【中国映画】A LEGEND 伝説 (伝説/传说A LEGEND)129分

投稿者: | 2025年4月17日

おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆

(THE MYTH 神話)、(カンフーヨガ)の姉妹編ながらも、作品の大部分を占める前漢時代の武将であるジャッキーの役柄を、若き日のジャッキーの画像から創り出したAIが演じる、ジャッキー主演なのにジャッキー感が極めて薄い、大問題作!!

作品紹介

2025年4月11日公開

今回ご紹介する作品は、THE MYTH 神話)、(カンフーヨガに続く、ジャッキーが考古学者役を演じるアクションシリーズ第三弾です。

それでは、まずはあらすじから、

新疆ウイグル自治区にある氷河近くの遺跡で発掘調査を進めていたファン教授は、発掘現場で、歴史的な価値の高い翡翠を発見した。

その日以来、前漢時代の武将の夢を見るようになったファン教授だったが、それが前漢時代の遊牧民族の宝の隠し場所を示す手掛かりになると知るのだった。

監督・製作・脚本・アクション指導は、(ポリスストーリー3)、(レッドブロンクス)等、今やジャッキー作品には欠かせない存在となったスタンリー・トンで、

本作では、クライマックスでゲスト出演も果たしてジャッキーの魅力を引き出しています。

主演は、勿論(ライドオン)(詳しくはこちら)や(プロジェクトXトラクション)(詳しくはこちら)等、

全く勢いの衰えを感じさせない新作ラッシュが凄まじいジャッキー・チェンで、クライマックスではジャッキーらしいアクションを披露しています。

ジャッキー・チェン

前漢時代の悪党将軍と、その血を引く現代の研究者役で、(カンフーヨガ)にも出演している(ブルースリー・マイブラザー)や(コールドウォー香港警察二つの正義)等の

アーリフ・リーが登場し、前作とは180度異なるキャラクターを演じています。

アーリフ・リー

で、現代のジャッキーの助手で、前漢時代ではジャッキーの弟分を演じてるのは、こちらも(カンフーヨガ)からの続投で、

ノーモアベット)や(アイランド一出好戯)等のチャン・イーシンが登場し、アクションを交えながら愛嬌を振りまいています。

チャン・イーシン

で、そんなチャン・イーシンに思いを寄せる同じく助手役で、テレビドラマ(今宵、若様は恋におちる)や(東宮~永遠の記憶に残る愛)等の、

ポン・シャオランが登場し、コメディエンヌ的にズッコケながらチャン・イーシンに迫ります。

ポン・シャオラン

で、前漢時代でジャッキーに想いを寄せる女性役で、(映画 真三国無双)(詳しくはこちら)や(ポリスストーリー/レジェンド)等の

グーリー・ナーザーが登場し可憐な魅力を発揮しています。

グーリー・ナーザー

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、新疆ウイグル自治区にある氷河近くの遺跡で、考古学者ファン教授(ジャッキー・チェン)が、

助手のワンジン(チェン・イーシン)やシンラン(ポン・シャオラン)らと共に発掘調査を進めていたところ、

非常に歴史的価値の高い前漢時代の翡翠の装飾品を発見するシーンから始まります。

で、それと同時に、ファン教授は夢を見るようになり、夢の中では前漢時代の武将・霍去病(かくきょへい)の部下である趙戦となって騎兵隊を率いていて、

弟分の華峻(チャン・イーシン二役)と共に、侵略者匈奴と激しい戦いを繰り広げています。

そんな夢の中で、ある日、匈奴のリーダー、フドゥナ(アーリフ・リー)に追われる女性、夢雲(グーリー・ナーザー)を助けた事で、

趙戦と夢雲は運命的な出会いを果たし、逆にフドゥナとも宿命のライバルとして火花を散らして行く事になります。

一方、現代のファン教授の方は、知り合いのつてで、前漢時代の装飾品などの専門家ハーバード(アーリフ・リー二役)を訪ね、

その地方の伝説とも言える物語を、スピリチュアルな方法で聞いて行く事になります。

その装飾品には、その昔悲しい物語があり、装飾品を介して当時の歴史を感じ取ったファン教授とワンジンは、同じ夢を見て、

前漢時代の悲しい物語も自分の事のように感じますが、そんな発掘隊に、かつての匈奴の財宝を狙うある武装集団が近づいて行く、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。

ジャッキー・チェンが考古学者を演じたTHE MYTH 神話)、(カンフーヨガの姉妹編となるシリーズ第三弾です。

スタンリー・トン監督自身が、インタビューで答えているように続編としての三作目ではなく、姉妹編としての三作目となります。

ですので、同じような設定ではありますが、2作目までのジャック教授が主人公ではなく、ファン・シーロンという名前の別人物となっています。

名前の変更は、続編ではなく、姉妹編という事を示すために、あえて別人の名前を付けたという事ですので、もう完全な別人物の物語となっています。

因みに、ファン・シーロンは、ジャッキー・チェンの戸籍上の本名らしいです。

アーリフ・リーや、チャン・イーシン等の(カンフーヨガ)からの続投組も、別人物を演じていますので、物語的には前二作品とは似た世界観の別物語と考えるのが正しいようです。

ただ、主題歌は一作目から引き続いて同じ曲が印象的に使用されていたリ、クライマックスではスタンリー・トン監督自身が出演するサプライズに加えて、

ビッグサプライズゲスト(カメオではなくしっかりクレジットされています)もありますので、(THE MYTH神話)で心揺さぶられた方にとっては、

ある意味、一作目の悲恋で幕を閉じる物語が、別次元の別世界で、再び希望に満ちた物語として新しく始まるようなパラレルワールド的な捉え方もできる物語となっています。

アクションに関してもスタンリー・トン監督自身に加えて、香港レジェンド元徳も加わったアクションチームの素晴らしいアクションは、

本物の1万頭の馬を使用したド迫力の騎馬戦アクションと融合されて、見ごたえ満点のアクションシーンの数々を生み出しています。

人気シリーズの続編ではなく、姉妹編という若干気持ちの整理に困る設定と、現代シーンの意外な少なさに少々戸惑いますが、

切ない戦記悲恋物語に、豊富なアクション、現代シーンでは、アーリフ・リージャッキーのアクション対決、となかなかに見所の多い作品となっています、、、、、

、、、、、、が、、、、、、、、、

本作には、中国本国でも話題(というか批判の対象)となった、大問題が含まれています。

それが、日本の宣伝ではほとんど触れられていない(場面写真さえほとんど無い)、前漢時代での主役となるジャッキー

27歳当時のジャッキーの画像を基に創り出したAIジャッキーが演じている

という問題です。

要するに、作品の大部分を占める前漢時代で主人公を演じているのは、ほぼ(恐らく90%以上)AIのジャッキーなので、

作品の大部分で、ジャッキー本人の顔はほとんど映りません。

AIジャッキー

で、そこで問題になってくるのが、じゃあ、顔以外の身体部分を演じているのはジャッキーではないのでは?

という事で、中国では批判が集まったという事のようです。

勿論、その疑問が沸き起こるのは当然で、個人的にも、胴体部分の特徴がジャッキーとは体格や動きも違うとずっと感じていましたので、

観終わってみると、

ジャッキー完全主演作品中でも、ベスト1位の勢いでジャッキーの存在感を感じませんでした。

一応、ジャッキーが演じているという証拠写真のような画像が存在しているようですが、

顔が完全にAIで加工されている作品、つまりジャッキーの顔が絶対映らない事が前提のシーンを、ジャッキー本人が演じる意味が無い

ので、普通に考えて、前漢シーンでは、ほとんどジャッキーは胴体を演じていないのではないでしょうか。

この辺は、もしかするとDVD発売時の特典映像等で撮影シーンがあったりするとまた感じ方も変わるのかもしれませんが、、、。

ただ、そこまでして、本人の要素を残そうとするのなら、似た他の若手キャストを特殊メイクを駆使して演じてもらう(ブルース・ウィリスルーパー方式)のが普通だと思いますが、

スタンリー・トン監督が、ある日、亡くなった家族の画像をAI技術で蘇らせる、という番組を見て感動したので、そのままジャッキーの若返りのアイデアとして採用した、

という、いらない思いつきの結果、ジャッキー不在の出ずっぱり映画、という、映画界に物議を醸しだしそうな作品の誕生となりました。

本国では、涙を流すシーンでAIの表情が笑顔にしか見えないので、場内で笑いが起こったそうです

ナイト・オブ・シャドー魔法拳)(詳しくはこちら)等の、CGでしわを消すとか、(ドラゴンブレイド)の厚化粧な武将等は、まだしょうがない事でスルーできますし、

AI(CG)を使用しても、過去の回想シーン等の数秒、数分シーンぐらいなら、演出上しょうがない(ターミネーターニューフェイトエドワード・ファーロングの少年時代シーン等)事もあると思いますが、

大部分のシーンを引っ張る主人公が、

知らないヤツの胴体と30年以上前の写真の顔の合成

となると、流石に、それをジャッキー完全主演作品として公開するのもどうなのでしょうか、、。

これが、初めからAIジャッキー主演のCGアニメ映画、もしくはCGアニメと実写の合成映画、という触れ込みでセールスされている作品だったら問題無いと思いますが、、、。

そうなると、もうアニメですね、、。

ジャッキー本人も、『現実の世界で10代、20代に戻る事はできないけれど、映画でならできる。』とインタビューで答えているようなので、

今後もこんな映画が飛び出す可能性はありそうですが、

現代シーンは本人です

個人的には、

AI画像なんて、ただの一秒も魂が籠っていない、ただの絵

としか感じませんので、

年齢を重ねて動きが鈍くなって、アクションシーンが少なくなったとしても、それはそれで良いのでAI映画に舵を取るような事はしないで欲しいです。

冷めます。

という事で、作品内容的には結構楽しめる作品ではありますが、ちょっとある意味切ない面もある作品ではありますので、

それでも、観たいという方にのみおすすめします。

作品情報

2024年製作 中国製作 アクション

監督・製作・脚本・アクション指導 スタンリー・トン アクション指導 ユエン・タク、へ・ジュン

出演 ジャッキー・チェン、チャン・イーシン、グーリー・ナーザー、アーリフ・リー、ポン・シャオラン、リー・チェン、レイ・ロイ

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