お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ブラムハウスプロダクション製作の今の風潮ではあまり他人事とは思えない、アポカリプスなウィルスパニックサスペンス!!でも、メインは姉妹のドラマです。
作品紹介
2017年1月17日公開
今回ご紹介するのは、ブラムハウスプロダクションズが製作したウィルスパニック作品です。
それでは、まずはあらすじから、
女子高生のエマ(ソフィア・ブラック・デリア)は、ある日の授業中に友人が吐血し、そのまま意識不明となってしまう出来事を経験する。
原因は世界的に蔓延しつつある、正体不明の寄生虫による感染症だった。
次第に隔離されつつある街を姉のステイシー(アナリー・ティプトン)とともに、両親のいる地区に向かって走り出す!?
少ない予算で、捻りの効いた娯楽作品を常に製作し続けているブラムハウスプロダクションズ製作によるウィルスパニック作品です。
監督はヘンリー・ジューストとアリエル・シュルマンという事で、(パラノーマルアクティビティ)の3と4を監督したコンビの作品という事になります。
若者に絶大な支持のある作品を多く輩出しているブラムハウス印の作品ですので、本作も主人公は高校生の姉妹という事で、
前半は大部分が高校や、パーティ会場が舞台となっていて、ティーン向けの流行りの雰囲気を残したまま、ウィルスパニックものへと展開していきます。
ただ、いよいよ本格的にウィルスパニックもの展開となるにつれ、学園もの的な雰囲気は極めて薄くなり、結局は姉妹二人のドラマへとシフトしていきます。
この辺の展開は、ウィルスパニックものとしてサバイバル的なシーンを期待していた人にとっては、予想していた展開とはかなり異なってくると思われますので、意見が大きく分かれるのではないでしょうか。
個人的にはDVDジャケットのイメージから、高校生がウィルスから逃れるために街中を疾走する展開を予測していたので、
後半のあまり動きのない展開に戸惑ってしまいました。
ですが、姉妹の姉役のアナリー・ティプトンの名演技もあって、ウィルスに苦悩する姉妹のドラマとして見方を変えれば、それはそれで、結構楽しめるようになっています。
真面目で大人しい妹と、奔放でイケイケな姉、父親は高校の教師で、何かの理由で大学教授の職をクビになり、姉妹が通う高校に教師として赴任してきた、
という出だしのドラマ部分も、しっかりと展開できるような設定にもなっていますので、ドラマ作品としてとらえる事もできそうです。
ですが、色々と問題もあり、その後のドラマ展開に大きな影響を及ぼしそうなお父さんも、出かけた切り姉妹と離ればなれになりますので、中盤以降は全く登場しなくなってしまいます。
という事で、学園ものとしても、ウィルスパニックとしても、人間ドラマとしても、どっちつかずな感じで、消去法的に姉妹のドラマに落ち着いてしまいます。
やはり、そういったどっちつかず感が敬遠されたのか、本作は本国アメリカでは、残念ながら、劇場公開は断念され、配信スルーでの公開となったようです。
2016年製作作品ですので、勿論コロナウィルスの影響で公開できなかった、という事ではなく、内容的に劇場公開よりも配信スルーの方が適している、との判断だったようです。
確かに、ちょっとブラムハウス作品にしては、大人しすぎるというか、今一つパンチに欠ける内容である事は否めないかもしれません。
そんな本作ですが、何故か日本ではしっかりと劇場公開もされ、時期的にまだブラムハウスプロダクション自体が日本で知名度が低かったため、
特にそういった宣伝もされずに、普通のウィルスパニック作品として公開されました。
今公開されれば、『あのザ・スイッチを製作したブラムハウス製作作品!』と、宣伝文句も飛び交い、
もっとスポットを浴びて公開されていた作品かもしれませんが、タイミングが悪かったようです。
しかし、今現在見返すと、マスクを装着しながらウィルスと戦う姉妹がしっかりと描かれていたりして、埋もれるのはちょっとだけもったいない作品でもありますので、
何かの機会がありましたらご鑑賞してみてはいかがでしょうか。
それにしてもアナリー・ティプトン、撮影時はおそらく27歳ぐらいだったと思われますが、高校生役に違和感が全くないですね。
いや、でもよく見たら、やっぱり大人ですかね、、。
作品情報
2016年製作 アメリカ製作 パニックサスペンス
監督 ヘンリー・ジュースト、アリエル・シュルマン 制作 ジェイソン・ブラム
出演 ソフィア・ブラック・デリア、アナリー・ティプトン、マイケル・ケリー、トラヴィス・トーブ
その他のブラムハウス作品
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