おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
スマイルによって継承される呪いを解くために、ケビン・ベーコンの娘ソシー・ベーコン演じる女性精神科医が奔走する、予想の上を越えるゾクっとする恐怖満載のショッキングホラー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、呪いをかけられた精神科医の深層心理に迫ったサスペンスホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
精神科医のローズは、緊急で運ばれてきた女学生ローラのカウンセリングを担当するが、ローラはひどく怯えた様子で、
やがて突然錯乱し、不気味な笑顔を浮かべたまま、ローズの前で自ら命を絶ってしまうのだった。
それ以来、ローズの周りでは、奇妙な出来事が頻発し始め、何か邪悪な気配を感じるのだった!?
ある呪いに取り憑かれた精神科医の恐怖を描いたホラー作品です。
監督は、本作が初長編作品となるパーカー・フィンで、2020年に自身が制作した短編映画(ローラは眠れない)を長編映画化した作品となっています。
主人公の精神科医役で、ケビン・ベーコンの娘であり、(チャーリー・セズ マンソンの女たち)、(ラストサマー この夏の先に)等に出演しているソシー・ベーコンが登場し、
前半の落ち着いた演技から、後半にかけての追い込まれた演技まで、作品の緊迫感を盛り上げていきます。
で、主人公の夫役で、(インディペンデンスデイ リサージェンス)や(シャフト)等のジェシー・アッシャーが登場し、
落ち着いた雰囲気ながらも、自分の人生計画に忠実な夫を演じています。
で、後半、主人公のほとんどバディと化していく刑事の元カレ役で、(バトルインフェルノ)(詳しくはこちら)や、
リメイク版の(エルム街の悪夢)等のカイル・ガルナーが登場し、主人公をサポートしていきます。
で、途中助けを求める精神科医役で、(スキャンダル)や(完全なるチェックメイト)等のロビン・ワイガードが登場し、
追い詰められた主人公を手助けしていきます。
で、本作のジャケットイラストの人物で、冒頭で主人公に呪いを継承させてしまう役柄で、(オールチアリーダーズダイ)や、
(エビデンス全滅)(詳しくはこちら)等のケイトリン・ステイシーが登場し、いきなりゾクっとする恐怖で恐怖感を盛り上げていきます。
で、本作は、実は原型となったパーカー・フィン監督の短編(ローラは眠れない)の長編版でもあり、
続編でもある、という続いた物語になっていて、ケイトリン・ステイシーはその短編でも本作と同じローラ役を演じて、
そちらでは、主人公として自分にしか見えない存在と戦う、という事件の発端となる物語が描かれています。
で、その悪夢に悩まされている主人公ローラが、その後の物語となる本作の冒頭に登場し、本作の主人公ローズへと呪いを引き継がせてしまう、
という橋渡し的な、物語世界的には、実は重要な人物となっています。
で、そのローラが救急で運ばれてきた病院に精神科医として勤める本作の主人公ローズは、ローラから自分自身にしか見えない何かが見える、
と訴えられ、かなり追い込まれた精神状態なので、なんとか精神科医として落ち着かせようとしますが、ローラの状態はどんどんひどくなっていき、
ついに絶叫とともに、意識を失ったかと思うと、突然不気味すぎる笑みと共に自分で自身の命を絶ってしまいます。
非常にショッキングな始まりですが、その出来事以来、ローズは自身の周りに何かの気配を感じ始め、やがて過去の自身に起きた精神的な苦痛を伴う出来事を思い出し、
その過去に悩まされながら、自分自身に降りかかっている出来事に対処しようと苦闘していく、というのがメイン展開となっています。
大きな流れとしては、自身に掛けられた呪いを解くために、その呪いの本質と解決法を模索していく、という
(ザ・リング)や(イットフォローズ)、(トゥルース・オア・デア)等と同系列の、物語展開ですが、
本作独自の特徴としては、やはりタイトルにもなっている呪いを伝承する方法が、スマイル、という非常に日常的なきっかけで、
スマイルだけ(色んな視覚効果もありますが)をメインに恐怖描写を盛り上げる、という、なかなかありそうでなかった恐怖表現で、作品世界を掘り下げています。
これが、とてもシンプルな方法ですが、それだけに非常にコワイです。
この恐怖感の煽り方と、キャストの名演で、他の作品では味わえないような瞬間的にゾクっとする、背筋が凍るような感覚を味わう事になります。
さらに、同系列の作品の中でも、このゾクっと感が突出していて、ホラー好きの方ですと、他の作品等から次に迫る恐怖シーンを自然と予測してしまいますが、
本作は、その観ている側の恐怖の予測を上手く、ずらした上で、しっかりと越えてきます。
それでいて的外れというわけでも、突飛な感じでもありませんので、こういったジャンルのホラー作品を、
多く鑑賞してる方でも、しっかりと恐怖シーンの度に、ゾクっとした恐怖を味わう事ができる内容となっています。
また、ソシー・ベーコンの順風満帆な落ち着いた精神科医としての前半から、呪いに追い詰められ、自身が逆に患者とも言える状態に陥ってく後半にかけての変化が素晴らしく、
例によって、主張しても周りは一切信じてくれない、というホラー映画あるある展開へと陥る流れを、迫真の演技で盛り上げていきます。
さらに、前半ではサイコサスペンス的な描かれ方がされていますが、後半はその謎の存在も、はっきりと画面に映りだし、
最終的にどのようにして死に至らしめているのか?という映像表現もしっかりと描かれますので、ある程度モンスターホラー的な見せ場も増えていき、
クライマックスでは、しっかりとホラー映画あるあるな終幕となっていきますので、これからのシリーズ展開にも期待できそうです。
ただ、個人的に少し残念だったのは、物語中、数名のキャストが披露するゾクっとするスマイルですが、
それぞれ恐怖を感じはするのですが、冒頭のケイトリン・ステイシーの恐怖を越えるスマイルが登場しない点ですが、
これは逆に言うと、ケイトリン・ステイシーの怖い笑顔が、ポスターイラストに採用される程に突出した恐怖感を感じさせ、
その恐怖笑顔が、文字通り本作の顔(メインビジュアル)だと言えるかと思われますので、スマイル的な恐怖は、導入部がマックスとなっています。(個人差はありそうですが、、)
それにしても、何度観ても怖いですね、、。
という事で、多くの方がゾクっとした恐怖を味わえる作品となっていますので、ホラー好きの方や、サスペンス好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みに、本作も米国で劇場公開された大ヒット作なのに、日本では配信(DVDリリース)スルーという不遇な作品で、この先映画館は大丈夫か?と思ってしまいます。
ただ、米国でも、当初は配信専用作品として製作していたようで、テスト試写の反応が、あまりに良かったので予定を変更して劇場公開した、という経緯があるようなので、
一応、日本でのリリース方法は、当初の予定通りにはなっているようですが、、、。
作品情報
2022年製作 アメリカ製作 ホラー
監督・脚本 パーカー・フィン
出演 ソシー・ベーコン、ジェシー・アッシャー、カイル・ガルナー、ケイトリン・ステイシー、ロビン・ワイガード
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