おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
日本が誇る伝説的少年コミックを、アメリカ・日本合作で実写映画化した超人達の戦いを描いたSFバトルアクション!!
作品紹介
2023年4月28日公開
今回ご紹介する作品は、日本の伝説的少年漫画をアメリカと日本合作で製作したSFバトルアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
スラム街の地下格闘技で日銭を稼ぐ青年・星矢は、ある日の試合中に、不思議な力を発揮し、それが原因で謎の集団に追われる身となってしまう。
そして、自身の体に小宇宙(コスモ)という力が秘められている事を知った星矢は、自身の運命を受け入れ、厳しい修行を重ねて行く!?
監督は、ドラマシリーズ(ウィッチャー)で製作総指揮等を務めているトメック・バギンスキーで、いきなり本作で監督を務めています。
主演の星矢役は、ドラマシリーズの(ワンピース)や(るろうに剣心 最終章 THE FINAL)や、ハリウッド作品(パシフィックリム アップライジング)等の新田真剣佑で、
本作でも、漫画・アニメのキャラクターを演じています。
で、主人公が守るべき少女役で、(ジュマンジ ネクストレベル)(詳しくはこちら)や(アナベル死霊博物館)等のマディソン・アイズマンが登場し、
表情豊かに女神の生まれ変わりの少女を演じています。
で、そのアテナの育ての父親役で、(サイレントヒル)シリーズや、(フライトプラン)等のショーン・ビーンが登場し、
流石の安定感で、作品世界を掘り下げています。
で、アテナの育ての母親ながらも、逆に抹殺しようと挑んでくる大ボス役で、(Xメン)シリーズのジーン・グレイ役や、(ザ・ビースト)(詳しくはこちら)等の
ファムケ・ヤンセンが登場し、主人公達に迫ります。
で、ショーン・ビーンの部下役で、(クライングフリーマン)や(ジョンウィックパラベラム)等のアクションスター、マーク・ダカスコスが登場し、
要所でアクションも披露して主人公達をサポートしていきます。
で、役名はネロ、と変わっているものの、原作での重要なキャラクターの一人役で、(K‐9 L.A.大捜査線)やドラマシリーズの(ティーンウルフ)等の
デイェゴ・ティノコが登場し、主人公に襲い掛かります。
で、小物ながらも、主人公にやたらと挑みたがる役柄で、(ターミエーター3)や(シンシティ)シリーズの
ニック・スタールが登場し、星矢に果敢に挑みます。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、神話の時代から女神アテナを守るために聖闘士が命を懸けて戦い抜き、
人間の赤ちゃんとして生まれ変わった女神が現代に蘇る、という本作の世界観を理解するために必要な要素を、
数分のCG映像とナレーションで済ませてしまい、いきなり主人公である星矢が、地下格闘試合で戦っているシーンから唐突に本題に入っていきます。
本作が原作好きの方からも、原作を知らない方からもイマイチ受け入れられない点が、まさにこの点かと思われます。
実写化という事で、漫画やアニメの世界観を、ある程度リアルな世界観に置き換える、というのは必要だと思われますが、
リアルな世界観にしようとしている割には、ある程度原作に触れて理解していないと分からないような物語世界の設定の説明を、映像や物語展開で描こうとはせずに、
いきなり【アテナ】、【セイント】、【コスモ】等の神話を基にした本作独自の設定が、皆が知っている事のように登場しますので、
アテナ女神が、どういう存在で、何故、セイントたちは女神を守るのか?コスモ小宇宙という力は、どういう力なのか?そもそもセイントって何?人間?
という当然沸き起こる疑問も、勿論説明される事はなく、いきなり本題へと突入してしまいます。
で、いきなり場面は変わって、主人公が地下格闘試合の最中にコスモの片鱗を見せたので、謎の集団に追われる身となり、
善と悪の集団の争いに巻き込まれていく、、、、、という感じで、コスモの説明自体が足りなさ過ぎるのに、
それが原因で、説明不足の集団に狙われて、説明不足の戦いに巻き込まれていきますので、終始なんとなく分かったような、分からないような物語がずっと続いていくような感覚に陥ってしまいます。
同じような独特な世界観のSF作品で例えるなら(スターウォーズ)シリーズの(ジェダイの復讐)からいきなり鑑賞している感じでしょうか。
未熟な主人公が、どういう生い立ちで、どのような生活を送っていて、、、という説明から入って、フォースやジェダイの説明、その世界の善と悪の説明等、
独特の世界観をしっかりと時間を掛けて説明したからこそ、後半にかけての戦いが盛り上がるわけで、
本作では、その大事な世界観の説明をドラマシリーズの【前回のあらすじは、、、】的な、ナレーションと少しの映像で済ませてしまう、というお手軽感で速攻で本題に入ってしまいますので、
物語の世界観には、なかなか入り込めずに、さらに、主人公も終始表情を変えずに平気そうにしていますので、
絶体絶命のシーンでも危機感を感じない、を繰り返しているうちに、段々と作品自体への興味が無くなっていく、という結果になるかと思われます。
個人的に、途中まではコミックスを読んでいたので、大体の世界観を知っている上で鑑賞しましたが、
それでも、常識ではありえない世界観の物語を、常識のように物語を進められてしまいますので、原作との違いも含めて、混乱するような作品世界となっています。
さらに本作を独特にしているのは、神話から始まる地球規模の壮大な物語なのに、主人公周りしか描かかれないので、
奥行きがなく、CGで描かれる世界が、極端に言うと、全て誰かの夢の中の世界かのように、全く現実感を帯びていません。
リアルな実写映画のはずが、何故かふわふわした印象の世界観となっています。
その割には、主人公を追う悪の軍団の兵士は、ハイテクサイボーグのような(ファンタジーではなく)現実的な表現となっていますので、
そういう点でもリアルとファンタジーのバランスがいまいち掴みにくい作品世界となっています。
ですので、CG表現や、アクションシーン等素晴らしい点も多いのですが、アンバランスな世界観に入りり混めずに、
原作ファンの方も、原作を知らない方も、豪華なアクションCG映像集を見ている、という感覚になるのかと思われます。
それと、10代の未熟な少年が、戦いの中で成長していき、大きな目的の一つである姉と再会を果たす頃には、
ある程度立派な男に成長している、という原作の重要な成長物語の要素を、完全な大人が演じてしまう、
というキャスティングも、いまいち感情移入しにくい要因となってしまっているのではないでしょうか。
まだまだ未成熟なアテナと並ぶと、余計に大人感が増してしまいます。
主役を演じた新田真剣佑は、ハンサム且つアクションのキレも素晴らしく、しかも衣服を脱ぐとバキバキの肉体美というハイポテンシャルな主演俳優だと思われますが、
どちらかというと、本作のような激動の人生を辿り、喜怒哀楽の激しい少年漫画のヒーロー役よりは、冷静に主人公を追い詰めるような敵役等で持ち味を発揮するタイプなのではないでしょうか。
という感じで、色々とツッコミ所の多い作品なので、本作が面白くないのか、というとそうでもなく、アクション自体は見所一杯ですし、
(クライングフリーマン)以来の東映作品出演となるマーク・ダカスコスの存在感のあるサポートぶりと、ちょっとしたアクション、
(ターミネーター3)で【ジョン・コナーはコレジャナイ】と皆に嫌われてしまったニック・スタールの調度良い子悪党ぶり、
そして、ジーン・グレイそのままなファムケ・ヤンセンの暴走ぶり、さらに、後半登場する、星矢の宿敵となりそうなもう一人のセイントの出現、
と見所もしっかり存在し、二作目以降で、まだまだ軌道修正できそうな要素も沢山ありますので、次回作が製作されれば、期待もできるのではないでしょうか。
という事で、序章、という事で、戦い始めた段階なので、ほとんど物語は進んでいませんが、アクションやCG映像等、
見所もある作品となっていますので、アクション映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2023年製作 アメリカ・日本製作 SFアクション
監督 トメック・バギンスキー 原作 車田正美
出演 新田 真剣佑、ファムケ・ヤンセン、ショーン・ビーン、マーク・ダカスコス、ニック・スタール、ディエゴ・ティノコ、マディソン・アイズマン
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