サイボーグ(CYBORG)86分

投稿者: | 2024年7月18日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

(キックボクサー)と共にジャン・クロード・ヴァンダムのブレイクのきっかけとなったアルバート・ピュン監督、キャノンフィルムズ製作のSF格闘アクション!!

作品紹介

1990年3月24日公開

今回ご紹介する作品は、ジャン・クロード・ヴァンダムのブレイクのきっかけとなったSFアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

最終戦争後の荒廃した世界で、疫病治療のデータをインプットしたサイボーグが、暴力集団パイレーツに襲われていたところを偶然通りかかった元兵士のギブソンが救出する。

パイレーツの首領フェンダーが、かつて、恋人を殺害した犯人だと知ったギブソンは、パイレーツの暴力から一人生き残った女性ナディと共に、

荒れた荒野をパイレーツに復讐するために追い始めるのだった!?

監督は、(ネメシス)(詳しくはこちら)や(沈黙のテロリスト)(詳しくはこちら)等のアルバート・ピュンで、

低予算ながらもヴァンダムの魅力は十分に引き出したSFアクションを演出しています。

主演は、ショー・コスギと共演した(ブラックイーグル)(詳しくはこちら)の翌年のジャン・クロード・ヴァンダムで、

本作と同年には(キックボクサー)にも主演し、本作と合わせてブレイクのきっかけとなっています。

ジャン・クロード・ヴァンダム

で、ヴァンダムと共に旅をすることになるヒロイン役で、(スクエアダンス)や(プロミストランド)等の

デボラ・リッチャーが登場し、人類の希望のために戦っていきます。

デボラ・リッチャー

で、主人公の宿敵となる悪漢役で、(キックボクサー2)や(サイボーグキラー)等のビンセント・クラインが登場し、

圧倒的な迫力で、ヴァンダム一行を追い詰めていきます。

ビンセント・クライン

そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、世界大戦によって荒廃した近未来、人類を絶命に追いやる疫病の研究データをインプットした女性サイボーグ・パールが、

研究施設のあるアトランタに向かうものの、悪の帝王フェンダー率いる暴力集団パイレーツに捕まってしまうシーンから始まります。

既に相棒だったボディガード(人間)はパイレーツに殺害され、荒れた荒野を逃げ回るもついにつかまり、いよいよ命を奪われる(サイボーグですが)寸前で、

寡黙な戦士ギブソン(ジャン・クロード・ヴァンダム)が颯爽と登場し、パールを助けてくれます。

が、、、、パールは、ヴァンダムを信用できない、という事で、助けてもらったくせに、そのまま暴力集団と行動を共にし、

希望に溢れた未来を夢見るアトランタの野郎どもを破壊したい、という破滅願望のあるフェンダーに半分捕らわれた状態でアトランタを目指す事になります。

で、助けてあげたのに、信用できないヤツ呼ばわりされたヴァンダムは、フェンダーと一戦交えた際に、過去の出来事を思い出します。

実はヴァンダムは元兵士で、恋人とその子供達と平和に暮らしていたところを、暴力破滅軍団に襲われ、

恋人とその幼い子供一人を殺害され、自身も重症を負い、さらに子供の内の一人を連れ去られる、という壮絶な経験をしていて、

フェンダー達暴力破滅軍団に復讐を誓っていた過去があったのでした。

で、ついに宿敵を見つけたヴァンダムは、暴力破滅軍団の後を追い始めます。

そして、その途中立ち寄った村で、軍団の暴力から唯一生き残った女性ナディと行動を共にし、2人で暴力野郎たちを追いかけます。

しかし、暴力団の仲間の中に連れ去られた少女の成長した姿を見たヴァンダムは、不意を突かれ、、、、、というのが、大体の大筋となっています。

物語展開的には、サイボーグを中心に追いかけっこをするだけ、という非常にシンプルなストーリーで、

冒頭の世界観の説明もナレーション一発で済ませてしまう(しかも、悪党側のラスボスがナレーションを担当するという奇抜さ)という演出は、配信専用の中国映画のような、おてがる仕様で、

本編も、物語が始まるや否や、いきなりサイボーグと暴力団のチェイスが始まっています。

ですので、説明もそこそこにいきなり本題に突入して、それが最後まで続く、という一本道のストーリーとなっています。

その一本道を描きながら、ヴァンダムの過去の回想シーンを随時挿入して行く、という感じで、そういった端折り説明も配信専用中国映画のような構成になっています。

ただ、本作、それでも86分という上映時間はありますので、一本道の追いかけっこをどのようにして持たせるかというと、

そこがアルバート・ピュン監督らしさで、とにかく追いかけっこの合間を、ランダム的にスローにしていく、

という非常にシンプルな間の引き延ばし方で、とにかく動き出すと、一つのアクション中に何度もスローが訪れます。

特に意味のありそうなシーンでなくても随時スローになってしまいますので、

シンプルな追いかけっこの結構な時間を、スローで観続ける事になります。

追いかけっこをスローで観る。

これが、意外に破壊力があり、アクション映画でかなり重要なテンポを極端に遅くして停滞感を煽ってしまいます。

では、面白くないのか?というとそうではなく、一つの大きな魅力によって、本作は、スローテンポながらも常に興味を引く作品となっています。

その魅力は、勿論本作と(キックボクサー)の二大主演作によって、ハリウッドアクションスターの座を勝ち取ったジャン・クロード・ヴァンダム自身の魅力です。

他の初期作品のように、本作でも無口な役柄で、後の’(ダブルインパクト)(詳しくはこちら)のような演技面で魅力を発揮している作品ではありませんが、

過去に何か壮絶な経験をし、復讐に燃える寡黙な戦士という役柄が非常にハマっていて、身体の締まり方、アクションのキレ等、

相当な仕上がり具合で、これからのし上がっていくアクション野郎のギラギラした存在感(オーラ)が、

低予算なペラペラの世界観や荒廃した設定の枯れた世界観と対比するようにビシビシと伝わり、本作の最大の魅力となっています。

作品内容はともかく、ヴァンダムの魅力は全開です

当然、他のキャストや、有名になってから以降のヴァンダム本人では、この存在感を醸し出す事は不可能だと思われますので、

この時期だけのダイヤの原石のようなギラつきが、本作の魅力のほとんど全てと言っても過言では無いかもしれません。

ただ、まだまだ、ヴァンダムの格闘技スターとしての魅力を十分引き出せているような演出にはなっていませんので、

宿敵とのラスボス戦でも、カット割りの多様で、何をやっているのか分からないシーンも多いので、アクションの素晴らしさを堪能できるところまで至っていないのが残念です。

という事で、物語展開的には見所が多いとは言いにくいですが、ヴァンダム映画としては、やはり初めてヴァンダムの魅力(格闘技シーンは置いておいて)を引き出した作品とも言えますので、

ヴァンダムファンの方や、アクション映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

曙ではなく、ヒロインです

作品情報

1987年製作 アメリカ製作 SFアクション

監督 アルバート・ピュン 製作 メナハム・ゴーラン、ヨーラム・グローバス

出演 ジャン・クロード・ヴァンダム、デボラ・リッチャー、ビンセント・クライン

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