おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
(バービー)のマテル社販売の玩具シリーズを、予算多めのB級作品で有名なキャノンフィルムが製作した、ドルフ・ラングレンの初主演SFヒーローアクション作品!!
作品紹介
1989年9月2日公開
今回ご紹介する作品は、ドルフ・ラングレン初主演のヒーロー玩具の映画化作品です。
それでは、まずはあらすじから、
全宇宙を支配しようと目論む“闇と混沌の魔王”スケルターは、“異郷の天才”グウィルダーが開発した時空間転位サイザーを悪用しようとしていたが、
惑星エテルニアの勇者ヒーマンに阻まれてしまう。
追い詰められたヒーマンは、仲間達と共に、予備の時空間転位サイザーを使って地球へと逃げ延びるが、そこにもスケルター軍団が押し寄せ、地球を舞台に激しい戦いへと発展していくのだった!?
実写映画版(バービー)を大ヒットさせた玩具メーカー、マテル社が、(日本以外の)世界的なヒット玩具(マスターズ・オブ・ユニバース)を、
アニメ化等を経て初めて実写映画化した作品で、近年新たな実写映画化も進んでいるようです。
そんな本作の監督は、本作以降は日本でもテレビ放映された特撮テレビシリーズ(キャプテンパワー)等の監督として活躍しているゲイリー・ゴダートで、
玩具原作という珍しい作品世界を娯楽要素高めに描いています。
主演は、1985年の(ロッキー4炎の友情)でブレイクし、その後初主演となる本作の後、(レッドスコルピオン)、(パニッシャー)、(ダークエンジェル)と
話題作に連続して主演していた時期のドルフ・ラングレンで、金髪ロン毛の筋肉ヒーローを颯爽と演じています。
で、宿敵となる悪のボス・スケルター役で、(ドラキュラ)や(スフィンクス)等のフランク・ランジェラが登場し、
名優なのに全編マスクを被って悪役を演じる、という思い切った登場の仕方でドルフを追い詰めていきます。
で、その腹心の部下役で、(リバイアサン)や(ゼイリブ)(詳しくはこちら)等のメグ・フォスターが登場し、主人公達を追い詰めていきます。
で、地球人のヒロイン役で、(スクリーム)シリーズや(エースベンチュラ)等で後にブレイクしていくコートニー・コックスが登場し、
まだまだ初心で事件に巻き込まれるヒロインを好演しています。
で、その彼氏役で、本作以降は(スタートレック:ヴォイジャー)や(L.A.ロー七人の弁護士)等のテレビシリーズで活躍している
ロバート・ダンカン・マクニールが登場し、ロックでピンチを切り開いていきます。
で、ドルフの仲間の女戦士役で、(ダークハーフ)や(プリズン)等のチェルシー・フィールドが登場し、
可憐な魅力と行動力で、ドルフをサポートしていきます。
で、ドルフの仲間で、時空間転位装置まで開発してしまう天才役で、(ウィロー)や(レジェンド)等の
ビリー・バーティが登場し、愛嬌のある演技で笑いを誘います。
で、事件を追う刑事役で、(バック・トゥ・ザ・フューチャー)シリーズや(トップガン)等のジェームズ・トルカンが登場し、主人公達を追い詰めていきます。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、広大な宇宙のどこかにある惑星エテルニアで、全宇宙を支配しようと目論む魔王スケルターと、
その野望を阻止しようとする勇者ヒーマンとその仲間達の激闘からいきなり始まります。
両勢力の設定や、人物紹介等は、ほぼ無しで、いきなり戦闘から始まりますので、誰が味方で、誰が敵か?
何のために戦っているのか?等、良く分かりませんが、恐らく本国では既に玩具やアニメ展開で、設定等は何度も語られているので、
映画版では省略した、という事のようですが、玩具にイマイチ馴染みのない日本では、開幕早々に、暫く何をやっているのか分からない状態が続いてしまいます。
ただ、善と悪のフォルムが、玩具が元になっているだけにはっきりとしていますので、ドルフと親し気にしている者が善人で、
それ以外は悪人という事だけは把握でき、その戦いの最中、時空間移動キーを開発したビリー・バーティが、
その装置を略奪されて、善人側の女王のような存在が囚われ、悪の軍団に惑星が支配されつつあり、主人公ヒーマン(ドルフ)もまさに捕らわれる直前、
という所で、ビリーが作成していた予備の時空間移動キーを使って、とりあえずスケルターの手の届かないところへ、、、、
、、、、という事で、地球へと仲間達と共に移動して来る事になります。
で、異動の最中に、時空間移動キーを落としてしまい、着地点とは違う場所にキーだけが落ちる事になります。
で、そこへ、田舎町から引っ越そうとしている直前のコートニー・コックスと、バンドマンの彼氏ロバート・ダンカン・マクニールが偶然通りかかって、時空間移動キーをゲットし、
バンドマンであるロバートが、装置を起動させてみると、ナイスサウンドを奏でるので、持ち帰って、そのサウンドをキーボードで再現、、、
、、、とかやっていると、キーが発した信号をキャッチしたスケルター軍団が、地球目指して押し寄せて、コートニーに襲い掛かるものの、
異変を察知したヒーマン・ドルフと仲間達が助けに入り、惑星エテルニアでの戦いが、舞台を地球に移して巻き起こる、、、、というのが大体の大筋となっています。
本作内では、ヒーマンが何者か?という事さえ説明されませんので、ドラマチックな物語展開等は無く、
ストレートにヒーローと悪人の戦いが描かれるシンプルな作品となっていますが、時空間移動キーを動かす要素が音楽という、実にアメリカンな設定や、
地球で巻き起こる騒動を捜査していた刑事も、なんだかんだと善人チームに参加して、悪人と戦う事になる、
という、映画的な展開が、一味付け加えられていますので、単純な善と悪の戦いながらも、娯楽映画としての盛り上がりを見せる内容となっています。
さらに、異世界からやってきた者達と、当時の地球とのカルチャーギャップ等による笑いや、音楽の力は全宇宙共通的なお約束要素が、
作品全体を包む緩さと相まって、80年代らしいちょっとゆるめの娯楽要素を生み出しています。
本作を製作したキャノングループは、ショー・コスギ主演の(ニンジャ)(詳しくはこちら)や、スタローン主演の(オーバー・ザ・トップ)、
チャック・ノリス主演の(デルタフォース)、チャールズ・ブロンソン主演の(狼よさらば)シリーズ2作目以降等、
規模大き目のB級娯楽作品を多く製作している会社ですので、とにかく細かい要素は切り捨ててでも、
派手な娯楽要素を一杯詰め込む、という同社の他の作品に通じるような魅力を持った作品となっています。
ただ、本作ドルフの主演第一作という事で、まだまだドルフの魅力を全て引き出せている、という描き方ではなく、
金髪ロン毛のほぼパンイチ筋肉マントマン
以上でも以下でもないような扱いが、次作(レッドスコルピオン)以降の活躍を見ると、イマイチぱっとしない印象の薄さを残していて少し残念です。
アクションも、勿論ドルフの格闘スキルを活かしたようなアクションではなく、背中に背負っている剣さえそんなに振り回さずに、メインバトルは光線銃での撃ち合い、
というのも、(玩具の世界観を守っているのかもしれませんが)非常に残念で、
接近戦アクション自体も、『よっこらしょっ。ふんっ!』という感じの至ってスローな戦いがメインとなっています。
という感じで、ドルフ映画としては少々残念な点も多い作品ではありますが、80年代B級活劇に共通する、
緩いけれどもなんとなくワクワクする
高揚感は、しっかりと持った作品となていますので、SF映画好きの方や、アクション映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1987年製作 アメリカ製作 SFヒーローアクション
監督 ゲイリー・ゴダート
出演 ドルフ・ラングレン、フランク・ランジェラ、メグ・フォスター、ビリー・バーティ、コートニー・コックス、ロバート・ダンカン・マクニール、ジェームズ・トルカン
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