おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
SNSで流行する【90秒憑依チャレンジ】にのめり込んだ事から、思わぬ事態に陥っていく女子高生を描き、A24が北米配給権を獲得した今風、オカルトホラー!!
作品紹介
2023年12月22日公開
奇抜な設定の降霊会を描いた今風のオカルトホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
2年前に亡くなった母の死と向き合えずにいた女子高生のミアは、気分転換のためにSNSで話題の「90秒憑依チャレンジ」のパーティに誘われ、
自分自身も経験してみると、強烈なスリルと爽快感を感じ、以降仲間達とともに、チャレンジを繰り返すことになるが、
ある時、そのチャレンジのルールを破ってしまった事で、思いもよらない事態に陥ってしまうのだった!?
監督は、人気youtubeチャンネル【RackaRacka(ラッカラッカ)】を運営する双子の兄弟監督ダニエル・フェリッポウとマイケル・フェリッポウで、
奇抜な設定とSNS時代を物語展開に積極的に取り入れた今風の物語世界を創造しています。
主人公の高校生役で、(The Portable Door)や、ドラマシリーズ(エヴリシングナウ!)等のソフィー・ワイルドが登場し、
母を亡くした消失感に苛まれる繊細な主人公をえ演じています。
で、主人公の親友役で、ドラマシリーズ(My Life Is Murder)や(Joe vs. Carole)等のアレクサンドラ・ジェンセンが登場し、
主人公と寄り添いつつ、ある出来事に遭遇していく事になります。
で、アレクサンドラの母親役で、(ロード・オブ・ザ・リング)シリーズや、(宇宙戦争)等のミランダ・オットーが登場し、
落ち着いた雰囲気で、物語に深みを与えてきます。
という、フレッシュなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、2年前に母親を亡くし、その死と向き合えずにいたソフィー・ワイルド演じる高校生ミアが、
家族ぐるみで世話になっている親友に誘われて、SNSで話題になっている【90秒間憑依チャレンジ】を行うパーティに参加するシーンから始まります。
で、この【90秒間憑依チャレンジ】とは、呪われた手の形をした置物を握って、『トーク・トゥ・ミー』と唱えると、
その人物にのみ霊の姿を見ることが出来、『レット・ユー・イン』と唱えると、その霊が憑依する、という変則的な(こっくりさん)のような降霊術で、
どういうわけか90秒以内に手を放して、灯している蝋燭の火を吹き消せば、問題なく霊は消える、という、スリリング過ぎる憑依ゲームとなっています。
何故そうなる?の部分は説明されませんので、恐らく続編以降で、語られるのではないでしょうか。
で、さらに憑依されると何故かハイになる、という非常に現代っぽい味付けが加えられていますので、若者達はドラッグのようにのめり込んで行くことになってしまいます。
で、そのチャレンジを行う事が目的のパーティなので、主人公のミアは、気分転換のためにそのゲームに挑戦してみる事になります。
そうすると、おじいさんの霊が本当に表れて、憑依され、ルール通りに憑依されると、母の死以来、落ち込みっぱなしだった気分が、
一挙に満たされるような爽快感を感じ、その憑依ゲームにのめり込んで行く事になります。
ただ、勿論、降霊会を開いて、そのままで済むはずもなく、お馴染みのメンバーが繰り返し憑依にチャレンジしていく中で、
メンバーの内の一人がチャレンジした際に、ミアに非常に親しみのある霊が憑依してしまいます。
どうしても、また話がしたかったその霊の突然の来訪に、戸惑ったミアは、どうしても、もっと話がしたくて、
90秒間というルールを破って、その霊を引き留めてしまいます。
で、初めてルールを破った事で、チャレンジを行っていたそのメンバーに何か邪悪な霊が憑りつき、、、、
、、という感じで、ハイになりたくて調子に乗っていた若者達が、手痛いしっぺ返しを食らっていく、というのが後半にかけての大筋となっています。
物語の大筋自体は、降霊会系のオカルトホラー作品に共通するような流れで、調子乗りからのしっぺ返し、というオーソドックスな展開になるのですが、
やはり、本作の一番の見所としては、
降霊会+憑依させる+手の置物を握る+90秒間限定=ハイ、
という面白みのある設定で、チャレンジ後のハイの部分があるために、若者達がどんどん自ら望んで霊を招いてしまう
という設定が上手く物語展開に活かされた、これまでの同系列の作品には無かった、非常に現代風な内容の作品となっています。
そこに、その現場をスマホで撮影して動画を拡散する、というSNS等の要素も加えて、作品世界の中での流行に敏感な若者達の間で話題性が広がっているために、
若者達も大して危機感を感じる事なく、気軽に危険な憑依ゲームにハマっていく、という調子乗り度合いを高める要素も加わっています。
ただ、本作、前半の若者達の調子乗り展開が非常に長く、しっぺ返し展開に突入するまでに40分以上ずっと調子に乗りまくっていて、
そこからのしっぺ返し展開に入ると、急激にテンポが落ち着きますので、いよいよやって来た邪悪な存在との対峙編で、少々停滞感を感じる結果となってしまいます。
さらに、本作、A24製作作品ではありませんが、A24作品っぽさを意識しながら製作されていたようで、(ミッドサマー)(詳しくはこちら)や、
(ヘレディタリー継承)等の、不快感を煽るような人物描写や展開にもなったりしますので、主人公はトラブルメーカーぐらいに問題を起こしますし、
周りで調子に乗りまくっていた、本来しっぺ返しを食らうべきメンバーは、一人もしっぺ返しは喰らいません。
で、しっぺ返しをくらうべきではないようなキャラクターが酷い目に合う、という展開になって行きますので、
恐らく、好き嫌いがはっきりと分かれる内容となっています。
あえて登場人物に感情移入できる要素を排除しているような描き方ですので、極端に言うと、胸〇映画と感じる方もいるのではないでしょうか。
それでも、やはり設定自体はやはり素晴らしく、その設定を上手く活かしたエンディングに至るまで、設定と物語が上手くシンクロした作品となっていますので、
オカルトホラー好きの方や、A24系作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2023年製作 オーストラリア ホラー
監督・製作総指揮 ダニエル・フェリッポウ、マイケル・フェリッポウ
出演 ソフィー・ワイルド、アレクサンドラ・ジェンセン、ミランダ・オットー、ジョー・バード、オーティス・ダンジ
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