ハンガーフォード(HUNGERFORD)79分
お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
作品紹介
インターネット配信専用作品
今回ご紹介するのは、POV撮影によるほぼゾンビ映画なはホラー作品です。
それではまずは、あらすじから、
大学の課題のために自分の日常生活を撮影し始めたコーエンとその仲間たち。
ある夜招待されたパーティで奇妙な事件が起こり始めるが、その事件の裏には驚愕の事実が隠されていた!?
やがて、荒廃していくイギリスの街中で、奴らとの戦いが始まる!?
イギリス製作のPOV撮影によるホラー作品です。
今回は、メディアコースを受講している学生が、その課題提出のために、自身の日常を撮影していたら、とんでもないものが映ってしまった、というPOV撮影の作品ではあるあるネタな大筋となています。
ですので、どこか怖いスポットに向かう、というような目的に向かって行くときに生じるじわじわと訪れる恐怖感は薄いですが、
何が何だか分からないうちに、理由も分からずに、突然人々が凶暴化している場面に出くわす、というちょっと珍しい入り方の導入となっています。。
そのため、事件に遭遇するまでの人物紹介的なシーンが少し長く感じてしまいます。
とは言っても、あえて突然事件に出くわす人々の恐怖を描く、という趣旨だとは思われますので、そこはちょっと我慢が必要になります。
導入部分は変わっていますが、本作は基本的にはPOV撮影による安めのメイクのゾンビ映画です。
大筋としては、良く見かけるタイプの作品ですが、本作はその設定にちょっとした捻りが加えられているために、後ほどその設定が意外にも物語を展開させる要因となっています。
その設定ですが、本作で登場するゾンビ(厳密に言いうとゾンビのように凶暴化している人々)は、寄生虫のような大きな虫が体内に侵入して、その虫によって操られ、人々を凶暴化させている、という設定になっています。
ですので、基本的には、虫を取り除ければ、また普通の人間に戻れる、という設定になっていますので、暴れる側にまわった人間も、のちほど戦線復帰したりします。
この設定があるので、通常のゾンビ映画では襲われる=即ゾンビ化だったドラマが、ゾンビ側に捕らわれた仲間でも、救出すれば、助ける事ができる、という物語展開が可能になってきます。
このゾンビ映画ではあまり見かけない設定を最大限に生かして、仲間の救出作戦を開始する、
というところで続編へと続く、なかなかシリーズものとしては燃える展開で1作目終幕となります。
あと、ゾンビの弱点が制汗剤、という点も安易ながらもなかなかドラマを盛り上げる要素となっています。
というように1作目は激安な製作体制ながらも、設定を少し捻った見どころのある作品となっています。
作品情報
2014年製作 イギリス製作 POVホラー
監督 ドリュー・キャソン
出演 ドリュー・キャソン、ジョージア・ブラッドレイ、サム・カーター、マーク・キューザック
終末へのカウントダウン(THE DARKEST DAWN)75分
お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
作品紹介
インターネット配信専用作品
という事で、邦題からは判断しにくいですが、前作のその後の物語を描いた同じスタッフ・キャストによる続編です。
それでは、まずはあらすじから、
ロンドンで暮らすサムとクロエの姉妹は仲の良い姉妹、今日も家族と団らんの時を過ごしていた。
そんな時、ハンガーフォードで大爆発が起こり、正体不明の侵略者の攻撃が始まった。
ロンドンはカオスと化し、人々の間では暴力と略奪が横行していた。
そんなロンドンを後にし、姉妹は安全地帯を求めて彷徨うが、行方不明になった女性を探す、ある3人組の男性たちと出会い、旅を共にすることになる!?
前作のその後を描いた続編です。
今回は、仲良し姉妹サムとクロエを主人公として物語が始まります。
で、前作のハンガーフォードでの事件が巻き起こり、クロエの住むロンドンも攻撃を受け、かなりバイオレントな荒廃した世界になっていきます。
で、(クローバーフィールドレーン)のように見知らぬおじさんに支配されているところを、偶然通りがかった前作の主人公達に救われます。
1作目主人公パーティに合流後は、前作の主人公達がメインとなり、グレンの妹探しの旅が再会する、という大筋となっています。
というように、世界観は前作そのままに登場人物も、ストーリーもちゃんと繋がった続編となっています。
しかし、この続編に関しては、予算の増加があったのか、一気に風呂敷を広げてしまった感じがあり、前作の市井の人々がゾンビパニックにいきなり出くわす恐怖をリアルに描いたストーリーから、
終末世界で、尋ね人を探しながら、暴徒と化した人間と戦う近未来アクションへと路線が大きく変わってしまいました。
一応、主人公の一人であるクロエが映画監督志望なのでカメラを回している、という設定にはなっていますが、正直、リアル感のある恐怖よりも、ヒーローアクションのような見せ方をメインにした作品ですので、
POVであることの意味さえなくなってきてしまいます。
これなら、いっそのことPOVをやめて普通の撮影方法に切り替えたら良かったのではないか、とさえおもえてしまうぐらいにリアル感に関してはほぼ皆無となっています。
(REC)シリーズや、(ラストエクソシズム)シリーズなど、POV作品でありながらシリーズ途中でPOVをやめてしまった作品も存在しますので、
不自然になってしまうぐらいなら、勇気をもってPOVをやめても良いと思うのですが、どうでしょうか。
というより、POV撮影はもともとリアル感の恐怖の演出(と予算の都合)のために選択した撮影方法のはずなので、
路線を終末世界のアクションヒーローものへと変更した時点で、POV撮影はやめるべきだったのではないでしょうか。
それと、この続編は、何を思ったのか虫に寄生されたゾンビ風の元人間と戦う、という基本設定さえも、ほとんど無くす、という大胆過ぎる路線変更も加えられていました。
基本的に今回の敵は、暴徒と化した人間ばかりで、虫に寄生された人間の設定は後半で少し出てくるのみとなってしまっていました。
しかも、虫に寄生されたものは、O型の血液を輸血すれば、直ぐに正気に戻る、という後出しジャンケン的な余計な設定まで付け加えてしまって前作の世界観を歪めてしまっていました。
一応、後半、この設定を活かした展開にはなりますが、そこまで貴重な血液型でもないので、それほど緊迫感を増加させる要因になっていませんでした。
という感じで、前作が好評だったのかは分かりませんが、一応続編を製作できるぐらいには受け入れられたと思われますので、
そこで気合を入れ過ぎてしまった結果、前作とは感触の違う作品になってしまった、と言えるのではないでしょうか。
さらに、まだ続編がありそうな結末となっていましたので、次回はもっと気合が入ってしまうのかもしれません。
という事で、1作目と2作目でちゃんと繋がったシリーズ作品ですが、邦題が示す通り、内容的には感触の違う作品となっていますので、どちらかだけの鑑賞も問題ない作品となっています。
でも、両作品ともに約75分と短めの作品ですので、イッキ見しても大作1本分ぐらいですので、どうせなら前編、後編と思って続けて鑑賞すれば、飽きがこなくて良いと思われます。
それにしても、前作から続投の3人の続編でのワイルドぶりは、ちょっと過ぎる気がしますね、、。
気合の向ける方向がちょっとズレてしまったシリーズもの、という感じになっています。
逆に、(スカイライン)シリーズのように、あえてブレブレになる事自体をシリーズの特徴のようにしていくのもありなんではないでしょうか。
作品情報
2016年製作 イギリス製作 POVアクション
監督 ドリュー・キャソン
出演 ドリュー・キャソン、べサン・リードリー、チェリー・ウォリス、スチュアート・アシェン
その他の侵略SF作品
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