お薦め度 ★★★★★☆☆☆☆☆
(死霊館)ユニバースの最新作は、悪魔に取り憑かれて犯した殺人を証明するために、ウォーレン夫妻が立ち上がる実話の映画化作品!!
作品紹介
2021年10月1日公開
今回ご紹介するのは、2013年に始まって以来、続編やスピンオフなどでその世界観を広げ続けている(死霊館)シリーズの正統続編です。
それでは、あらすじから、
心霊研究家のエド(パトリック・ウィルソン)とロレイン(ベラ・ファーミガ)のウォーレン夫妻は、ブルックフィールドにあるグラッツェル家での悪魔祓いに立ち会う。
しかし、この時の除霊は失敗し、今度は同席していたアーニー(ルアイリ・オコナー)に悪魔が乗り移ってしまう。
その後、アーニーは悪魔によって心身の自由を奪われ、ついに友人に暴行を加えて殺害してしまう。
やがて、アーニーの裁判は執り行われる事になるが、無実を証明するには、悪魔自体の存在を証明する必要があった!?
様々な続編やスピンオフを生んだ(死霊館)(詳しくはこちら)ユニバースの最新作であり、正統続編の第3作目です。
スピンオフ作品では人形ホラーや、修道女と悪魔の戦いを描いた作品などバラエティに富んだ内容の物語が多いですが、
(死霊館)の正統シリーズは基本的には前2作ともゴーストハウスものの物語が展開される、ある意味(館)そのものが主人公と言っても良いぐらいに(館)を中心とした物語となっていました。
(館)に住んでいる家族(被害者)の物語を中心に描きつつ、同時進行で(館)の住人と知り合う前のウォーレン夫妻の活躍を描いて行き、
物語中盤で(館)の住人のピンチを助ける形でウォーレン夫妻がいよいよ被害者たちに合流する、といった描き方でした。
要するに、前2作の物語は、主人公たち家族を脅かす心霊を打ち負かすために登場するやたらとスポットの当たる助っ人キャラクター、
といった登場の仕方で、あくまで物語のメインは、被害者家族の方でした。
そこで、その最新作である本作ですが、今回は(死霊館)ユニバースの世界観を広げる、という意図があるようで、
あえて、その館の設定を離れて、ウォーレン夫妻を主役に添え、夫妻目線で、夫妻が遭遇した心霊事件ファイルの一つのケースとして今回の事件の物語が語られるようになっています。
3作目にして完全に目線を変更する、という大胆な変更ではありますが、逆にこの変更によってウォーレン夫妻のキャラクターが掘り下げられ、始めて夫妻の出会いのシーンが映像として表現されるなど、
これまでにシリーズでは見られなかったようなシーンが登場し、寄り世界観に深みを与えています。
今回の事件は悪魔憑き状態で心身ともに自制が効かなくなった状態で行われた殺人に関する裁判を題材として、
その悪魔付きの事実を証明するためにウォーレン夫妻がなんとか悪魔の存在自体を法廷で証明しようと挑んだ事件となっています。
この事件も前2作のように勿論実話のようで、悪魔に取り憑かれた事を殺人の動機として裁判に挑んだ史上初の事件だそうです。
ただ、法廷でそういった非科学的な事を殺人の動機として認められるはずもなく、当然動機として悪魔の存在を証明する事はできなかったそうです。
当たり前といえば、当たり前ですが、一応動機として主張はされた事件としては有名な裁判のようです。
そういう実際の事件を背景にウォーレン夫妻の活躍が描かれますが、今回は悪魔付きの被害者(裁判の上では加害者ですが)が、
前2作と違い、家族という大きな枠組みではなく、若いカップルに限定し、また同時にウォーレン夫妻の若い時代も描くことで、
年齢の増してきたウォーレン夫妻とシンクロするような構成になっています。
勿論前2作と同じように邪悪な悪魔に対抗するのは愛、という事でこの若いカップルもしっかりと愛のパワーでなんとか困難に立ち向かっていきます。
それと、この愛のパワーを打ち負かそうと襲ってくる邪悪な存在として今回初登場なのは、心霊に多大な影響を及ぼす存在として黒魔術がウォーレン夫妻を苦しめる大敵として登場します。
詳しくは割愛しますが、後半は悪魔のような心霊的な恐怖に加えて、この黒魔術が新たな恐怖としてクライマックスを盛り上げる要因になっていますので、
そういったところも見どころの一つとなっています。
という事で、大胆に描き方に軌道修正が入った(死霊館)シリーズの中でも本作は、新たな章の幕開けといっても良いぐらいの作品となっています。
旧シリーズからのファンの方が楽しめるのは勿論の事、本作からでも十分観始められる内容となっていますので、ホラー好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
これは、今後のシリーズ展開が楽しみになりますよ。
作品情報
2021年製作 アメリカ製作 ホラー
監督 マイケル・チャベス 制作 ジェームス・ワン
出演 ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、ルアイリ・オコナー、サラ・キャサリンフック、ジュリアン・ヒリアード
その他の心霊ホラー作品
名作Jホラーのリメイクのリメイク(ザ・グラッジ死霊の棲む屋敷)はこちら
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