サンクスギビング(THANKSGIVING)106分

投稿者: | 2024年4月25日

おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆

タランティーノ監督の(グラインドハウス)内のフェイク予告編(感謝祭)をイーライ・ロス監督本人が映画化した殺人鬼が人々を恐怖に陥れるスラッシャーホラー!!

作品紹介

2023年12月29日

今回ご紹介する作品は、イーライ・ロス監督によるスラッシャーホラー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

感謝祭発祥の地、マサチューセッツ州プリマスで、ダイナー勤務のウエイトレスの女性が惨殺死体で見つかった。

しかし、その事件は、それだけでは終わらず、その後も、ある出来事の関係者が次々と殺害され、住民達を恐怖の底に落としていく。

高校生ジェシカは、ジョン・ガーヴァーを名乗るその殺人鬼が投稿しているインスタグラムに、自分達グループの名前がタグ付けされている事に気付き、事件の真相に迫っていくのだった!?

監督は、(キャビンフィーバー)や(ホステル)等のイーライ・ロスで、久々にホラー作品の監督として、

原点回帰とも言えるグロ目のスラッシャーホラーにコメディ色を混ぜた独特の雰囲気の世界観を描いています。

イーライ・ロス

主人公役には、(The Marijuana Conspiracy)やディズニーのドラマシリーズ(ビッグショット!)等のネル・ベルラークが登場し、

どっちつかずの三角関係と殺人鬼の間で右往左往します。

ネル・ベルラーク

で、主人公初登場時の恋人役で、ドラマシリーズの(スーパーガール)や(ヘンリーデンジャー)等のジェイレン・トーマス・ブルッグスが登場し、

事件によって挫折を味わう少々ミステリアスな役柄を演じています。

ジェイレン・トーマス・ブルッグス

で、主人公の中盤以降の恋人役で、(ゾンビーズ)シリーズや、(プロムの約束)等のマイロ・マンハイムが登場し、

気弱なオタク系の役柄かと思いきやイヤミ系の役柄に変に昇格して行く役柄を演じています。

マイロ・マンハイム

で、主人公の友人役で、(ヒーズ・オール・ザット)等のアディソン・レイが登場し、危なっかしく殺人鬼と渡り合っていきます。

アディソン・レイ

で、主人公の父親役で、(リーサルウェポン4)や(陰謀のセオリー)等のリック・ホフマンが登場し、主人公と新しい嫁の間で板挟みなる、マーケットの経営者を演じています。

リック・ホフマン

で、主人公の親族の一人役で、(バウンド)や(フェイスオフ)等のジーナ・ガーションが登場し、冒頭で早速事件に遭遇してしまいます。

ジーナ・ガーション

で、事件に対処する保安官役で、(きっと忘れない)や(スクリーム3)等のパトリック・デンプシーが登場し、優しい目線で、若者達を見守る役柄を演じています。

パトリック・デンプシー

そんな、スタッフ・キャストが製作した本作の物語は、ある感謝祭の夜、主人公ジェシカと恋人ボビーは、

ジェシカの親族で集まった感謝祭のホームパーティに参加し、そこに独身の保安官パトリック・デンプシー等、親しい人々も集まるシーンから始まります。

皆が仕事を休む日ではありますが、そんな中でもスーパーマーケット(ライトマート)を経営するジェシカの父リック・ホフマンは、感謝祭セールを実施し、

現地では、その目玉商品であるワッフルメーカーを求めて、物凄い数の長蛇の列ができていて、並んでいる人々の間では、

開店の0時を前に一触即発のピリピリした状態が続いている、という、いきなりの緊迫感満載の状況から物語は本題へ突入していきます。

で、その状態でも、何かの揉め事がすぐにでも起こりそうですが、その張り詰めた状況の中、ホラー作品にありがちな奔放過ぎる若者(主人公達)が登場し、

あろうことか、ジェシカの特権で裏口から入店し、外で一触即発状態で長い間待っている買い物客から見える位置で、

先に店内に入って商品を物色している姿を、わざわざ感情を煽るように見せつけます。

で、当然キレまくった買い物客たちは、暴徒と化し、

【ワッフルメーカー】

を求めて暴れまわって、その煽りを食って死傷者まで出てしまう、という大事件にまで発展してしまいます。

で、その騒動から一年後、あるダイナーウェイトレスが惨殺死体となって発見される事で事件はいよいよスラッシャー展開に突入していきます。

その女性は、事件当時、暴徒の先頭にいた女性で、かなり高慢な態度で、主人公達にも食って掛かるほど強烈な個性の持ち主で、その後続く連続殺人事件の第一被害者となってしまいます。

で、その次に犠牲になるのは、スーパーマーケットの警備員で、事件当時は、暴徒を抑えることもできず、結果的に対処できずに死傷者を出してしまう警備面での責任者だった事が分かります。

で、何者かが引き起こしているこの連続殺人事件、ひっそりと事件の関係者を襲っているというよりも、

その模様をSNSを通じて主人公達に送りつけてくる、という異常ぶりで、暴動を引き起こした張本人達を少しづつ追い詰めていき、

一人、また一人と暴動に責任のある者達が襲われていく、、、、、、、

、、、、というのが、大体の大筋となっています。

物語展開自体は、スラッシャーホラーに良くある展開で、過去に調子に乗って過ちを犯してしまった若者グループが、

その事件の被害者の恨みをかい、一人づつ復讐されていく、という王道展開に、(13日の金曜日)や(スクリーム)等の

仮面を被った正体不明の殺人鬼の残酷ショーを見せ場としながら、正体は誰だ?的なミステリーも加味して行く、というサスペンス要素のあるスラッシャーホラーとなっています。

正直、犯人に関しては、多くの人が予測がついてしまうとは思われますが、どちらかというと、犯人探し自体は味付け的な要素で、

特徴的な仮面を被った殺人鬼による多彩なスラッシャーシーンが見所の作品となっています。

ただ、本作、シリアスとみせかけてコメディ的な要素をかなり含んだ世界観となっていますので、ワッフルメーカーのためだけに他人に暴力を振るう暴徒の描写や、

それによって、まさかの死者まで出てしまうぐらいのやり過ぎ感や、あえてちょっとしたチープ感を伴うバランスのグロ描写、

他の作品では見かけないような、しかもちょっと笑いの伴うスラッシャー展開等、イーライ・ロス監督のセンスが光る見せ場となっています。

主人公達はいたって真面目に事件に対処しながらも、笑える要素があり、しかも完全なコメディホラーという感じでもありませんので、

残酷要素を一皮剥けば笑いが隠れている、という絶妙なバランス感覚という感じでしょうか。

ただ、正直、超個人的には、事件とはそんなに関係ありませんが、主人公の前半と後半で彼氏が変わっているのに、はっきりしない思わせぶりな態度や、

両方をもて遊んでいるようにしか見えない状況が非常に気になり、さらに彼氏役二人のキャラクターも簡単には感情移入できないようなキャラクターで、

友人達のキャラクターも含めて、懺悔や成長が一切描かれませんので、仕出かした調子ノリが、調子ノリのまま終幕を迎える、というのが鑑賞していてちょっとしっくりきませんでした。

ただ、見方を変えて殺人鬼側が主役と考え、

調子ノリに制裁を加えるためにやって来た、悪の中の善人スティーヴン・セガ・・・

と考えて鑑賞すると、割としっくりくる内容となっています。

この調子でいけば、続編製作も期待できそうですので、ジョン・ガーヴァーVSゴーストマスクや、ジョン・ガーヴァーVSジェイソン

ジョン・ガーヴァーVSスティーヴン・セガール

なんかも面白そうですね。

邦題は(沈黙の感謝祭 )なんかどうでしょうか。

という事で、イーライ・ロス監督の原点とも言える、スラッシャーホラー作品となっていますので、ホラー好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2023年製作 アメリカ製作 スラッシャーホラー

監督・製作・原案 イーライ・ロス

出演 パトリック・デンプシー、アディソン・レイ、マイロ・マンハイム、ジェイレン・トーマス・ブルッグス、ネル・べルラーク、リック・ホフマン、ジーナ・ガーション

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