カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
部下の裏切りによって命を奪われた両親の仇を打つため、獄中で生まれた娘が決死の戦いを繰り広げるアンジェラ・マオ、ブルース・リャン共演のドラマティックリベンジカンフーアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、アンジェラ・マオ主演のリベンジカンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
部下の裏切りによって夫を殺害され、自身にその罪を着せられた女性イーメイは、島流しの刑にあったが、獄中で生まれた自身の娘に親の復讐を託し、息を引き取るのだった。
里親となったイーメイの囚人仲間千手娘は、イーメイの娘を尼寺に預け、争いから遠ざけようとするが、
生まれながらに気性の荒い娘チエリンは、寺を下山し、自身の出生の秘密と、両親に巻き起こった事件を知り、復讐の鬼と化すのだった!?
監督は、(スカイホーク鷹拳)(詳しくはこちら)や(キングボクサー大逆転)等のチェン・チャンホーで、ドラマティックなカンフー活劇を演出しています。
主人公の女性拳士役は、(アンジェラ・マオの女活殺拳)や(ザ・トーナメント)等のアンジェラ・マオで、
ダイナミックでキレのあるアクションを披露してします。
で、お助けマン的な拳士役で、(帰って来たドラゴン)(詳しくはこちら)や(無敵のゴッドファーザー ドラゴン世界を征く)(詳しくはこちら)等の
ブルース・リャンが登場し、後半は主人公のように活躍していきます。
で、ラスボス役で、(ドラゴンロード)や(ゴーストキング)(詳しくはこちら)等のチャーリー・チャンが登場し、主人公達を追い詰めていきます。
で、その右腕的な部下役で、(少林寺 怒りの鉄拳)や(四大門派)と同年のサモ・ハンキンポーが登場し、まさにブレイク直前のキレのあるアクションを披露しています。
で、同じくラスボスの部下役で、(ドラゴン怒りの鉄拳)や(ドラゴン危機一髪)等のハン・インチェが登場し、主人公達と激闘を繰り広げます。
そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、ある流刑の地である島に、大罪を背負ってイーメイという女性が送られてくるシーンから始まります。
イーメイは、高官である夫を、4人の部下の裏切りによって殺害され、さらにその罪を自身に着せられるという無実の罪の被害者で、
脱出不可能な島流しの刑によって、生きる希望を失ってしまいます。
しかし、既に妊娠中だったため、自身と夫の仇討ちを、生まれたばかりの娘に託し、息を引き取ってしまいます。
その後、監獄内でイーメイの友人となっていた千手娘(役名です)が、生まれた子の里親となり、出所する事になりますが、
千手娘としては、その娘には、親の因縁から離れて、争いのない地で、幸せに暮らして欲しいと願い、事情を説明して、ある尼寺に娘を預ける事になります。
そこから時は経過し、武術の訓練も行う尼寺で、カンフーの腕をめきめきと上げていった娘チェリン(アンジェラ・マオ)ですが、
気性が荒く、習得した武術にも、行き過ぎの攻撃が目立ち始めます。
そして、ついに、自身を襲ってきた山賊を、逆に叩きのめし過ぎて命まで奪ってしまう事で、尼寺を破門されてしまいます。
下山する事になったチェリンですが、義母である千手娘と再会し、物心をついた時から自身の中に眠る怒りの心の理由が、
無念の内に命を落とした母からの強い意思を受け継いでいるためだと知り、両親の復讐のために裏切り者の4人の男の捜索を開始する、、、、というのが、大体の大筋となっています。
母娘二世代に渡る復讐物語を、しっかりしたドラマ部分と、アンジェラ・マオの素晴らしいアクション、
中盤から登場するブルース・リャンの素晴らしい足技アクション、身軽なチャーリー・チャンによるキレのあるアクションと、
カンフーアクションシーンをふんだんに挿入し、さらにそれを93分という短めの上映時間にきっちりと収める、という非常にバランスの取れたドラマティックなカンフー作品となっています。
冒頭部分は親の世代で起きた悲惨な事件と、罪を着せられた母親の無念さをしっかりと描き、10分以上経過してからようやく主人公が登場する、
という、(少林寺への道)(詳しくはこちら)等、似た流れで始まる作品は多いですが、本作では、前の時代の物語を、
付け足しのような要素で描くのではなく、回想シーン等も挿入しつつしっかりとドラマが描かれていますので、
いよいよアンジェラ・マオが登場した際には、既にその時点で、感情移入できるような大河ドラマ的な表現となっています。
それに加えて、アンジェラ・マオの力強いアクションと、凛々しい表情が、生まれながらにして悲哀と怒りを背負った女性ヒーロー像にぴったりとハマっていて、
アンジェラ・マオ作品の中でも、突出した名演を披露しています。
さらに、4人の裏切り者を順番に倒して行く、というシンプルなストーリーに、途中から捻りを加えていき、
そこに、お助けマンとして登場する、謎の男ブルース・リャンと、もう一人の分かり易い謎の男の登場によって、物語展開にも面白みを加えていきます。
アクションに関しても、アンジェラ・マオのキレのある素手でのアクションに、棒術や、サソリをアクセントに使うバラエティに富んだアクションの数々はどれも素晴らしく、
そこに、ちょっと肥えてきていながらも、まだまだキレのあるブルース・リャンの打点の高い蹴り技アクションが融合し、カンフーシーンは全てが名シーンの連続となっています。
特に、クライマックのアンジェラ・マオVSサモ・ハンキンポー、ブルース・リャンVSチャーリー・チャンの対決は素晴らしく、
お互いの長所を活かしたアクションが、本作随一の見せ場となっています。
ただ、少し残念なのは、ブルース・リャンとチャーリー・チャンの素晴らしい対決が、目立ち過ぎて、アンジェラ・マオの活躍が若干霞んでしまい、
まさかの最後の最後のバトルは、主人公であるはずのアンジェラ・マオのバトルを差し置いて、ブルース・リャンとチャーリー・チャンのバトルで締めくくる、
というカンフー映画では珍しい展開のラストバトルが、母娘二世代に渡る復讐物語の決着を因縁に関係のない他人が付けているようで、物語的には少しブレてしまうのが少々残念なクライマックスとなっています。
という事で、ドラマ部分も、カンフーアクション部分も、見所盛沢山の作品となっていますので、カンフー映画好き、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1977年製作 香港製作 カンフーアクション
監督 チェン・チャンホー 製作 レイモンド・チョウ 武術指導 ユエン・ウーピン、シュー・ハ
出演 アンジェラ・マオ、ブルース・リャン、チャーリー・チャン、サモ・ハンキンポー、ハン・インチェ、クワン・シャン、リュー・チェンクー、フォン・ヤウ、ディーン・セキ、ラム・チェンイン、ユン・ワー、ユン・ピョウ、チョン・ファ、チン・ユッサーン、サン・カイ、コーリー・ユエン、アラン・ツイ、シュー・ハー
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