤン演じる本家(ワンチャイ)では、非常に暗く、ワイルドな印象(その後は改心して急激に明るく優しい性格になりましたが)でした。

それに対して、本作でユン・ピョウが演じる鬼脚七は、一応、元々はチンピラまがいのやんちゃな性格だったが、改心して行いを改め、弟子入りを希望中という設定は本家と同じながらも、

非常に明るい性格の持ち主で、天真爛漫な性格っぽいので、正直そんなに悪事を働いていたようには全く見えない事に多少違和感がありますが、

ユン・ピョウが元々持っている明るいキャラクターには合っていますので、本家のイメージとは全く切り離して考えた方が良さそうです。

というより、むしろ、本家でユン・ピョウが演じていたリャン・フー役(2作目以降は別俳優によって違うイメージのキャラクターになってしまいましたが、、)が、

暗いイメージの鬼脚七と少し被っていたので、混乱を避けるために、あえて違う性格のキャララクターに変更したのかもしれません。

そんな本作ですが、(ワン・チャイ)シリーズの大ヒットにより、カンフー映画の復活が流行りだったころに製作された作品ですので、外伝とはいえキャストも非常に豪華になっています。

主演のユン・ピョウは勿論の事、ラスボス役にジャッキーの(サクロンZ)や、(ポリスストーリー3)、

ユン・ピョウ作品では(香港魔界大戦)や、(タイムソルジャース)など悪役で大活躍して近年でもチャウ・シンチーの(カンフーハッスル)や

チャイニーズゴーストストーリー)のリメイク版(詳しくはこちら)で長年大活躍を続けているユン・ワーや、

今回のラスボスは、お馴染みユン・ワー。ユン・ピョウ作品のラスボスはこの人が多いですね。

本家(ワン・チャイ)シリーズで『ウォン・フェイホン!武術では飯は喰えんのだー!。』と叫んでいた悲劇の武闘家役で人気の復活した

ジャッキー・チェンの(クレイジーモンキー笑拳)でのラスボス役や、ジョニー・トー監督の(ヒーロー・ネバー・ダイ)では情けないボス役を演じていたヤム・サイクン

今回は良い人役のヤム・サイクン。本家(ワンチャイ)の武闘家のイメージに近い役柄です。

ジャッキー・チェンの(プロジェクトA)や(ファーストミッション)で同じようなイメージの役柄を演じていたタイポー

悪役で登場のタイ・ポー。(プロジェクトA)のころが懐かしいですね。ロン毛はまるで似合ってないですけど、、。

そして、オリジナル版の(チャイニーズゴーストストーリー)のイン道士役や、(ファーストミッション)などに代表される多くの香港映画のチョイ役で人気のあったウー・マは、本作では監督も担当するなど、

ウォン・フェイホンの医師方面の弟子ソー役のウー・マ。本作の監督もしています。

非常に豪華な顔ぶれの作品となっています。

物語的には、ウォン・フェイホンが留守の間に、薬材を仕入れに海外に出かけて帰国時に、調度アヘンを密輸中のタイ・ポーが税関で困って幼馴染の鬼脚七の荷物にアヘンを紛れ込ませて難を逃れるが、

嫌疑をかけられた事で、ウォン・フェイホンの経営する医局(宝芝林)の名を汚した、と弟子たちと険悪になってしまい、

その嫌疑を晴らすためにアヘン密輸団(タイポーは下っ端で、ユン・ワーがボス)に潜入捜査し、悪事を暴いていく、という展開となってます。

アヘンがらみの物語などは正直この時期同じような内容の作品が多く製作されましたが、本作はそこに本家(ワン・チャイ)シリーズで登場したような

ヤム・サイクンのキャラクターをプラスしたことで、特徴的な作品となっています。

初登場時は鬼脚七と反目するものの、その後、実は正義感の強い鬼脚七と意気投合し、夜間に酒を酌み交わしながら、巨大な将棋をさすシーンは、なかなかの名シーンとなっています。

巨大将棋シーン。なかなかのサイズです

このヤム・サイクンが演じる警察官は決戦の時には、鉄製のゲタのような武具を両足に装着して戦うスタイルが基本となっていて、

その後、ヤム・サイクンが志半ばで倒れるも、その意志を鬼脚七が受け継ぎ、ラストバトル時には、そのゲタを装着して殴り込みをかける、という熱いストーリーとなっています。

街中で出会って結構良い関係になったヒロイン的な女性の自宅に招かれてみたら、父親は自分を目の敵にしているこの警察官だった、という展開は、

ユン・ピョウも出演しているジャッキー・チェン主演の(ヤングマスター師弟出馬)のシー・キエンが思い出されます。

その後展開しそうな面白い設定ながらも、後半、このヒロイン的な女性の存在自体が希薄になっていきますので、それほど物語に活かされていないのが少し残念ですね。

この鉄下駄エピソードなんかももっと深まりそうな設定ですので、非常に勿体ないです。

ヤム・サイクンの必殺、黄金の鉄下駄(素材はよくわかりませんが、歩いた時に鉄のような音がします)

という事で、物語的には、燃える展開になりそうで、いまいち消化不良感の残る物語ではありますが、

アクション面では、ユン・ピョウの主演作自体が、今となっては少なくなってしまいましたので、

ユン・ピョウ円熟期の超絶アクションが見れる貴重な作品となっています。

カンフー映画好き、香港映画好きの方で見逃してる方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

やっぱり、ユン・ピョウの身軽さは他の人では真似できない神業ですね。

ラストバトルはシャンデリアの上にも飛び移ります。
ウォン・フェイホンの決めポーズ(を真似している弟子、という表現ですね)
ユン・ワーは今回、鷹爪拳で戦います!

作品情報

1993年製作 香港製作 カンフーアクション

監督 ウー・マ 武術指導 ユン・ピョウ

出演 ユン・ピョウ、ヤム・サイクン、ユン・ワー、ウー・マ、タイ・ポー、シーラ・チェン

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