おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ほぼ未開の美しい島を訪れたサーファー女子四人組が、不気味な謎の存在に襲われる(地獄の黙示録)や(グリーンインフェルノ)等から大きな影響を受けたサバイバルスリラー!!



作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、ほぼ未開の島を訪れた四人組の女子が、散々な目に合う、サバイバルスリラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
サーフィン中の事故のトラウマによって一線を退いたカメラマンのサラは、友人のサーファーたちを招いて、ほぼ未開の地とされる島にやってきた。
誰も居ない浜辺にテンションの上がる四人だったが、波に乗り始めて間もなく、何か異様な存在にメンバーの一人が襲われてしまい、
それを機に、その島が決して足を踏み入れてはいけない禁忌島だという事を知るのだった。

監督・製作・脚本は(エスケイプゲーム)や(Les Histoires d’Anouk)等のジャックス・クルーガーで、前半と後半で違う映画の様な作品世界を演出しています。


主人公サラ役は、(Avec ou sans enfants?)や(Les gagnants)等のアデル・ギャロワが演じ、緊迫感を盛り上げていきます。



で、主人公の友人の一人アリシア役で、(マーメイド・イン・パリ)や(サンティネル)等のマリリン・リマが登場し作品世界を掘り下げていきます。



で、同じく主人公の友人ジェニー役で、(エスケイプゲーム)や(Interrail)、(Niki)等のマリー・ザブコヴェックが登場し、事件に遭遇します。



で同じく主人公の友人アゼル役で、2015年のミスタヒチで、ドキュメンタリー(Meherio)等にも出演しているヴァイミティ・テイエフィトゥが登場し、作品世界を掘り下げます。


で、主人公達を無人島に連れて行くボートの船長役で、(デッド・ナイト in パリ)や(アハメッドの歌)等のローラン・モレルが登場し、主人公達をサポートしていきます。



そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、ある浜辺でプロサーファーを撮影しているカメラマン、サラ(アデル・ギャロワ)が今日も順調に撮影を進めているものの、
過去に自身がプロサーファーだった時代の波乗り中に、サーファー人生を断念するほどの事故で負傷を負った場面をフラッシュバックしてしまうシーンから始まります。


その事故は、サラに消えない傷痕と思いトラウマを残してしまいましたが、今でもなんとか復帰したいという思いだけは心の奥底に秘めている状況となっています。

そんな中、ある日知り合ったサム(ローラン・モレル)という船乗りの男性の秘密の情報で、ほぼ未開の島の存在を知ったサラは、
まだ誰も経験していない波を求めて、親友のサーファー仲間、アリシア、アゼル、ジェニーの三人を呼び寄せます。


で、やって来た三人は、案内役のボートの船長サムの風貌や、サーフボードの輸送は別料金という態度に、怪しい匂いをぷんぷん感じますが、
楽しいパーティー気分の方が上回り、上機嫌でほぼ未開の島を目指します。



しかし、怪しさ満点のサムではありますが、酒の勢いで島の存在を話してしまったものの、その島に纏わる忌まわしい伝説も知っているサムは、
サラに何度となく島には近づかない方が良いと忠告しますが、そんな事は気にも留めないサラとイケイケの仲間達は、ほぼ未開の島についに上陸します。



で、その島の美しさと、汚れのない存在感に圧倒された四人組は、ちょっとスピリチュアルな文化で育ったアゼルが、
守り神的なサーフボードを砂浜に突き立てた事をきっかけに、楽しいキャンプの準備を始めます。


その間も、48時間後に同じ浜辺に四人を迎えに行く事になっているサムは、近郊の海上で停泊していて、
サラに手渡したトランシーバーで、四人の無事を確認するために提示連絡を行っています。


で、今までで一番高い波に乗った話等で盛り上がったキャンプファイヤーは、お開きとなり、夜は深まり、いよいよ波に乗るために、島の反対側の浜辺を目指す一日が始まります。


大きなサーフボードを抱えてジャングルの中を歩き始めた四人組は、ふざけ合いながらもテンション高く行進を続けますが、
途中、ある場所で、その島が無人島ではなく、何者かがかつて生活を営んでいた痕跡を発見します。


マラエという、生贄などを捧げる儀式を行っていたと思われる遺跡のような場所を発見してしまったのです。


そういう文化に詳しいアゼルによって、その場所は聖なる場所なので足を踏み入れない方が良いと忠告しますが、
テンションの上がっているジェニーには通じず、そこに収められていた、結構近代的な缶に入った白い怪しい錠剤を発見してしまいます。




当然、こっそり持ち出すジェニーに、ジャングルの中かから、何者かの視線が注がれますが、四人組はそのまま浜辺へとやってきます。


そして、やっと目的地に着いた三人は、サーフボードを抱えて海に入り波に乗り始め、サラは、その様子をカメラで撮影、、、、、、、、、、、、


と、不意にサラの前を横切る何者かの影が、、、、、、、、、

サラ『危ないっ!!!何かがいる!!!』

あまりのサラの慌てた様子に、何らかの危機を感じ取った三人は、サラを先頭に浜辺へと引き返しますが、、、、、、、、、
、、、、、、その中の一人が、何者かに襲われてしまいます。

なんとか、浜辺へとたどり着いたサラを含めた三人ですが、その目線の先に異様な存在を目の当たりにする、、、、、、
というのが前半までの大筋となっています。

※↓ここからは、物語展開に少し触れてしまいますのでご注意ください↓※
健気なサーファー女子四人が、不気味な存在と対峙するサバイバルスリラー作品です。

内容的には、簡単に言ってしまうと(地獄の黙示録)や(グリーンエインフェルノ)、(食人族)のような、
ジャングルの奥地の、都会の文明社会と隔離された地域で、独自の文化を形成してきたコミュニティーの中に、
突然迷い込んだ(自分から行っていますが、、)都会女子四人が、散々な目に合ってしまうという、ある程度不快感を伴う内容を売りにしたサバイバル作品となっています。



本作の特徴としては、開始から29分という、作品全体の三分の一を使って大自然の美しさや、元気女子の天真爛漫ぶりをたっぷり描きながら、
30分以降、島民が登場するな否や、急転直下でワイルド過ぎるバーバリアンの生態を描く、という、前半と後半の対比が大きな魅力となっています。


不快さ、野蛮さという事で言えば、(ミッドサマー)等のアリ・アスター監督作品にも影響を受けているのではないでしょうか。


ただ、本作の場合、バーバリアンを率いる族長的な存在の将軍と名乗る人物がいて、後半一応将軍と島民が、何故この島で生活するようになったのか、等の理由も説明され、
ついでに怪しいサムの過去の出来事などもさらっと説明されるのですが、影響を受けた作品群とは違い、


ジャングルの奥地ではなく、個人が所有するヨットで軽く往来できる位置に存在する、
かなり解放感のある島
が舞台で、外界と根絶して独自の文化を形成できているという、設定のあまさが、イマイチ未開の地という雰囲気を削いでしまっているように感じられます。


要するに、細かい設定の穴はスルーして、解放的な気分で油断しまくっている女子が、突然バーバリアンに襲われたら、、、というシチュエーションに絞って見せ場を追求した作品世界となっています。

前半と後半のギャップと、突然天国から地獄に落とされれるシチュエーションと、なかなかに魅力的な要素が揃っていて、
後は、主人公がどのようにサバイバルを繰り広げていくのか?という活躍を見守るばかりのはずですが、
これが予想外に、本作の主人公サラは、何故そうなるのかわからないぐらいに感情移入をはねつける人物像となっています。

サムが再三に渡って、この島の危険性を訴えて、上陸はやめた方が良いという忠告を無視し、上陸後に引き返すように言われても無視し、
怪しい気配を感じても無視し、自分が全て計画した事で、友人を失って行っているのにその責任を感じず、流れに身を任せるばかりで、
他人はどんどん倒れていくのに、何故か主人公だけはサバイバルしていく、という物語展開に、『ううむ、、、。』と感じる方も多いのではないでしょうか。

性根が腐っているのではありませんが、何故か危機感が欠落していて、大きな選択ミスをしてしまい、さらにそのミスの代償は何故か他人が全て支払っていく、という感じです。

共感しにくい主人公ではありますが、そういう共感をはねつける主人公像も、不快感を伴う作品の流行りと言えるのかもしまれません。
個人的には、そういう作品には、不快感は感じても面白みは感じにくいですが、、、。

という事で、不快感をある程度感じる作品ですが、前半の美しい自然とのギャップを楽しむ事も出来る作品となっていますので、
不条理スリラーやサバイバルスリラー好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。




作品情報
2024年製作 フランス製作 サスペンス
監督 ジャックス・クルーガー
出演 アデル・ギャロワ、マリリン・リマ、マリー・ザブコヴェック、オーレリアン・ルコワン、ローラン・モレル、ヴァイミティ・テイエフィトゥ


↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓
映画評論・レビューランキング
にほんブログ村
