2025年7月劇場公開予定の個人的な期待作

投稿者: | 2025年6月30日

皆さんこんにちは、まぁくです。

6月なのに、既に梅雨明け!!

さて、先日上海国際映画祭で中国の映画スタジオが、自社のカンフー映画アーカイブをAI化する計画を発表するというニュースが流れました。

この計画は、まさかの政府支援による【カンフー映画遺産プロジェクト100クラシックAI再生プロジェクト】という大それた計画で、

ブルース・リー、ジャッキー・チェン、ジェット・リー、チョウ・ユンファ等が主演した過去の名作香港映画を、

AIの力を借りて、新たな命を吹き込んで、新しい作品として製作する、という趣旨があるそうです。

既にAIによって作り替えられた(男たちの挽歌)のサイバーパンク版(男たちの挽歌:サイバーフロンティア)のトレーラーも制作され、

その他にも、《笑傲江湖》《黄飞鸿》《武状元苏乞儿》《警察故事》《A计划》《精武门》《纵横四海》《给爸爸的信》《倩女幽魂》等、

初期段階で10本の映画が製作されるそうです。

1作目がいきなりカンフー映画じゃないじゃないか、という事はとりあえず置いておいて、文化の違いというか、

中国の上層部と、一般市民との感覚の違いというか、あの名作群にAIを使って手を加えて、別作品を創り出すという感覚は、

AIの存在自体が色んな問題を生んでいる中国以外の映画産業が活発な国では、ちょっと理解できない感覚ですね。

プロジェクトに100と銘打たれていますので、もし本当にプロジェクトが継続されていけば、100本近くの名作の、勝手に作り替えられたバージョンが世に生み出されていく事になります。

ただ、1作目(完成するなら)の(男たちの挽歌)がAIアニメ映画となっているようなので、もしかすると、

大見栄を切っておきながら、結局は、名作たちの劣化アニメバージョンばかりが製作されることも無いとはいえなさそうですね。

そういう事なら、需要も無くはなさそうですが、あの名作たちのAIアニメ化作品を観たいと思う人が世界にどれぐらい存在するんでしょうか、、、。

というか、大多数の人は、そういう名作を汚すような余計な事はしないで欲しいと思うと思われますが、何故こういうプロジェクトが政府の後押しで進むのかさっぱり分かりません。

こういう流れを見ると、ジャッキー・チェンが新作の(A LEGEND伝説)(詳しくはこちら)で、自身の顔をAIを使って若返らせるという、

それまでの自身の存在を否定するような表現を使ってしまうのも、なんとなく分かるような気がします。

配信専用作品でも、やたらと不必要にCGを使用してみたり、生身のアクションよりもスタジオ内のセットで、PC等を使って処理して全て完成してしまうような

箱庭映画ばかりが製作され続けてきた中国映画界の、

一つの間違った到達点が、

他人の作った名作香港映画を、AIを使って自分達流の中国リメイク映画に作りかえる

という、びっくり政府後援プロジェクトなのではないでしょうか。

、、、、、、、、、、、、、、。

さて、そんな中国映画界で、人の褌で相撲を取る計画が進められている2025年の7月、そんな計画は絶対に進まないと信じたい日本の映画館で劇場公開される作品の中で、

私が個人的に期待を寄せている作品を少しご紹介させて頂きます。

それでは、まずは、これで三回目となるアメコミヒーローの再映画化作品から、、、。

7月4日公開 ヘルボーイ/ザ・クルキッドマン (Hellboy: The Crooked Man) もう三回目となる人気アメコミ作品の再映画化作品。今回は原作者のマイク・ミニョーラ自身が脚本にも参加して、人気の高いエピソード(捻じくれた男)を、ダークなホラー要素を強調して映像化しているようです。監督は(ゴーストライダー2)や(ジョナヘックス)のブライアン・テイラーという事で、B級寄りの安定したアメコミヒーロー作品を期待できそうです。それにしても、シリーズ初期作品と大分趣が変わりましたね、、、。

7月4日公開 VHSビヨンド (V/H/S/Beyond) タイ・ウェストやアダム・ウィンガード等、後の有名監督が多く参加してきた(V/H/S)シリーズの最新作。今回は【宇宙】をコンセプトにエイリアン・ゾンビ、正体不明の魔女、凶暴な異星人、人知を超えたテクノロジー等の6つエピソードが描かれます。監督は、(V/H/S シンドローム)等に出演しているジャスティン・マルティネスや、(Mr.タスク)等のジャスティン・ロング、(オキュラス 怨霊鏡)等のケイト・シーゲル等、俳優として活躍している面々が、監督として演出する側に回っているのも見所。

7月11日公開 スーパーマン (Superman) (ヘルボーイ)同様に何度も再映画化を繰り返すDCコミック原作のヒーロー映画の待望の最新作。誰もが憧れるヒーロー、スーパーマンの国境を越えた活躍は、次第に問題視されるようになり、いつしかスーパーマン自身も人々を救うという使命に対して心が揺らぎ始める、というこれまで何度も描かれてきた内容を、新しいスタッフ・キャストと最新技術で描き直した内容という事ですが、予告編を観る限り、ザック・スナイダー監督の(マン・オブ・スティール)の衝撃は、やはり凄かったと再確認してしまいますね、、。

7月11日公開 ストレンジ・ダーリン (Strange Darling) シリアルキラーによる連続殺人事件で恐怖に包まれた街で、バーで男性(デーモン)と知り合い、近くのモーテルに行き着いた女性(レディ)が、男の正体に気付き、命を狙われる事になる全6部構成の予測不能なスリラー作。

7月11日公開 BAD GENIUS/バッド・ジーニアス (Bad Genius) 2017年に製作され、日本でも劇場公開されたタイ映画、(バッド・ジーニアス危険な天才たち)のハリウッドリメイク作品。貧しい家庭に育った天才少女リンが、落第の危機に瀕した親友を奇想天外な方法で解答を教えて救ったため、悪友たちの発案でカンニングビジネスを思いつき、やがて前代未聞の大カンニング作戦へと発展して行く、スリリングなスリラー作品。個人的にはオリジナルの方のブルーレイソフトを購入してしまうぐらいに好きな作品ですが、リメイク版の主人公のキャスティングのイメージが違い過ぎて他の映画のような雰囲気が、、、、

7月18日公開 VHS 94 (V/H/S/94) 未公開だった(V/H/S)シリーズの、2021年に製作られたシリーズ第4作目。(降霊会 ー血塗られた女子寮ー)のサイモン・バレット、(PORTALS ポータルズ)のティモ・ジャヤント、(ローライフ)のライアン・ブロウズ、(サイコゴアマン)のスティーブン・コスタンスキ等、ジャンル系期待の監督が集結したPOVのホラーオムニバス。

7月25日公開 ファンタスティック4:ファースト・ステップ (The Fantastic Four: First Steps) 今月ラッシュの(ヘルボーイ)、(スーパーマン)と何度も再映画化されたヒーロー映画の、マーベルでの再映画化作品。今回はこれまでのような別次元という設定ではなく。MCUの中の一作として新たに描き直された世界観で、宇宙ミッション中に特殊能力を得た4人が、ヒーローとして覚醒していく姿を描いた作品。全米では、主人公の役柄に主演のペドロ・パスカルが年齢が行き過ぎているという理由で、非難が集中しているそうですが、そんなことより内容的にはどうなのでしょうか、、、。

7月25日公開 スタントマン武替道 (武替道 Stuntman) 1980年代にアクション監督として活躍していたサムは、危険なアクションによってスタントマンを半身不随にしてしまい、そのまま映画界を引退する。しかし、数十年ぶりにかつての仲間からの依頼を受けて撮影に参加するが、時代は変わりコンプライアンスが厳しく、リアリティを追求するサムと新しいスタッフの間に溝が広がって行く。それでも若手スタントマンのロンは、サムの撮影方法に感銘を受けてなんとか撮影を進めていく、という(ライドオン)(詳しくはこちら)に『ん?』と思った人にも受け入れられそうな香港映画の素晴らしさを正面から描いた、なんと!!(香港カンフードラゴン少林寺)、(プロジェクトD)(詳しくはこちら)等のトン・ワイが本格的にアクション監督役で、俳優として出演している奇跡のような作品。これは、香港アクション映画ファン必見作品ですね。

7月25日公開 エレベーション 絶滅ライン (Elevation) リーパーと呼ばれる謎のモンスターが突如出現して人類の95%を死に追いやってから3年後、生き残った人類は、何故かリーパーが襲ってこない標高2500メートルの山岳地帯に追いやられる中、病を背負う息子の薬を確保するために、2500メートルのラインを越えて山を下山する事を決意した父親の活躍を描いた(クワイエットプレイス)のブラッド・フラー製作、(キャプテンアメリカ)のアンソニー・マッキー主演のモンスターアクション。

という感じになっております。今回は、(ヘルボーイ)、(スーパーマン)、(ファンタスティック4)とアメコミ映画の再映画化作品が何故か重なりましたが、

要するに一つのジャンルとして親しまれてきたコミックヒーロー映画も、ここにきて、流石にネタ切れ感は否めないような状況になってきているのだと思われます。

ヘルボーイ)等は、ホラー性を強調する事で、単純なヒーロー映画からの脱却を狙っているようにも見えますが、

他の2作に関しては、既存の作品からの、スパンの短いリメイク映画のようにも見えて、さらに今後のシリーズ化も恐らく予定されていると思われますので、

どのように旧作シリーズを越えるような内容になって行くのか?に期待がかかりますが、数年後にまた仕切り直しとなっていそうな気もします、、、。

個人的に期待を寄せているのは、やはり(スタントマン武替道)で、香港アクションを影から支え続けた男トン・ワイの久々の主演級俳優としての活躍に期待しています。

香港映画があまり製作・公開されなくなってから数年経ちますが、本作のような元気な頃の香港映画らしい作品は、これからもどんどん公開して欲しいですね。

という事で、本日もお立ち寄り頂きありがとうございました!

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2025年7月劇場公開予定の個人的な期待作」への1件のフィードバック

  1. S原

    カンフー映画遺産プロジェクト100クラシックAI再生プロジェクト・・・いや・・・これはちょっと・・・(絶句)

    とりあえずは様子見ですかね。ただ最初の数本で儲からない(お客さんが来ない)ことが分かると、すぐに撤退するような気がします。

    ジャッキー作品もDVDでいくつかリマスターされていますが、オリジナルとそんなに変わらずイマイチでしょ?
    どうせなら思い切って本気でリマスターしてほしいですなあ。「画像を修復する」「音声を綺麗にする」という普通のことをして、できれば「少しだけ再編集する」にチャレンジしてほしい。最後の再編集は賛否あるでしょうけど、我々世代のような「思い入れ」のない今のヤングたちが昔の映画を観るのにはやっぱりテンポが悪いと思うんですよね。(とくにドラマパート)

    とにかく中国の変な挑戦に注目ですね。(いつのまにか無かったことになっているかもしれませんが・笑)

    以上、S原でした。

    そして、コッポラの壮大な自主映画メガロポリスを観に行きました。
    すぐに上映が終わりそうなので、観る気があるならまぁくさんも劇場へゴーですよ!

    https://talksessionyands.hatenablog.com/entry/2025/06/23/134212

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