おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
物語のほとんどがトイレの中だけで展開される、思い切った設定のシチュエーションゾンビコメディ!!超低予算ですがツボを心得てます!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、物語開始から、終了間際までほとんどトイレの中だけで展開されるゾンビコメディホラー作品です。
それでは、あまずはあらすじから、
クリスマスイブのパーティで盛り上がるビルにトイレ施設の修理に来たWCは、作業中に女子が入ってきたため、咄嗟に個室に身を隠す。
しかし、その女子のうちの一人が、突然もう一人の女子の首に噛みつき修羅場と化してしまう。
慌てて逃げようとするも、次から次へと凶暴化したパーティ客が押し寄せ、一瞬にして地獄の様相となるトイレ内。
WCはなんとかトイレから脱出しようと試行錯誤する!?
超低予算のゾンビコメディです。
特殊効果などもそれなりにでてきますが、そこはリアル感というより、ゾンビ映画好きが頑張って作り上げた感の方が強い努力賞な出来となっています。
パッと見てすぐに超低予算作品とわかるイメージの本作ですが、かといって、同じジャンルの作品によくある、ゾンビやホラー映画が好き、
という気持ちだけで身内だけで楽屋落ち的に製作されたようなゾンビ作品ではなく、
超低予算で非常に限定された空間と内容の物語だけれども、際立つゾンビ愛と精一杯の特殊効果、そして散りばめた伏線やドラマをしっかりと回収していく秀逸な物語展開、
と、無駄のない適格な演出で観ていて飽きの来ない娯楽要素に溢れた秀作ゾンビ映画となています。
物語は、そのほとんどがトイレ内で展開されます。
女子トイレで作業中の修理工が、突然の女子襲来(当たり前ですが)で、個室内に隠れて女子がいなくなるのを待っていたら、
そのうちの一人が突然ゾンビ化し、友人に襲いかかるという出来事を機に、どんどんゾンビ化した人々がトイレ内に押し寄せてきて、
やがて、個室の周りをゾンビに囲まれてしまい、そこからいかにして脱出するか?というのがほとんど物語の全てとなっています。
そう考えると、すぐに飽きてしまいそうな物語に見えますが、これが細かい伏線を常に回収しながら進んでいくので、
大筋はシンプルな物語ながらも84分間ほとんど飽きない、という非常に優れたドラマとなっています。
細かい出来事が沢山起こる物語なのですが、その中でも中盤当たりで登場(といっても声だけですが)する2つ隣の個室に入っている女性とのほんのり香るロマンスなど、
非情にドラマを盛り上げる要素となっていて、後半はこのロマンスも描きながら、脱出方法を模索していく展開となります。
場所が場所なので、お下劣ネタも多数ありますが、そんな状況下でのロマンス、という対比がまた面白く、ラストに映るエレベーターの扉の落書きの洒落た演出まで、
結構温かいムードに包まれます。
下手したら涙腺が緩む程度の温かさなので、まさかのトイレが舞台の低予算ゾンビコメディで涙腺が緩む、という事実にびっくりしますが、
それぐらいに意表を突いた秀作となっています。
という事で、大筋としてはゾンビに囲まれたトイレから脱出するホラーコメディ、という一言でかたずけられてしまう作品ですが、
そこで展開される様々な細かいドラマは、非常に細かく練られている秀作となっていますので、ゾンビ好き、ホラー好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みに主演のダン・パーマーが本作の脚本も担当しているようで、結構多才ですね。今後もっと活躍する人なのではないでしょうか。
作品情報
2013年製作 イギリス製作 ゾンビホラー
監督 クリスチャン・ジェームズ 脚本 ダン・パーマー
出演 ダン・パーマー、アントニア・バーナス、タマリン・ペイン、マーク・ホールデン、ジャイルズ・アンダーソン
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