おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ディズニーでもアニメ化された世界的な名作童話(くまのプーさん)の設定を使用し、グロ描写満載で描き直したスラッシャーホラー!!
作品紹介
2023年6月23日公開
今回ご紹介する作品は、ディズニーでもアニメ化された世界的な名作童話(くまのプーさん)の版権切れによって、
ホラー作品として生まれ変わった、バイオレンスなスラッシャーホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
幼き日に出会い、100エーカーの森で、楽しい冒険の毎日を共に過ごしたクリストファー・ロビンと半人半獣のプーやピグレット達だったが、
ロビンは大学進学に伴って、プーやピグレット達を残して都会へと引っ越して行ってしまう。
それから5年後、婚約者と共に、森を訪れたロビンは、そこで人間への恨みと飢えで、狂暴化したプーとピグレットの異様な姿を目の当たりにするのだった!?
監督・製作・脚本・編集とマルチにこなしているのは(クロコダイルパニック)等のB級ホラー作品の製作者として活躍しているリース・フレイク・ウォーターフィールドで、
どこかで見た事のあるような展開の連続のスラッシャー展開を演出しています。
主演は、(MEGA LIGHTNING)や(DINOSAUR PRISON)等のB級作品で活躍しているマリア・テイラーで、ストーカーに悩まされつつモンスターにも悩まされる、
という特異な状況のヒロインを好演しています。
で、原作にも登場する重要な役柄クリストファー・ロビン役には、(DEMONIC CHRISTMAS TREE)や(ALIEN INVASION)等のB級作品で活躍しているニコライ・レオンで、
プーを見捨てて都会に行ってしまったがために恨みを買って、とんでもない目にあう悲惨な役柄を演じています。
で、主人公の親友役で、本作のリース・フレイク・ウォーターフィールド監督のプロデュース作品(RETURN OF KRAMPUS)等に出演しているナターシャ・ローズ・ミルズが登場し、
主人公をサポートしつつモンスターと激闘を繰り広げます。
というB級作品で活躍しているスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、まずは(くまのプーさん)的な取っ掛かりから始まります。
100エーカーの森で、幼いくまや豚の半人半獣と出会った少年クリストファー・ロビンが、毎日楽しい時間を一緒に過ごすものの、
大人になり、大学へと進学する段階で、引っ越しのために、そのまま放置して姿を消してしまったところ、
飢えと怒りが最高潮に達したプーたちが、クリストファー・ロビンだけではなく、人間自体に憎悪をたぎらせ、
無関係の人々に襲い掛かるようなモンスターと化してしまう、という状況から始まります。
大学に進学、その後就職し、婚約者もゲットしたロビンは、5年後100エーカーの森に戻ってきますが、勿論優しいお友達たちは凶悪なモンスターと化してしまっていますので、
婚約者ともども襲われる、という(くまのプーさん)ストーリーとはある程度決着をつけた段階で、本作の主人公であるマリア・テイラー演じるマリアの物語へと入って行きます。
で、マリアは、トンデモ級のストーカーのせい(就寝中に勝手に住居に侵入してきて、寝顔を除くレベル)で情緒不安定で、
精神的に不安定ながらも、カウンセリング等を受けてなんとか前向きになっている所を、友人達の計らいで、
山奥のペンションでの女子会に出かける、という流れで、女子五人が問題の100エーカーの森にやって来る事になります。
で、冒頭で捕らえたロビンを鎖でつるして虐めているプーの耳に、女子たちの楽しそうな声が聞こえてくることで、早速犠牲者が続出していきます。
特に理由も無く人間だから、というだけでプーとピグレットのコンビは残虐な行為を繰り返していきますが、
このバディは、モンスターのような存在ではあっても、半人半獣なので、実は知能も結構ありますし、言葉も話せるけど、人間への憎さのあまりに話さないと決めた、
という設定ですので、どちらかというとジェイソンぐらいのイメージに近いモンスターとなっています。
ですので、熊と豚のモンスターではありますが、モンスターパニックのような犠牲ではなく、車を運転して凶器に使ったり、ナイフで首をスラッシュしたり、という感じで、
殺害の仕方も多種多様で、そういったシーンが、本作の見せ場にもなっています。
ただ、そういう設定にしたことで、逆に人の気配が漂いますので、見慣れれば見慣れる程に、
ガタイの良い危ないおじさんが、クマのマスクをかぶって殺人を繰り返している
だけに見えてしまうのが、最大の欠点となっています。
さらに、低予算なのは分かりますが、このクマのマスクが、全然顔の筋肉が動かないタイプの、本当にマスクにしか見えない造形で、
その割には、それを隠す事なくバンバン画面に映してしまう、というある種の開き直りが、世界観に入り込めない要因にもなっています。
これが、コメディホラージャンルだったら問題ないのですが、、。
ジェイソンやマイケル・マイヤーズ等は、マスクを被っている、という設定ですので、その下に見え隠れする、えげつない表情に、非常に恐怖感を煽られますが、
このプーさんは、素顔を晒している、という設定ですので、全部をさらけ出した状態がマスクにしか見えないというのは、流石に恐怖感や緊迫感とは遠い存在に思えてしまいます。
あえてそうしている、という事かもしれませんが、その割には結構なグロ度で、人体破壊描写に関しては気合が入っているような表現ですので、
恐らくただ、単に製作者がアピールしたいポイントがグロ描写に集中している、という事だと思われます。
※↓ここからは、少し後半の物語展開に触れていますので、ご注意下さい↓※
恐らく恐怖を煽る雰囲気づくりや、物語展開等にはそんなに興味が無いのか、ストーカー等の主人公が背負っているトラウマ展開は、
プーさんに遭遇した段階で特にストーリーに絡むことなく、プーさんとのファーストコンタクトで、ストーカーの仕業だと一瞬勘違いしてしまう、
という物語に特に影響のない部分でのみ活かされ、ストーカー問題は解決されないままに放置されてしまいます。
で、結局は無関係の二つの物語の登場人物が、偶然出会っていきなり惨劇に発展して、監禁されていたロビンは、今初めて会ったばかりの見知らぬヒロインのために、自分の命を投げ出そうとする、
という結構行き当たりバッタリな物語展開となっています。
これが、もし主人公を悩ませていた忌まわしい存在であるストーカーが、最終的に主人公のピンチに駆け付け、
悪VS悪のガチンコバトル展開ぐらいがクライマックスにあれば結構盛り上がったと思われるのですが、どうでしょうか。
逆に、住居に侵入して主人公の寝顔を眺める、なんて強烈なキャラクターを登場させておいて、そのまま放置できるぐらいにグロ描写が大好き過ぎる、とも言えそうですが、、。
という事で、スラッシャーホラーとしては、誰がどう見ても逃げきれる隙だらけなのに、逃げようとしない等の描写も含めて、
色々と雰囲気が盛り上がりませんが、お馴染みのキャラクターを使った残虐展開と、製作が決まっている続編への期待感は、残る作品となっていますので、
グロ作品等がお好きな方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2023年製作 イギリス製作 ホラー
監督・製作・脚本・編集 リース・フレイク・ウォーターフィールド
出演 マリア・テイラー、ニコライ・レオン、ナターシャ・ローズ・ミルズ、アンバー・ドイグ・ソー、ダニエル・ロナルド
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