おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
日本の人気アイドル少女隊が、少女隊役で登場し、悪人に誘拐されて大事件に巻き込まれる意外と娯楽要素の高いアクションコメディ!!歌も2曲まるまる収録されています!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、日本の人気アイドル少女隊が、香港映画に出演したアイドル映画的なアクションコメディです。
それではまずはあらすじから、
日本から人気アイドル少女隊が、香港にやって来た。
エージェント会社の社長マクは、早速ミュージックビデオの撮影等を進めて、プロモーション活動を行う。
そして、撮影を終えた少女隊は、香港観光を楽しむが、その最中に、悪党グループによって誘拐されてしまうのだった。
使い走りの青年ホンが、監禁している3人の監視役を任されるが、やがてホンと安原麗子は、お互いに惹かれ合っていく、、。
少女隊が香港で誘拐事件に巻き込まれるアクションコメディ作品です。
監督は日本の青山知可子主演のセクシーアクション(バストロイド)や、(功夫食神)等のロク・キンミン(ジェイミー・ロク)で、
アイドル映画でありながらも、後半、香港映画らしい怒涛のアクション展開を演出し、少しですがゲスト出演も果たしています。
出演は勿論日本から少女隊(藍田美豊、安原麗子、)。
少女隊のアイドル映画ですので、当然一番目立ってはいますが、物語上は実は主役ではありませんので、
重要な登場人物、という感じでしょうか。
で、もう一人、日本からこちらも主役ではなく、物語上の重要な登場人物として山本陽一が登場し、少女隊と関りを持っていきます。
ただ、少女隊が少女隊役だったのに対し、こちらは山本陽一役ではないどころか、何故か現地の中国人青年ホン役、という微妙なキャスティングとなっています。
で、本来の主人公に近い役柄の、少女隊の中国人のマネージャー役で、チョウ・ユンファとジョイ・ウォン共演のコメディ(殺したい妻たちへ)や、
ツイ・ハーク監督の(ミッションポッシブル2)等のエリック・ヨンが登場し、
主演級の役柄のみでなく、脚本も担当して物語を引っ張っていきます。
で、もう一人、物語上のヒロイン的な位置で登場するのは、エリック・ヨンも出演している(殺したい妻たちへ)や、
ジャッキー・チェンの(レッドブロンクス)等に出演しているアナベル・ルイで、
香港側の映像制作会社の会社経営者且つ、ヒロインという若手にはできな役柄を好演しています。
で、事件を追う刑事役で、マギー・チャン主演の(ハートビート100)(詳しくはこちら)や、
(カンフーシェフ)、(マッスルモンク)、(追龍)(詳しくはこちら)等、
長年香港映画界で活躍し続けるチュン・ウォンが登場し、後半の物語を盛り上げていきます。
で、少女隊に張り付いて特ダネを狙う雑誌記者役で、アンソニー・ウォン主演の(黑社會檔案之黑金帝國)等のウイリアム・フーが登場し、物語を引っかき回していきます。
で、エリック・ヨンの助手としてメンバーに同行する青年役で、ロレッタ・リー主演のコメディ、(瘋狂遊戲)に出演しているソン・ミンクォンが登場し、
目立たないながらも、一緒に騒動に巻き込まれていきます。
で、悪党側の強面キャラで、チョウ・ユンファ主演の(狼 男たちの挽歌最終章)や(黒社会)、(ジョイ・ウォンの時空伝説)(詳しくはこちら)等、
ゴツイ容姿を売りにした役柄で有名なシン・フイオンが登場し、本作でも少女隊を追い詰めていきます。
そして、前半の少しだけですが、プロモーション会社の社員役で、後に(食神)、(喜劇王)、(少林サッカー)、(カンフーハッスル)(詳しくはこちら)と、
チャウ・シンチー作品の常連俳優となっていくティン・カイマンが登場し、コメディ部分を掘り下げていきます。
というスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、日本の人気アイドル少女隊(役柄も少女隊役)が、
イメージビデオを撮影したり、色々なプロモーションをする目的で、香港にやって来る、
という事で、香港側のエージェント会社が、少女隊の世話役として色んな業務を行う会議を行い、その業務全般をなんとなく【プロジェクトX】
と、ジャッキー主演作か、ドキュメンタリー番組のようなプロジェクト名を命名するところから始まります。
で、事前にインタビューを申し込もうと、売れない雑誌記者二人組がエージェント会社を訪れて申し込もうとしますが、
完全にスルーされてしまったので、腹いせに受付に置いてあった少女隊の【プロジェクトX】の資料をネコババするところから物語が展開していきます。
で、エージェント会社の責任者(多分社長っぽいです)であるアナベル・ルイ演じるミス・マクは、部下と共に香港空港まで少女隊を迎えに行きますが、
その少女隊のマネージャーというのが、実はアナベルの元カレ、エリック・ヨンで、婚約までいっていたものの、
日本行の件で喧嘩となり別れてしまった、という過去があり、その後少女隊を見出した(設定です)エリック・ヨンが、凱旋帰国的に香港に戻って来る、
という奇跡の偶然の再会を繰り広げる事となります。
で、香港空港に迎えに行くと凄い人だかりの中に混じって、雑誌記者二人組と、さらに怪しい二人組が陰から少女隊を見つめていますが、ここではまだ見つめているだけで問題は起こりません。
因みに、その中の一人が、若きシン・フイオンで、ロン毛が若さを際立たせています。
で、そんなこんなでとりあえず少女隊は、ホテルにチェックインし、豪華な食事をとり、部屋で枕投げ大会等を開催し、
翌日から浜辺で、イメージビデオの撮影が始まります。
このイメージビデオあたりから、少女隊のアイドル映画的な要素が濃くなり、完全なミュージックビデオ映像が、まるまる一曲分流れます。
で、しばらく撮影風景なども流れ、いよいよ撮影も終了となり、マネージャーのお許しが出たので、街に繰り出して香港観光へ向かう事になります。
で、hong kong in 少女隊 という感じで、しばらく香港の観光名所やお買い物風景等が流れ、恐らくビクトリアピーク付近からの夜景を眺めていると、、、
白いバンが突然現れて、中から空港で見つめていた強面シン・フイオン他3名の強盗が下りて来て、
速攻で3人を攫ってそのまま走り去ってしまいます。
で、大人気アイドルの誘拐事件、という事で、すぐさまチュン・ウォン率いる香港警察を呼んで、犯人グループと交渉を進めていく事になります。
で、この犯人グループの見張り役として少女隊を見張っているのが、何故か中国人青年役を演じている日本人、山本陽一で、
勿論日本語は分からないという設定ですので、少女隊と身振り手振りで接していくうちに、実は山本陽一演じるホンは、心根は優しい、
という事で、少女隊とも少しずつ信頼関係を結び、その中でも安原麗子との間に淡い恋が芽生えていく、という流れで、青春アイドル路線へと突入していきます。
という流れで、誘拐犯とやり取りする平均年齢の高い香港側大人パートと、日本人の少年少女の監禁状況(と言ってもゆるゆるです)の青春パートの二つの物語が、同時進行で描かれて行く事になります。
大人パートの方では、雑誌記者二人組も犯人と間違われる等で、物語を引っかき回し、身代金の受け渡しでは、
爆弾を体に仕掛けられたマネージャーが、その爆弾を解除してくれる人物の所まで急いでいかなければならないのに、
警察車両に邪魔されて、命がけの大カーチェイスを繰り広げる、という実に香港映画らしい(雰囲気的には五福星等の犯罪コメディに近いです)展開もあり、
また、その合間に挿入されるちょっとしたギャグのセンスも良く、物語の香港映画としての娯楽性を高めています。
で、少女隊パートは、打って変わって緩めの展開で、監禁されているのに奔放な少女隊が、魚を釣って皆で食べたり、
水着に着替えてその辺を遊泳してみたり、と言う感じで、アイドル映画独特のほんわかした流れで、ファンの心を掴んでいきます。
そして、後半、いよいよお別れの時が近づいた時の、ホンとの別れの前の切ない表情からの本作の主題歌(お元気ですか)【how are you my friend】が、
こちらもまるまる1曲流れる辺りでアイドル編もピークを迎えます。
こちらはお芝居の途中で突然本域で歌い出す、というミュージカル風の表現で、さらにファンの心を大鷲掴みしていきます。
で、身代金の受け渡しは、上手くいかずに少女隊はいったいどうなるのか?
というのがクライマックスの展開となっていきます。
少女隊のアイドル映画ながらも、主役ではない、という事で、物語の主導権が最初から最後まで一切ないのですが、
劇中で2曲もまるまる披露するシーンがあり、若さ弾ける3人の魅力もしっかりと詰まった作品となっていますので、ファンの方はしっかりと楽しめる内容となっています。
さらに、大人パートでは香港映画らしいアクションコメディ要素をしっかりと楽しめますので、香港映画としても、
アイドル映画としても、バランス良く楽しめる内容となっていますので、少女隊ファンの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
ただ、一点だけ、恐らくファンの方もがっかりする点だと思われますが、少女隊の話す声が、当時の香港映画の撮影方法に合わせてアフレコになっていて、
その声を当てているのが、どう聞いても少女には聞こえない、完全に成人した知らない大人の声、というのが、どうしても最後まで慣れませんでした。
しかも、結構はっきりした日本語で、口の動きには合っているので、台詞自体は正しいようですが、流石に、、、、。
日本劇場未公開という扱いも止む無し、という感じでしょうか、、。
作品情報
1985年製作 香港製作 青春アクションコメディ
監督 ロク・キンミン(ジェイミー・ロク) 脚本 エリック・ヨン
出演 少女隊(藍田美豊、安原麗子、市川三恵子)、山本陽一、シン・フイオン、エリック・ヨン、アナベル・ルイ、チュン・ウォン、
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