おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
クライヴ・バーカー原作の人気ホラーシリーズを、新たなスタッフ・キャストで描き直した、秀作リメイク作品!!
作品紹介
日本劇場未公開 配信専用作品
今回ご紹介する作品は、過去シリーズ10作製作された人気ホラーシリーズのリメイク作品です。
それでは、まずはあらすじから、
薬物依存に悩むライリーは、弟マットと口論となり、居候していたアパートを飛び出し、ボーイフレンドであるトレバーの自宅へと転がり込んだ。
そして、生活費を稼ぐため、トレバーの誘いで、ある富豪の邸宅に忍び込み、金庫の中から、何かの箱を盗み出す。
価値がはっきりしないその箱は、パズルのような形状をしていて、パズルに挑戦してみるライリーだったが、
突然刃物のような突起が飛び出し、偶然弟のマットの手の平を傷つけてしまう。
痛みに耐えるマットだったが、突然周りの世界は歪みだし、異形の者が現れ、マットに襲い掛かるのだった!?
伝説的な人気ホラーシリーズのリメイク作品です。
監督は、(VHSシンドローム)や、(ナイトハウス)、(サウスバウンド)(詳しくはこちら)等のデビッド・ブルックナーで、
伝説の名作をリスペクトしつつも、新しい世界観を構築しています。
薬物依存に悩む主人公役には、(The Inhabitant)等の主演作品のあるオデッサ・アジオンで、精神的に追い込まれながら、
魔導士たちと対峙していくキャラクターを好演しています。
で、弟の彼氏役で、後半主人公と共に事件に挑む役柄で、(エージェント・オブ・シールド)等のアダム・フェイソンが登場し、主人公以上に優しすぎるキャラクターを好演しています。
で、主人公のボーイフレンド且つ、コソ泥役で、(アメリカンアニマルズ)や(ラブ・サイモン)等のドリュー・スターキーが登場し、
物語をややこしい方向へ導いていくトラブルメーカーを演じています。
で、主人公を想う弟役で、配信専用のドラマシリーズ(ラチェッド)等のブランドン・フリンが、冒頭のみですが登場し、
主人公を助けようとするあまり、地獄の世界に入ってしまう青年を好演しています。
で、冒頭で、パズルボックスを求める富豪役で、(ドラゴンタトゥーの女)や(人生はビギナーズ)等のゴラン・ビシュニックが登場し、
欲望を求め続けて、究極の領域まで陥ってしまう権力者を憎々しく演じています。
で、本作のある意味主演という捉え方もできる女性魔導士ピンヘッド役で、(ネオンデーモン)や(スノーマン)等のジェイミー・クレイトンが登場し、
冷酷に登場人物を地獄に誘っていきます。
という、新世代のスタッフ・キャストが結集した本作の物語は、オデッサ・アジオン演じる薬物依存症のライリーが、
真面目な生活が上手くいかずに、自分を心配してくれている弟や、その仲間達を振り切って、居候させてもらっていたアパートを飛び出して、
ボーイフレンドのアパートに転がり込むところから始まります。
で、このボーイフレンドは、コソ泥気質があって、仕事で荷物を届けた先の豪邸が、長い間人気が無く、
その建物のオートロックの解除コードを記憶している、という事で、ライリーを誘い、その豪邸に盗みに入る事で、抜けられな地獄への道を進んでいく事になります。
で、その屋敷には、金庫があり、その中に箱に収められた不思議なパズルボックスを発見します。
で、とりあず、苦労して侵入した割には、その箱一つだけなので、持って帰り、高価な物ならお金に変えるという計画で、一旦自宅に持って帰ります。
で、その間にも弟とその仲間達は、ライリーの事を心配してくれているのですが、どうしても上手くいかないライリー自身は、
自暴自棄になり、また薬に手を出してしまい、幻覚に揺らぎだします。
そこへ、真面目な弟君が登場し、なんとか連れて帰ろうとしますが、直前にライリーがパズルボックスをいじっていたため、
パズルボックスが動き出し、動き終わった後に仕掛けで、ナイフの刃のような突起が飛び出し、弟君を傷つけてしまいます。
で、その後、意識を取り戻したライリーは、悲鳴と共に忽然と姿を消してしまった弟君を取り戻すために、パズルボックスの謎に挑む、というのがメイン展開となっていきます。
本作が製作されるまでの10作のシリーズの内、後半シリーズを製作していたディメンションフィルムズ作品は、
回を重ねるごとにB級、C級的なグロ要素がメインの、格調高い雰囲気に満ちていた初期のシリーズ作とは比較にならない完成度になってしまっていましたが、
製作会社も他社に映り、製作にも原作者で、1作目の監督でもあるクライヴ・バーカー本人や、(ダークナイト)シリーズ等の大物、デビッド・S・ゴイヤーの参加、
そして時代に合わせて配信専用作品として製作する、という色んな意味での変身を遂げて、今の時代に合った、内容へとリブートされた内容となっています。
それでも、勿論オリジナルへのリスペクトは忘れず、お馴染みのキャラクター、ピンヘッドを、ほとんど雰囲気そのままに、女性キャラクターに変更したり、
中盤以降は、盛り上がるシーンで、オリジナルで印象的に流れていたクリストファー・ヤング作曲のテーマ音楽が流れる、というリスペクトぶりで、
複数の若者達が次々に被害に合うという、近年のスラッシャーホラー的な現代風の要素も融合して本家を思わせる雰囲気に満ちた物語が語られていきます。
特に、パズルを解く度に、その形に色んな意味があり、最終的にパズルを解いた時に訪れる出来事の設定や、主人公の選択、
クライマックスで描かれる、魔導士たちの誕生の瞬間等、これまで、多くのシリーズを重ねてきたからこその、設定を活かした本作独自の展開等、
ホラー映画を愛するデビッド・ブルックナー監督のホラー映画愛を感じる新世代ホラー作品となっています。
終始静かな雰囲気ながらも、逃れられない地獄の道を垣間見るような、恐ろしい雰囲気に満ちた秀作となっていますので、
ホラー映画好きの方や、シリーズを途中で離脱してしまった方等、楽しめる内容となっていますので、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
ただ、本作、主人公が、どうにも感情移入できないキャラクター(自分のせいで、善良な周りの人を次々に破滅させていくタイプ)なので、その部分で賛否が分かれてしまいそうですが、、、。
でも、次回作にも期待したくなるような内容になっていますよ。
あと、hulu製作作品なのに、日本のhuluでは配信されずに、他の配信サービスのみで配信されるのは大人の事情でしょうか、、、?
作品情報
2022年製作 アメリカ製作 ホラー
監督 デヴィッド・ブルックナー 製作・原作 クライヴ・バーカー 製作 デビッド・S・ゴイヤー
出演 オデッサ・アジオン、ジェイミー・クレイトン、アダム・フェイソン、ドリュー・スターキー、ブランドン・フリン、ゴラン・ビシュニック
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