おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
偶然密輸業者の金塊を見つけた男たちが、欲に目がくらんだ仲間の裏切りによって、黒社会組織に命を狙われる、(邪ゴーストオーメン)のカイ・チーホン監督による緊迫感満載の犯罪サスペンスアクション!!


作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、カイ・チーホン監督によるスリリングなクライムアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ある日、趣味のスキューバダイビングを楽しんでいたウエイ、チャン、ミン、ジウの四人は、偶然海底に隠されていた金塊を発見する。
しかし、それが巨大な黒社会組織の所有物だと分かったウェイたちは、金塊を諦め、元の場所に戻すが、欲に目がくらんだチャンは、1人で再び海底に潜り独り占めしてしまうのだった。
金塊を持ち去られた事を把握した黒社会組織は、早々にウェイたちの存在を把握し、命を狙い始める!!

監督は、シャオ・クェイ名義ですが、実は(邪 ゴーストオーメン)(詳しくはこちら)や(魔 デビルズオーメン)(詳しくはこちら)等の
カイ・チーホンで、緊迫感のある現代が舞台のクライムサスペンスを演出しています。


主人公の武術指導者役で、(醉殺拳スーパーフィスト)や(新死亡遊戯七人のカンフー)(詳しくはこちら)等の
ブルース・リィ(ホー・チョンドー)が登場し、金塊を発見する事で事件に巻き込まれていきます。



で、欲望に負けて騒動を巻き起こしていく小型バスの運転手役で、(酔馬拳クレージーホース)(詳しくはこちら)や
(醒拳)(詳しくはこちら)等のハン・クォチョイが登場し、いつものように問題を大きくしていきます。



で、事件に巻き込まれる仲間役で、(サイレントナイト平安夜)(詳しくはこちら)や(養鬼)(詳しくはこちら)等の
ウェイ・リが登場し、組織に追い詰められていきます。



で、同じく事件に巻き込まれる仲間役で、(プロジェクトA)や(流星胡蝶剣)等のリョン・シェンワンが登場し、悲惨な目に合っていきます。



で、組織の暗殺者役で、(プロジェクトDデブゴン)(詳しくはこちら)や(血玉)(詳しくはこちら)等の
フィリップ・コーが登場し、主人公達に迫ります。



そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、映画の武術指導家のウェイ(ブルース・リィ)と、
小型バスの運転手チャン(ハン・クォチョイ)、不動産会社に勤めるミン(ウェイ・リ)、クリーニング店に務めるジウ(リョン・シェンワン)の四人の男たちが、
ある日、香港の近海で、趣味であるスキューバダイビングを楽しんでいるシーンから始まります。


ついでに、漁もしているようで、結構な大漁に四人とも大喜びですが、メンバーの一人が、そんな喜びなんかふっ飛んでしまうぐらいの代物を海底で見つけてしまいます。
それは木箱に詰められた金塊で、一同大喜びしますが、冷静なウェイは、良く見るとその金塊には外国語で刻印が彫ってあるため、
近頃ニュースで話題になっているベトナム難民を大型船で密入国させる大きな黒社会組織が隠したものだと推測します。


なので、その金塊に手を付ける事は、即組織に狙われる事を意味しますので、ここは冷静になって金塊には手を付けずに戻すべきだと言います。
喜んでいたミンやジウも、その意見には賛成で、密入国ビジネスを大々的に行うぐらいの力を持った組織を敵に回すと危険、
という事で、相談の上、金塊は元の海底に戻す事になります。

しかし、、、、、メンバーの中にトラブルメーカー、ハン・クォチョイが混ざっていますので、当然それで終わるはずもなく、
皆が引き上げてから、後日自分だけその海に潜って、こっそり金塊を独り占めしてしまいます。

で、勿論、ハン・クォチョイなので、ゲットした金塊をほとぼりが冷めるまで寝かす、等の賢い対処ができるはずもなく、
速攻で、闇取引専門の仲介屋と接触し、とりあえず2本分現金に換えてしまいます。

で、現金をゲットしたハン・クォチョイは、速攻で高級スーツを購入し、ズラを装着して狙っていたホステスに大金を貢いで分かりやすく調子に乗り始めます。

で、後日確認のために皆で再び金塊が沈んでいるはずの海に出かけますが、当然金塊は無いという事で、
ウェイたちの間では、金塊は、誰か知らない人に盗まれたという認識で、その場を後にします。
勿論、ネコババした本当の犯人は、仲間のハン・クォチョイですが、、、

で、そんな中、勿論金塊の持ち主である黒社会組織が、そのままで放置するはずもなく、金塊を捜索し始めます。
すると、速攻で、闇取引の仲介屋が金塊を買い取ったという事実が浮かび上がり、わりと簡単に売りつけたハン・クォチョイの身元がバレてしまいます。

で、黒社会員達がハン・クォチョイに追い込みを掛けようと、クォチョイ宅に向かったところで、偶然訪ねてきたジウと鉢合わせし、
クォチョイの代わりにジウが捕まってしまいます。

で、クォチョイ自体は逃げ足が速いため、なんとか逃げ切りますが、友人繋がりで、ウェイとミンが仲間であることを調べられ、今度は二人が襲われてしまいます。

しかし、腕の立つ二人なので、逆に黒社会員を一旦撃退する事に成功します。


で、ウェイは、様子のおかしいハン・クォチョイを問い詰めたところ、金塊のネコババを認め、そのせいで自分達まで狙われている事が分かります。


そんな中、ジウを人質に取った黒社会は、金塊と引き換えにジウを引き渡す事を連絡してきますが、既にウェイたちを抹殺するために、
凄腕の殺し屋(フィリップ・コー)を招集し、暗殺計画を実行に移す、、、、、というのが、大体の大筋となっています。

ブルース・リィ(ホー・チョンドー)主演という事で、それだけで、鑑賞前から胡散臭い雰囲気を感じてしまいますが、
本作の監督は(邪 ゴーストオーメン)のカイ・チーホン監督、という事で、偽ブルース・リー映画のような、
なんちゃって感はなく、普通の市民が、黒社会組織の金塊に手を出してしまったがために、一人また一人と命を狙われて行く、
という緊迫感満載の犯罪サスペンスアクション作品となっています。

頼りがいのあるリーダー格を演じるブルース・リィ、危なっかしい調子ノリを演じるハン・クォチョイ、
正義感の強い男を演じるウェイ・リ、完全に巻き込まれ型で最初に犠牲になってしまう男役のリョン・シェンワン、
と、主演四人がそれぞれ役柄に合った名演(ブルース・リーのモノマネも、勿論封印)を披露していますので、
普通の男たちが、じりじりと追い詰められていく緊張感がリアルに表現されています。


また、中盤以降、殺し屋として登場するフィリップ・コーは、いつもの雰囲気ですが、初登場シーンが印象的で、
いきなり時代ものの衣装を着て白髪の鬘を被ったカンフーラスボス的なフィリップが登場し、暫く時代ものカンフーシーンが流れて、


そのシーンを遮るように、現代の服を着た武術指導家(この作品での職業)ブルース・リィが姿を現して、
それをきっかけにそのシーンを撮影しているスタッフも映り、実はカンフー映画の撮影現場という種明かしの後に、
出演者の一人に化けた殺し屋フィリップが、隙を見てブルースに襲いかかる、という、面白要素とドラマ本編部分が上手く融合した
カイ・チーホン監督らしい、一ひねり効いた名シチュエーションを生み出しています。



しかも、このシーン、恐らく本当にスタッフがスタッフ役で参加しているようで、本作の本当の武術指導である鹿村泰祥もしっかりと映っています。
完全なメイキング映像という事ではありませんが、この時代のカンフー映画の撮影風景が観れる、なかなかに興味深い貴重な映像となっていますので、
そういう意味でもカンフー映画ファンの方には、プラスアルファで楽しめるのではないでしょうか。

あと、このシーンに少し顔を出している鹿村泰祥演出のアクションシーンですが、まだまだジャッキー主演の現代アクション等が大ヒットする以前の1979年という時期に製作された作品で、
カンフースターが主演している現代が舞台のクライムアクションという事で、現代的なアクションと豹拳等のクラシックスタイルのカンフーアクションが混在する、


今観返すとちょっと見慣れませんが、逆にこの時代を象徴するようなアクションシーンとなっていますので、
この時代の現代アクション自体が日本にほとんど入って来ていない事を考えると、非常に貴重な(70年代当時の)現代アクション作品となっています。


さらに、冒頭で彼女に自慢していた連射機能付きのカメラが、クライマックスバトル時に、思わぬところで登場する、
という、実にカイ・チーホン監督らしい、上手い伏線の回収等もあったりと、お楽しみ要素が多い作品となっていますので、
香港映画好きの方や、クライムサスペンス好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。







作品情報
1979年製作 香港製作 サスペンスアクション
監督 カイ・チーホン(シャオ・クェイ) 製作 アレックス・ゴウ 武術指導 鹿村泰祥
出演 ブルース・リィ(ホー・チョンドー)、ハン・クォチョイ、フィリップ・コー、チウ・チーリン、サン・カイ、ウェイ・リ、リョン・シェンワン、鹿村泰祥


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