怪人スワンプシング (THE RETURN OF SWAMP THING)97分

投稿者: | 2023年9月6日

おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆

幻のDCコミックのヒーロー映画(怪人スワンプシング闇のヒーロー)の6年後に同じキャスト再登板でコメディ色を増して製作されたシリーズ第二弾!!

作品紹介

1989年11月4日公開

今回ご紹介する作品は、DCコミックのヒーロー(怪人スワンプシング)の活躍を描いたシリーズ第二弾です。

それでは、まずはあらすじから、

植物と動物の融合実験を成功させたアレック・ホランド博士だったが、ライバル研究者のアーケイン博士の非道な行いにより、

その研究試薬を体に浴びたまま沼地に飛び込み、藻等が融合する怪人スワンプシングとなってしまう。

さらに、アーケイン博士による非道な実験は続いたため、スワンプシングは実験を止めるために戦いを挑むのだった!?

DCコミックのヒーロー(スワンプシング)の活躍を描いたアクション作品です。

監督は前作のホラー映画界の巨匠ウェス・クレイブンに変わってロジャー・コーマン門下生の(ビッグバッドママ2)や、

チアリーダーマサカー)、(ピラナコンダ)等のB級、C級映画道を突き進むジム・ウィノルスキー監督で、

完全にB級に振り切った娯楽作品として、明るい世界観の続編世界を創り出しています。

ジム・ウィノルスキー

製作は、前作に引き続き、ティム・バートン版の(バットマン)シリーズや、クリストファー・ノーラン版の(ダークナイト)シリーズ、

そして(ジャスティスリーグ)に至るまで、DCコミック作品を映像化し続けているベンジャミン・メルニカーマイケル・E・ウスランのコンビで、

前作の後日譚ながらも、時代に合わせた明るい世界観で、再び映像化に挑んでいます。

ベンジャミン・メルニカー
マイケル・E・ウスラン

で、前作の後日譚という事で、既にスワンプシングは、人間の姿ではなくなっていますので、前作の冒頭で登場したレイ・ワイズは登場せず、

怪人となってから以降のスワンプシングを演じていたディック・デュロックが、前作のスーツをさらにパンプアップして、植物を追加したような新スーツで再演し、

ほんの少しのイメージシーンのみではありますが、素顔でも登場しています。

因みにディック・デュロックはスタントマンとしての活躍がほとんどですが、(ダーティハリー3)や(スタンドバイミー)(ゴリラ)等で俳優としても活躍しています。

ディック・デュロック
ディック・デュロック

で、スワンプシングに助けられ、まさかの恋仲になっていくヒロイン役に、(ランナウェイ)や(ウェインズワールド2)等のヘザー・ロックリアが扮し、

天真爛漫な魅力で、明るい世界観をより明るくしています。

ヘザー・ロックリア
ヘザー・ロックリア

そして、前作のラストで怪物化して退場したはずの(恋の手ほどき)(カンカン)等の名優ルイ・ジュールダンも、前作のクライマックスは無かった事にして再登場する、

という強引なキャスティングで、再び同じ悪党博士アーケイン役を演じています。

ただ、今回は明るい世界観ですので、前作よりは人間味のある悪党として再登場しています。

ルイ・ジュールダン
ルイ・ジュールダン

という、スタッフ・キャストが結集した本作は、前作同様に、あの沼地から始まります。

で、その周辺を訪れた人が、沼地から現れた得体のしれない人型のモンスターに襲われるものの、その直後にもう一体のモンスターが現れて、

そのモンスターを撃退する、という感じで、襲われた人を救ってくれます。

このお助けモンスターの方が我らが怪人スワンプシングで、人々を襲っていた方のモンスターは、近くの研究施設で、実験台にされていた生き物で、

人と何か他の生物を融合させる、という禁断の実験の被害者が脱走し、狂暴化した姿なのでした。

で、この禁断の実験を進めているのが、前作のラストで、動物と植物を融合させる試薬を自ら飲んで怪物化し、

最終的にはスワンプシングに倒されたはずのオーケイン博士で、実は生きていた、という強引な設定と、ついでに、

実験は自分自身の老いを止めて若返るため、という設定を付け加え、さらにユニークな性格まで味付けされて、再登場しています。

で、スワンプシング自体は、前作の後、その沼で生活しているようで、アーケインとは宿敵同士のまま、膠着状態が続いています。

で、そんな中、10年ぶりにアーケインの義理の娘アビゲイルが、沼地の研究施設兼屋敷を訪ねてやってきます。

ヘザー・ロックリア演じるアビゲイルの母は、実は、アーケインの若返り研究の実験の犠牲者の一人で、

実験成功間近までは行ったようですが、急に体調を壊してそのまま亡くなってしまう、という悲劇が起き、

今まさに、アビゲイルがやって来た事で、同じDNAを持つ被験者を得たアーケインは、アビゲイルを実験台にしようとしている、、、、

という所で、正義のモンスター、スワンプシングが救出に乗り出す、というB級アクションヒーロー映画の王道とも言えるような展開となっていきます。

前作は、暗めのダークヒーローという感じで、ヒーローっぽさよりも、モンスターとなってしまった悲哀の方に重点が置かれていましたが、

一作目の1982年から時代は流れて1988年になってくると、悲哀やダークヒーロー的な魅せ方よりも、完全に明るい正義のヒーロー的なイメージに変更され、

実験の犠牲になった他のモンスターも何体か登場はしますが、悲しみを強調するよりも、色んな種類のモンスターが登場するワクワク感を優先させたような登場の仕方で、

どのモンスターもある程度の愛嬌まで含んだようなデザインとなっています。

ただ、色々登場する割には、顔見世程度で、ほとんど活躍しないのが残念ですが、、、。

で、アクションも前作のような地味目のアクションではなく、爆破や銃撃等も多く、モンスター同士の戦いは完全なプロレスの場外マッチのような戦いで、

とにかく娯楽要素を最優先したような、明るい見せ場で統一されています。

ですので、前作同様にストーリーが大きく動くような展開はないのですが、常に明るいアクションとモンスターシーンが繰り広げられますので、

観ていてお祭り騒ぎ的な楽しさがずっと継続し、終始楽しく鑑賞できる作品となっています。

一作目が暗めのダークヒーローアクションで、後のホラーの巨匠監督作品、2作目は娯楽優先の明るい世界観のB級C級作品専門監督作品、

という事で、同じキャストが続投しているシリーズ作品ながらも、はっきりと路線が変更されたシリーズですので、

1作目と2作目で、好みが分かれるかも知れませんが、時代の変化に合わせてブレながらも、悲しみを背負った異形のヒーローという根底あるものは、

どちらもしっかりと感じられる、DCコミックヒーローの中でも異色のヒーローシリーズとなっています。

という事で、今後DCユニバースにも参加が決まっている幻のヒーローの誕生と活躍を描いた楽しいシリーズとなっていますので、

ヒーロー映画好きの方や、モンスター映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

超個人的には、二作目の勢い重視、娯楽重視で、1作目との整合性も後回し的なB級感が、非常に心地よく感じてしまいました。

因みに、本作DVDが発売はされてはいますが、長らく廃盤で、プレミア化してしまっていますので、DCユニバース参加ぐらいのタイミングで、

是非ともDVDの再発売かブルーレイ化してもらいたいですね。

作品情報 

1988年製作 アメリカ製作 モンスターヒーローアクション

監督 ジム・ウィノルスキー

出演 ルイ・ジュールダン、ヘザー・ロックリア、ディック・デュロック、サラ・ダグラス、エース・マスク、モニーク・ガブリエル

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