おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
H・G・ウェルズ原作小説を、(新・猿の惑星)のドン・テイラーが映像化した、名優バート・ランカスター、マイケル・ヨーク主演の特撮アドベンチャーアクション!!
作品紹介
1978年1月28日公開
今回ご紹介する作品は、H・G・ウェルズの小説を映像化した特撮アドベンチャー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
乗船していた船が沈没し、なんとか救命ボートで、とある島に漂着したブラドックは、その島で遺伝子研究に没頭するモロー博士と、
その助手のモンゴメリー、そして女中二人と、美しい女性マリアと出会う。
しかし、その島の奥深くには、正体不明の何かの存在も隠れ潜み、その存在は、モロー博士の驚愕の研究内容と深く関わる存在なのだった!?
監督は、(新・猿の惑星)や(オーメン2ダミアン)のドン・テイラーで、(猿の惑星)と似たような要素のある人間対VS動物な世界観を演出しています。
主演のモロー博士役は、(カサンドラクロス)や(合衆国最期の日)等の名優バート・ランカスターで、落ち着いた紳士かと思いきや、段々と狂気性を増していく博士を演じています。
で、島に漂着する若者役で、(2300年未来への旅)や(三銃士)等のマイケル・ヨークが登場し、モロー博士と激突していきます。
で、ヒロインとなる島の女性役で、(世界崩壊の序曲)や(ネバーセイ・ネバーアゲイン)等のバーバラ・カレラが登場し、可憐な魅力を放っていきます。
で、モロー博士の助手役で、(炎のランナー)や(ナイトホークス)等のナイジェル・ダヴェンポートが登場し、モロー博士をサポートしていきます。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、太平洋上を漂う一隻の救命ボートが、ある孤島に漂着するシーンから始まります。
客船が沈没し、その機関士をしていたブラドック(マイケル・ヨーク)は、なんとか生き残った二人で島に上陸しますが、
傷ついた仲間を森に休ませ、水を求めて島探索を始めると、やがて何かの気配を感じ、追い込まれて何者かが作った落とし穴に落ちて、そのまま気絶してしまいます。
一方、森で休んでいた仲間は、その後すぐに、何者かに襲われてしまいます。
で、誰かの住居で眼を覚ましたブラドックは、それが自分を救ってくれた人物、モンゴメリーの住居で、
その島は、遺伝子研究をしているドクターモロー(バート・ランカスター)の島である事を知らされます。
モンゴメリーは、モロー博士の助手で、女中二人と、美しい女性マリア(バーバラ・カレラ)も島で一緒に暮らしていて、日々研究を進めている、という事が分かります。
で、身体が回復したブラドックは、早速食事に招かれ、マリアともちょっと良い雰囲気で、久々の楽しい時間を過ごします。
後にマリアの事を訪ねると、「11年前にパナマで卵1ダースと交換した」という衝撃の交渉内容に、ギョッとしますが、
まだまだ、そういう極端な事も存在する時代ですので、そこは聞き流して、落ち着いたひと時を過ごします。
で、そんな食事の帰り道、近くの小屋で、何の動物かも判断できないような物凄い獸の雄たけびが聞こえてきます。
で、その事についてモロー博士に尋ねると、モロー博士は動物の遺伝の染色体について研究していて、色んな動物を被験体とするために、
色んな種類の動物を飼育(ライオン・クマ・豹・トラ等)していて、危険なので小屋と森の奥深くには近づかないようにきつく言われます。
その後、一応言いつけを守りながら島での生活は進み、ブラドックとマリアの関係も進みますが、どうしても興味を拭いきれないブラドックは、
ついに禁断の小屋と研究室に忍び込んでしまいます。
で、実験室の実験台に括りつけられた人物を覗いてみると、、、
※↓ここらかは、重要な物語展開に触れていますので、ご注意ください↓※
、、、、、人物は、まさかの完全な人物ではなく、半獣半人の猿人間だったのです!
要するに、モロー博士の実験は、遺伝子の謎を解き明かすために、色んな動物にモロー博士お手製の特別血清を注入し、人間に変えようとする、
神をも恐れぬ禁断の実験で、実験台に縛られていた猿人間は、元々は猿で、今まさに人間へと変身させようとしている最中だった、という狂気の事実が発覚します。
森の中に存在する謎の集団も、実は、そんなモロー博士の実験の失敗例で、完全に人間化できずに、半獣人なまま森の洞窟に追いやられ、
そこでモロー博士によって掟を教え込まれて、支配下に置かれている、という異常な島の状況を把握したブラドックは、
速攻で島から脱出しようとしますが、直ぐにモロー博士に捕まってしまいます。
※↓ここらかは、さらに重要な物語展開に触れていますので、ご注意ください↓※
で実験台に縛られたブラドックは、あのモロー特性の血清を注入されてしまいます。
そこからブラドックの地獄は始まります。
身体は獣の様に体毛に覆われて行き、言語能力は少しづつ失われ、かつての楽しい過去の記憶も少しづつ失われていきます。
しかし、あまりの非道さに、ついにキレた助手のモンゴメリーは、モロー博士に反旗を翻しますが、したたかなモロー博士は、その行動も既に予測していて、
モンゴメリーに反撃を加えます。
その一連の行動を、影から見ていた、獣人軍団は、モロー博士が掟で、きつく指導していた、殺しはしてはいけない、という第一のルールに反した、という事で、
大暴動へと発展し、島は地獄と化し、捕らえられていた動物たちも暴れ周り、獸、半獣人、人間、元人間が入り乱れていきます。
で、なんとか隠していたボートに乗って、ブラドックとマリアは、洋上へと逃げ延び、ブラドックの体内の血清の効果も切れて、
人間の身体へと戻っていき、喜んだブラドックと、、、、
マリアだったが、、、、、、、、、
というのが、大体の大筋となっています。
まず、本作を当時映画館、その後のテレビ放送でご鑑賞されていた方は、当時の宣伝ポスターの謡い文句にもあるように、
【ラスト3分のショックは、あなたの心臓をえぐり取る!】
程の衝撃的なエンディングに、(猿の惑星)や(ソイレントグリーン)等、当時のSFジャンル作品のビックリ落ち作品の代表作品として本作をご記憶の方も多くおられると思いますが、
現在、日本で流通しているDVD版は、アメリカで公開された、
まさかの180度内容の異なるハッピーエンディングバージョン
で、
何の衝撃も、余韻も残さない、あっさり薄味バージョンとなっています。
ポスターの背景や、それまでの会話の流れ、登場人物の出自等を自然に観ていると、恐らくほとんどの人が、
『そういう事かな?』と薄々予測できるようなエンディングではありますが、それでも、宣伝文句になるぐらいの衝撃度はありますので、
本作を楽しむ上での重要な要素の一つとも言えるエンディングですが、それを、当たり障りのない薄味ハッピーエンディングに変更された(別バージョンなので変更ではないですが)事で、
逆に今まで、小出しにしていた伏線が、そのまま放置されているような状態になっていて、全体的になんとなく大味感の漂う内容となってしまっています。
当時の流行りで言えば、日本公開バージョンの方が適切だと思われそうですが、なぜ薄味ハッピー版になったのか、はちょっと理解できません。
という事で、エンディングは残念仕様ですが、全体の内容的には、(新・猿の惑星)のドン・テイラー監督らしく、
それぞれの立場での対立とラストの激突が大変緊迫感があり、知性と迫力のみで支配しているモロー博士の威厳と危うさや、いまにも暴動を起こしそうな半獣人たち、
そして、間に挟まれて戸惑いながらも、なんとか脱出したい主人公、という人物配置が緊迫感満載で面白く、
そこにバート・ランカスターの圧倒的な存在感と、後半のマイケル・ヨークの熱演、(猿の惑星)の影響大な獣人たちの特殊メイク、
さらに、本物の猛獣と格闘するスタントマンのド根性シーンが加わっていく、という感じで、全体を通して見所満載の内容となっています。
これで、日本公開版のエンディングが復活すれば、晴れて完全版という内容になると思われますが、なかなか日本ではリリースされないのがもどかしい作品となっています。
という事で、エンディングは多少、肩透かしではありますが、作品全体ではしっかりと楽しめる作品となっていますので、
特撮映画好き、冒険映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1977年製作 アメリカ製作 SFアクション
監督 ドン・テイラー 原作 H.G.・ウェルズ
出演 バート・ランカスター、マイケル・ヨーク、バーバラ・カレラ、ナイジェル・ダヴェンポート、
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