怪人スワンプシング 影のヒーロー(SWAMP THING)91分

投稿者: | 2023年9月3日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

DCコミックスの人気ヒーローをウェス・クレイヴンが実写映像化したホラー要素は薄めのモンスターアクションシリーズ第一弾!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、ホラー映画の巨匠ウェス・クレイヴンが、人気コミックの実写化に挑戦したヒーローアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

ルイジアナの沼地で植物と動物を融合する実験を行っていたアレック・ホランド博士はついに長年の研究を成功させようとしていた。

そんな時、その研究結果を狙うライバルのアーケイン博士の部下によって、アレックの研究所は襲われ、その結果アレックは試薬を浴びて火に包まれて沼地に転落してしまう。

しかし、アレックは絶命する事はなく、そのまま試薬の効果によって怪人スワンプシングとなり、アーケイン達に戦いを挑むのだった!?

DCコミックの人気キャラクターをホラー映画の帝王、ウェス・クレイブンが映像化したヒーローアクション作品です。

この時期のウェス・クレイヴンは、1972年製作の(鮮血の美学)、1977年製作の(サランドラ)とホラージャンルで活躍していたものの、

まだまだメジャーな存在ではない時期で、いよいよ本作のような人気キャラクターで一挙にメジャー監督へ、、、、

上り詰めるまでには至らずに、残念ながらウェス・クレイヴン自ら執筆した脚本通りには行かずに、撮影初日から予算の都合で、

予定していたシーンの大幅変更を強いられる、というような扱いだったようで、自分の思い通りにならない中でもなんとか完成にこぎつけた事自体が自慢の作品となったようです。

ですので、本作の2年後の(エルム街の悪夢)での成功までは、まだまだ思い通りに作品が製作できない中で製作された作品となっています。

ウェス・クレイヴン

製作のベンジャミン・ミル二カーマイケル・E・ウスランは、その後ティム・バートン製作版の(バットマン)シリーズ、

クリストファー・ノーラン監督版の(ダークナイト)シリーズ等、DCコミックの映像化を進めていた製作者コンビで、

本作はその長年に渡るDCコミックヒーローの映像化の最初の作品となります。

ティム・バートン版(バットマン)
クリストファー・ノーラン版(ダークナイト)

ですので、もしかすると、この二人の存在が無ければ、今のDC映画ももしかすると存在しなかったかもしれない、ぐらいに偉大な製作者コンビとなります。

因みに、DCユニバースには新星スワンプシングも今後加わっていくようですので、この二人の夢がいよいよ実現に向かっている状況です。

ベンジャミン・ミル二カー
マイケル・E・ウスラン

主演は、(ザ・フォッグ)や(クリープショー)、(ニューヨーク1997)等、ホラー系作品で人気のヒロイン、エイドリアン・バーボーで、

本作でもスクリーミングクィーンとして、作品を盛り上げていきます。

因みに、インタビューで語っていましたが、本作への出演を決めたのは、当時の旦那さんだったジョン・カーペンターが『絶体に出演した方が良い』と進められて決めたそうです。

エイドリアン・バーボー
エイドリアン・バーボー

そして、スワンプシングになる前の姿の人間の科学者役で登場するのは、テレビシリーズ(ツインピークス)のローラのお父さん役や、

ヒューマンキャッチャー)(ラザロエフェクト)(ワン・ミス・コール)等こちらもホラー作品への出演の多いレイ・ワイズが登場し、

前半だけですが、研究に意欲的な正義の博士役を演じています。

レイ・ワイズとエイドリアン・バーボー
レイ・ワイズ

で、本作の出演者の中では、(恋の手ほどき)や(予期せぬ出来事)等の名作で、当時世界的に一番知名度が高く、本作の直後には(007オクトパシー)でラスボス役などを演じ、

娯楽作品にも出演していた名優ルイ・ジュールダンがラスボスとなるアーケイン博士役を演じ、作品に深みを与えています。

ルイ・ジュールダン
ルイ・ジュールダン

そんな実力派のスタッフ・キャストが結集した本作の物語は、その後大量に製作される事になるヒーロー映画の出だしと同じように、

天才的な頭脳を持つ科学者アレックが、植物と動物の融合の研究中に、悪の科学者に襲われて、ほぼ完成していた研究の試薬を全身に浴びてしまい、

そのまま炎に包まれながら森の沼に落ちて沈んで行くところから始まります。

で、その研究施設に新しく赴任してきていたエイドリアン・バーボー演じるアリスに、アレックの残した研究ノートが託され、結果的にそのノートを求めて、

アーケインとその部下である傭兵たちに沼地中を追い回さる、というのが本作のメイン展開となっていきます。

ストーリー的には、ほとんどがこのチェイスシーンに費やされますので、めくるめくドラマティックな展開、という感じではありませんが、

一応、ヒーロー者らしくクライマックス近辺では部下に無理やり試薬を飲ませて人体実験を施してモンスター化させてみたり、

最終的にはアーケイン博士自身が、その試薬を飲んでモンスター化して、スワンプシングとラストバトルで激突する、

という、後のDCコミックヒーロー映画と同様の盛り上がる娯楽展開へと突入していきます。

ただ、やはり色んな制約があったのか、試薬の効果は、個人の特性によってまちまちで内面に持っていた要素が強調される、

という煽り方ながらも、登場したラスボスは、ちょっと予算が少なくなっている時期の昭和の(ウルトラマン)シリーズに登場する宇宙人ぐらいの造形(ウルトラマンレオの円盤生物シリーズぐらい)の造形で、

何をモチーフにしているのかも判断できないので、どういう内面が具現化しているのかも良く分からない、という少し残念なクライマックスとなっています。

何が具現化しているのか分からない、知性をあまり感じないラスボス
円盤生物アブソーバ(ウルトラマンレオ)より

攻撃方法もドラクエの武器屋で購入するような剣を振り回すだけ、というガチンコ勝負なラストバトルが、

そこに至るまでが名優が演じているだけに非常に残念なクライマックスとなっています。

ラストバトルは、プロレス系

それでも、少ない予算で製作されたスーツながらも、ヒーローはしっかりと人間的な表情も見せされるような絶妙なバランスにはなっていますし、

エイドリアン・バーボーも戦う強いヒロインとして活躍しつつ、しっかりとヒーローに助けてもらうスクリーミングクィーンとしての魅力も発揮しています。

ラストバトルはさておき、沼地での戦闘部隊とのアクションも、しっかりと美しいロケーションを活かした、バトルが(少々淡白な感じですが)繰り広げられます。

さらに、途中何故か沼地でお店を経営している少年が、お助けマンとして大活躍したり、敵の傭兵チームの中に、

心根は優しいキャラクターが一人混ざっていたり、とシンプル展開の物語の中でも、しっかりと盛り上げる要素は散りばめられている作品となっています。

という事で、日本では未公開で未VHS化、未DVD化と長い間不遇の扱いを受けていた作品ですが、まさかのいきなりのブルーレイ発売(衛星放送では放映されていましたが)という、

変化球での登場で日本でも鑑賞できるようになりましたので、ホラー好き、DCヒーロー好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

因みに、本作初公開当時はヒットまではいかなかったようですが、VHS等で人気を博し、1989年には続編となる(怪人スワンプシング)が製作され、

こちらは日本でも、まさかの劇場公開までされる、という優遇ぶりですが、監督はロジャー・コーマン門下生のジム・ウィルノスキーへと交代されています。

作品情報

1982年製作 アメリカ製作 モンスターホラーアクション

監督・脚本 ウェス・クレイヴン 原作 レン・ウェイン 製作 ベンジャミン・メルニカー、マイケル・E・ウスラン

出演 エイドリアン・バーボー、レイ・ワイズ、ルイ・ジュールダン、デヴィッド・ヘス、ニコラス・ワース、ドン・ナイト、ディック・デュロック

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