おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
なにかトンデモない事が巻き起こりそうな不穏な要素が少しずつ絡み合い、最終的に主人公を中心に大爆発する、(RECレック)のジャウマ・バラゲロ監督による快作バイオレンスホラー!!


作品紹介
2025年5月9日公開
今回ご紹介する作品は、(RECレック)のジャウマ・バラゲロ監督によるバイオレンスホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ナイトクラブのダンサー、ルシアは、雇い主の犯罪組織から大量のドラッグを盗んで逃亡しようとするが、
その際に組織員に見つかって足を負傷し、姉ロシオが幼い娘と暮らすヴィーナスビルへと逃げ込む。
しかし、そのアパートには怪しい隣人が住み、翌日にはロシオが突然姿を消し、姪と二人きりになってしまう。
さらに世間では、突然現れた謎の惑星の接近による日食が発生し、アパートでは不可解な出来事が多発し始める中、犯罪組織の手がついにヴィーナスビルに迫る!!

監督・脚本は、(RECレック)シリーズや(ウェイダウン)等のジャウマ・バラゲロで、ホラー、SF、サスペンス等、
色んな要素を詰め込んだ独特の世界観の物語を演出しています。


主人公となるダンサー役で、(叫び)や(息子のしたこと)等のエステル・エクスポシトが登場し、危機的な状況で覚醒する強い女性を好演しています。



で、主人公の姉の娘役で、(La desconocida)等のイネス・フェルナンデスが登場し、無垢な魅力で叔母と共に事件に遭遇します。


で、主人公の姉役で、(La voz dormida)や、ドラマシリーズ(Feria: La luz más oscura)等のアンヘラ・クレモンテが登場し、意外な出来事に遭遇します。



で、主人公が勤務するナイトクラブの経営を任されている犯罪組織の幹部役で、ドラマシリーズ(Hospital Central)や、
(Weiss & Morales)等のフェデリコ・アグアドが登場し、物語を展開させていきます。



で、主人公が逃げ込む建物の住人役で、(En las estrellas)や(Arte de Roubar)等のマグイ・ミラが登場し、奇妙で怪しい雰囲気で主人公に接します。



そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、スペインのマドリードにあるナイトクラブで、ダンサーとして働くルシア(エステル・エクスポシト)が、
ある夜、雇い主の犯罪組織から、金銭目的で、大量のドラッグを盗んで逃亡するシーンから始まります。

しかし、その時に、クラブの用心棒(兼犯罪組織員)に見つかってしまい、もみ合いとなって、右足太ももに、ナイフによる傷(グロ目)を負ってしまい、
直ぐに止血等の処置が必要なために、遠くまで逃げる事が出来ずに、仕方なしに疎遠となっていた姉ロシオ(アンヘラ・クレモンテ)と幼い姪が住む、
ヴィーナスビルと名付けられた老朽化したアパートへとたどり着く事で、物語は本題へと突入していきます。


再会して早々に、過去のルシアの行いによって家族が散々な目にあった出来事等を理由に、激しい言い争いになりますが、
なんとか、その日は嫌々ではありますが、泊めてもらえることになります。


しかし、ルシアの事はさておき、ロシオは、そのアパートの事を何故か非常に恐れていて、何か邪悪な存在によって、
自分と娘が命を狙われているような様子で、情緒が不安定になっています。

そんなことがありながら、なんとかルシアは、その日は眠りにつきますが、悪夢と共に目覚めてみるとロシオの姿はなく、
アパートにはルシアと姪だけが取り残された状態になっていることに気付きます。


愛する娘を残して突然姿を消した姉を探し始めるルシアですが、そんな時、下の階に住む住人の仲良しグループのおばさんたちにパーティに誘われ、
電話を借りる事を目当てにパーティに参加しますが、どこか怪しい目線に居心地の悪さを感じながらも姉に電話してみると、留守電になり結局連絡は着かずに部屋に戻る事になります。


そんな中、世間では、突然未知の惑星の急接近によって、日食が起こることが分かり、多少パニック状態に陥っていきます(主人公は全然気にしていませんが)。

で、怪しい隣人、悪夢に登場する何か、未知の惑星と、不穏な雰囲気が立ち込める中、ルシアを追っていた組織の幹部が、
呪術師の指示に従ってヴィーナスビルを見つけ出し、組織員を引き連れてルシアを捕らえるために襲撃を開始する、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。


(RECレック)シリーズが世界的に大ヒットしたジャウマ・バラゲロ監督による、原点回帰的な、なんでもありなホラー作品です。
基本の物語としては、裏の世界に片足を突っ込んでいる主人公女子が、一発逆転のためにマフィアのブツを盗み出して、
その後色々あって散々な目に合って、そこから逆襲に転じる、という、ホラーヒロインの活躍が見所の戦う女子ものとなっています。

後半では、戦う女子の制服とも言える【白タンクトップ】にわざわざなって、そこから鮮血等をある程度浴びて、
真赤ではなく、ピンク色になる、というジャウマ・バラゲロ監督らしい、わかってる演出が雰囲気を盛り上げていきます(そういえばRECレックも白タンクトップになっていたような、、)。


その戦う女子の逆襲展開に、アパートの上の階に存在する謎の邪悪な存在や、陽気なのに怪し過ぎるおばちゃんグループの存在、
そして突然現れて何かを引き起こしそうな未知の惑星、という色んな不安を煽る要素が、なんとなくクライマックスで重なり、

主人公の戦う女子としての存在感が、数段階レベルアップして、とんでもないことになる、という、どっちに物語展開が転ぶか分からない、
まさしく予測不能なラストバトルとなっています。


ジャウマ・バラゲロ監督の前作(ウェイダウン)を鑑賞した時は、その凪いだ薄味感に、もう二度と勢いのある娯楽ホラーの世界には戻らないのかと思われましたが
本作は、色んな要素を詰め込みながらも、詳しい理由の説明なんかはサラサラする気が無いような、不穏感と勢い重視な原点回帰的な内容となっています。

舞台となるのが、住民の少ない老朽化したアパートという(RECレック)を思わせる設定もホラーとしてのワクワク感を煽り、
合間には、ジャウマ・バラゲロ監督らしいグロ目の描写もサラりと挿入、ラストではある程度伏線も回収しながら母性に目覚めた主人公が覚醒していく、
という、ホラー映画好き、戦うヒロインもの好きには、非常にグッとくる内容となっています。

という事で、(ウエイダウン)で少々がっかりした方も、本作は(RECレック)の監督らしい娯楽ホラーとなっていますので、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
それにしても、主演のエステル・エクスポシトの整った容姿と、眼力に圧倒されますよ、、。





作品情報
2022年製作 スペイン製作 ホラー
監督・脚本 ジャウマ・バラゲロ 原案 H・P・ラブクラフト
出演 エステル・エクスポシト、イネス・フェルナンデス、アンヘラ・クレモンテ、マグイ・ミラ、フェルナンド・バルディビエルソ、フェデリコ・アグアド


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