カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★★★★
横暴を極める清朝政府の将軍によって家族を奪われた青年が、少林寺の三十五房で修行し、少林寺武術を後世に残すために在家弟子のための三十六房を新設するまでを描いた少林寺映画の最高峰!!
作品紹介
1983年4月11日公開
今回ご紹介する作品は、ラウ・カーリョンが監督し、義弟のリュー・チャーフィーが主演した少林寺カンフーアクション作品です。
それではまずはあらすじから、
清朝時代、明の復興運動に参加した事から、圧政を強いる清王朝のティエン将軍に家族や友人を殺害されたリューは、
自身も瀕死の重傷を負いながらなんとか少林寺に辿り着き、弟子となる事を許され、僧名サンダを授かり、三十五房での訓練を重ねていく。
そして、7年後、全ての房での修行を終えたサンダは、新しく在家弟子のための三十六房を新設する事を許され、
弟子集めのために、ティエン将軍が猛威を振るうかつての故郷へと下山していくのだった!?
監督と武術指導は、(ワンス・アポン・ア・タイム英雄少林拳 武館激闘)(詳しくはこちら)や、(醉拳3)(詳しくはこちら)等の
カンフー映画の巨匠ラウ・カーリョンで、本物だけが出せる迫力で、素晴らしいアクションを演出しています。
主演の青年役を演じているのは、ラウ・カーリョン監督の義弟で、(ガッツフィスト魔宮拳)(詳しくはこちら)や(少林醉八拳)(詳しくはこちら)等、
少林寺系作品で有名なリュー・チャーフィーで、若々しくキレのあるアクションを披露しています。
で、主人公の宿敵となる将軍役で、(キングボクサー大逆転)や(続・少林虎鶴拳)等のロー・リエが登場し、
悪の道一直線な、残虐将軍を演じて激闘を繰り広げます。
で、その将軍に冒頭で戦いを挑む明の将軍役で、ラウ・カーリョン監督の実弟でもある(ドラゴン修行房)(詳しくはこちら)や、
(燃えよデブゴン カエル拳対カニ拳)(詳しくはこちら)等のラウ・カーウィンが登場し、少しだけですが素晴らしいアクションを披露しています。
で、将軍の部下の一人で実質的に主人公に危害を加える役柄で、(斗え!デブゴン)(詳しくはこちら)や、
(蛇形醉歩)(詳しくはこちら)等のトン・ワイセンが登場し、主人公を追い詰めていきます。
で、もう一人の将軍の部下役で、(醉猿拳VS蛇拳)や(ポリスストーリー2)等のチャン・ウーロンが登場し、激闘を繰り広げます。
で、少林寺の戒律の住持役で、(燃えよデブゴン7)(詳しくはこちら)や(プロジェクトDデブゴン)(詳しくはこちら)等の
リー・ホイサンが登場し、リュー・チャーフィーと名勝負を繰り広げます。
その他にも、弟子役でワン・ユーや、チョイ・シウキョン、訓練房の住持役でユエン・シャオティエン、同級生役でホワ・ルンやハン・クォチョイ、少林寺の先輩弟子役でシャオ・ホウ等、
その後カンフー映画で活躍していくスター達が端役で参加している、実力者たちが集結した作品となっています。
そんな本作の物語は、圧政を強いる清朝の将軍ロー・リエとその部下達が、横暴を極める中、革命派に参加しているある学校(塾?)の先生の、
熱い演説を聞いて奮い立ったリュー・チャーフィとハン・クォチョイ、ホワ・ルンの三名が、良く分かっていないながらも革命に参加し、
そのせいで、家族が惨殺されてしまうシーンから始まります。
何気に参加した感じで、友人のハン・クォチョイとホワ・ルンまで犠牲になり、学問よりも武術を学ぶべきだった、という事で、傷ついた体で少林寺に向かう事になります。
で、気絶しながらもなんとか辿り着いたチャーフィーは、勿論少林寺に弟子入りを希望しますが、殺気立っている状態で許可されるはずもなく追い返されそうになります。
しかし、大僧正の鶴の一声で、なんとか弟子入りを許可され、そこから厳しい修行の日々が始まります。
最初の一年間は、雑用ばかりで武術は何も教わらなかったので、途方に暮れていると『武術を教わりたいなら、初めからそう言いなさい。』
という事で、何かシステムを勘違いしていたチャーフィーは、そこから修行を重ねてメキメキと武術の腕を上げ、
三十五房での訓練を見事7年間(最初の一年間がカウントされているのかどうか分かりませんが、、)で、全て終了する事になります。
で、その功績を称え、ご褒美として好きな房の住持を任命される事になりますが、そこでチャーフィーは、
閉鎖的な状態では、少林武術の素晴らしさは後世に伝わらない、という事で、在家の信者にも武術を教える三十六房を新設する事を願い出ます。
そんな勝手な事を言われても困るので、一度は撥ねつけられますが、だったら、在家信者を集めてきなさい、という事で、、、、、
、、、いよいよ少林寺を下山し、俗世で弟子集めが始まりますが、、、、、
、、、ついでに、当初からの目的であるロー・リエ将軍の打倒もまとめて済ませてしまう大作戦を決行する事になります。
弟子の顔ぶれは、ホン・シークワンに、トン・チンカン、ルク・アーチョイにチュン・マイロ、と他の少林寺映画にもよく登場する実在の少林英雄達で、
その猛者たちを集めながら、まずは一番恨みのあるトン・ワイセンを撃破し、その次にチャン・ウーロン、
そしてラスボスであるロー・リエを誘い出して見晴らしの良い丘で一対一の決着をつける、、、というのが大体の大筋となっています。
一応、家族を惨殺された主人公が、復讐を果たすまでを描いた王道の復讐物語にはなっていますが、見せ場は勿論、各房の奇抜な訓練法で、
直ぐに楽を選ぼうとする若者が、厳しい指導と訓練を重ねる事で、人々の尊敬を集めるような立派な人物となって行くまでの過程をメインで描いた一人の青年の成長物語となってます。
演じるリュー・チャーフィーのアクションのキレが凄まじく、力強いアクションがセットを所狭しと駆け抜けます。
時間の関係で勿論三十五房すべてが描かれるわけではありませんが、足腰のバランスを鍛える平衡房や、
腕の力を鍛える劈力房、手首の力を鍛える腕力房、視覚的な反射神経を鍛える眼力房、頭部を鍛える頭力房等、
バラエティに富んだ訓練房が次々に登場し、娯楽要素とスポ根要素を高めていきます。
そのメインである訓練シーンが中盤にあるために、物語上の最大の目的であるラスボスとの激突が、本来それだけで2時間ぐらいかかりそうな所を20分程でまとめられているので、
クライマックスが、かなり駆け足気味になってしまうのは少々残念ですが、それでも、後半も素晴らしいアクション満載の緊迫感溢れるシーンばかりとなっていて、
全体を通して熱いカンフーアクションシーン満載の、これぞ、カンフー映画とも言える傑作となっています。
という事で、その後のカンフー映画や、クェンティン・タランティーノをはじめとする多くの人々に影響を与えた、
カンフー映画史上に残る名作となっていますので、カンフーアクション映画好きの方等、機会がありましたら是非ご鑑賞してみてください。
面白いですよ。
作品情報
1977年製作 香港製作 カンフーアクション
監督・武術指導 ラウ・カーリョン
出演 リュー・チャーフィー、ロー・リエ、ラウ・カーウィン、トン・ワイセン、チャン・ウーロン、リー・ホイサン、ユエン・シャオティエン、ワン・ユー、チョイ・シウキョン、シャオ・ホウ、ハン・クォチョイ、ウォン・ハー、チン・ユッサーン、チャン・ロン、ホワ・ルン
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