お薦め度 ★★★★★★☆☆☆☆
幻覚か?幽霊か?演技か?設定が秀逸なスペイン系ホラー!
作品紹介
2019年4月19日公開
今回ご紹介するのは、芸術を突き詰めた先の狂気と心霊ホラーを融合させたスペイン製ホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ある劇団が元精神病院をリフォームした舞台の準備を行っていた。
この舞台はメディアでも取り上げられるような有名舞台監督アルマ(ベレン・エルダ)の演出作であった。
売り出し中の女優ビアンカ(エバ・デ・ドミニシ)は役作りのためこの舞台でのレッスンに参加する。
真の舞台芸術を追求するアルマはこの物語の主人公が108時間眠らずにいた主人公の心情を描いているため、ビアンカにも同様に108時間不眠で過ごすように強要する。
しかし、主人公について独自に調べたビアンカはモデルになった人物が108時間目に精神に異常をきたしてしまっていた事実を知る。
すでに不眠生活は始まっており、108時間はすぐそこまで迫っていた。追い詰められたビアンカはある行動に出る、、。
リメイク版の(サスペリア)や(ブラックスワン)などに通じる舞台などの芸術を突き詰めた先にある狂気を描いた物語でした。
役作りのために108時間眠らずにいたら狂気と幻覚の世界に行く、という事で舞台監督に精神的、肉体的に追い込まれていきます。
通常はそんなに長く眠らずにおれないので、どうなるか解りませんが、90時間ぐらいから幻覚や幻聴が見え始める、という設定になっています。
そこにプラスして、舞台が元精神病院の廃屋をリフォームしているという背景もあり、見えてはいけないものが見えてしまう、という流れになります。
しかし、それが幻覚なのか、そこに本当にいるのかが分からない、という設定が秀逸でした。
アメリカでもジェシカ・アルバ主演で(アイズ)としてリメイクされた香港のオキサイド・パン監督作品(THE EYES)を彷彿とさせるストーリーです。
しかも、本作はそこに主な登場人物が演技の専門家という設定も加わっていますので、本当に見えているのか?幻覚なのか?演技をしているのか?と見ている側も騙されてしまいます。
おまけ設定的に、ライターなどの炎越しに見ると見えないはずのものが見えるという小味の効いた設定もあり、非常に楽しませてくれます。
結構怖いです。
どちらかと言うとJホラーやタイ製のホラー作品に近い雰囲気でした。
ただ、設定は凄く良いのですが、108時間も不眠の主人公が結構平気そうにしているのが気になってしまいました。
もうちょっと追い詰められて、寝たいけど寝れない、幻覚から逃れたい、だけど主役の座を死守したいなどの内面の葛藤などが描かれていたら、(ブラックスワン)のような傑作に少しでも近づいたかもしれませんので惜しいところです。
ですが、設定だけで十分楽しめるホラーとなっていますので、ホラー作品が得意な方は機会がありましたらご鑑賞ください。
作品情報
2018年製作 アルゼンチン・スペイン・ウルグアイ製作 未体験ゾーンの映画たち2019にて上映 ホラー
監督 グスタボ・エルナンデス
出演 ベレン・エルダ、エバ・デ・ドミニシ、ナタリア・デ・モリーナ
スタッフ・キャスト
監督はデビュー作(SHOTショット)がハリウッドで(サイレンントハウス)としてリメイクされたグスタボ・エルナンデス。
出演は(ロストアイズ)(ロストボディ)(ロストフロア)のベレン・エルダ、(僕の戦争を探して)などのナタリア・デ・モリーナ等。
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鑑賞後の切なさに胸を締め付けられる(マローボーン家の掟)はこちら
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