お薦め度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(ブレアウィッチプロジェクト)の監督が香港の田舎町を舞台に描く、謎のモンスターと新婚カップルの戦い!!カメラがブレブレで何が映っているかほとんど分からないリアル感の意味が問われる作品。
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、(ブレアウィッチプロジェクト)の監督が新たに仕掛けたリアルホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
アメリカ人の新婚カップルメリッサ(エイミー・スマート)とユル(ティム・チョウ)はユルの祖母にあうために香港の山奥にある村を目指してタクシーに乗っていた。
しかし、ある別の村の近くまで来た時に道に迷ってしまい、ドライバーはそのまま行方不明となってしまった。
車を降りた二人は、そこで中国に古くから伝わる、七番目の満月に死者が蘇る、という伝説を体感することになる!?
(ブレアウォッチプロジェクト)のエドゥアルド・サンチェス監督、(バタフライエフェクト)のエイミー・スマート主演のクリーチャーホラー作品です。
邦題でオブ・ザ・デッドとなっているので、まるでゾンビ映画のようですが、本作に登場するのはゾンビではなく、中国に古くから伝わる餓鬼というモンスターです。
本作ではその餓鬼を、白塗りスキンヘッド、という独特のセンスで表現しています。
ほとんどはっきり映らないので、どういう造型なのか良く分かりませんが、白塗りスキンヘッドという事だけは、はっきりと分かりました。
それぐらいに本作のカメラは終始ブレブレです。
リアル感を出そうとしているのかもしれませんが、POVではない、通常の客観視した作品で、意図的にカメラがブレたり、ピントを合わせなかったり、
などのシーンが多く、また引いて撮影しているシーンがほとんどなく、アップを多用しているので、主演のエイミー・スマートがどんな服装をしているのかも把握しにくいぐらいに周囲の状況が把握できません。
POV撮影でしたら、意図的にピントをぼかしたり、アップにしたり、などはないので画面酔いはあるにせよ、周囲の状況はなんとなく把握できましたが、
残念ながら、本作においては、客観視での通常の映画作品としての演出ですので、カメラが揺れてもなんらリアル感が増す事もなく、
ただただ画面酔いが深まる一方という、全てがかみ合っていないように感じられてしまう作品となっています。
(ブレアウィッチプロジェクト)がヒットしたのは分かりますが、その後のヒット作に恵まれないのは本作を観れば、なんとなくわかるような気がします。
登場する餓鬼も前半にカメラに映らないように演出するのは、ホラー作品で良くあるので分かりますが、最後の最後まで、何が映っているのか分からないのは、モヤモヤが残ってしまいます。
そんなモヤモヤ状態のまま、エイミー・スマートが演じるキャラクターも、開始当時は十分すぎるぐらいにラブラブっぷりをアピールしておきながら、
トラブルに巻き込まれそうになるやいなや、夫をダメ人間的に扱って高圧的な接し方をします。
『あなたが、こんなわけのわからない中国に新婚旅行に行こうというから、こんな事になったのよ!』
夫も『じゃあ、俺が悪いのか?俺が中国人だからか?』
という感じで、かなり見るに堪えない展開になっていきます。
その間も画面はブレブレです。
で、いよいよ本格的に餓鬼が登場し出して(勿論画面はブレてますので本格的に登場して登場人物たちにははっきりと見えているはずなのに観客だけにはちゃんと見えません、、)、
その辺の草むらに逃げ込んで、追いかけっこが始まります。
途中飛び入り参加の広東語キャストを加えつつ、餓鬼に捕まったり、逃げたりしながら果たして逃げ切れるのか?
という展開ですが、とにかく画面のアップとブレブレが酷く、観ている間の不快感はなかなかの高さですので、鑑賞するにはちょっとした覚悟のいる作品となっています。
という事で、本作はゾンビ好き、ホラー好きの方でも非常にハードルの高い作品となっていますので、
(バタフライエフェクト)や(アドレナリン)ジリーズなどでエイミー・スマートのファンになった、という方でしたらもしかしたら楽しめる作品ではないかと思われます。
全部が中途半端な作品の見本、といってしまっても過言ではないのではないでしょうか。
個人的には、香港好きですので、思わず広東語が聞けて楽しんでしまいましたが、かといって作品自体が楽しめた、という事は全くないですね。
作品情報
2008年製作 アメリカ製作 ホラー
監督・脚本 江ドゥアルド・サンチェス
出演 エイミー・スマート、ティム・チョウ、デニス・チャン
その他の伝統的なクリーチャーが登場する作品
イラクに伝わる妖精シンに襲われる親子を描いた(アンダー・ザ・シャドウ影の魔物)はこちら
古くから伝わる伝説のモンスターオークスとパークレンジャーの戦い(武装魔獣軍団オークス)はこちら
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