ブラッド・リベンジ 奪還のボーダーライン (YOUR MOVE)96分

投稿者: | 2023年3月31日

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

B級アクションスター、ルーク・ゴスが自身の製作会社で監督・脚本・主演とマルチにこなした誘拐された家族奪還サスペンス!!でも、アクション度は薄め!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、ルーク・ゴスが監督・脚本・主演したサスペンスアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

ニューヨークでビジネスに成功したデヴィッドは、その夜、メキシコに帰省中の妻と娘とビデオ通話の会話を楽しんでいたが、

その最中に、何者かに妻と娘が襲われる現場を目撃してしまう。

二人を救出するために現地に乗り込んだデヴィッドは、現地の刑事の静止を振り切りながら、犯人の手掛かりを追うのだった!?

ブレイド2)や(ヘルボーイ/ゴールデンアーミー)等の有名作品や、ビデオオリジナル作品になって以降の(デスレース)シリーズ、

沈黙の傭兵)(ウォーピッグス)(詳しくはこちら)等のB級作品で活躍しているアクションスター、ルーク・ゴスが、

自身の製作会社【ルークゴスフィルムズ】で監督・脚本・主演とマルチに担当したサスペンスアクション作品です。

96時間)等のように、家族のためにとことん敵を追い詰める、というヒーローへの憧れもあったようで、

メキシコで家族を誘拐された父親の苦悩をサスペンスフルに描いています。

ただ、、、、

自身の製作会社製作だろうと、監督・脚本作品だろうと、やっぱりルーク・ゴスルーク・ゴスですので、

いつものように、どことなく焦点のボヤっとした、(96時間)っぽい作品が製作したい、という気持ちだけははっきりと、伝わって来る作品となっています。

物語の出だしは、ニューヨークで何らかのビジネスに成功したルーク・ゴスが、大事な商談が成立したその夜に、

メキシコに滞在中の妻子とビデオ通話でお互いの姿を見ながら会話しているシーンから始まります。

奥さんはメキシコ人で、しかもオリンピックの馬術競技で大変活躍した元選手のようで、現地では非常に有名人、という設定で、

説明がないのでははっきりとは分かりませんが、恐らく普段は家族でアメリカに住んでいるけれども、なんらかの用事で奥さんと娘の二人が帰省している、という状態のようです。

で、ルーク・ゴスも仕事がひと段落したので、しばらくしたらメキシコに向かう、という会話、、、、

の途中に、いきなり、奥さんの背後に正体不明の男が現れて、奥さんを殴り倒します。

で、パニックに陥っているルーク・ゴスに向かってその男が

『YOUR MOVE』(本作の原題)

と言ったところで、通信が途切れ、ゴス版96時間が始まります

『YOUR MOVE』

まごまごしながら警察に通報、そこから現地警察に連絡、で取り合えずゴスの下に駆け付けたアメリカの警察官に、

両手を後ろに沿えながら職務質問を受ける、

という、自宅で通報しただけで、まるで何かの容疑者のような扱いを受け、

一刻も早く現地に向かうのかと思えば、

次の朝の午前中のメキシコの航空チケットを予約する、

という、

事件発生から12時間後ぐらいに、ゆったり現地に乗り込みます。

で、現地に着いてみると早速現地メキシコの担当刑事である(マニアックコップ2)等のロバート・ダヴィから連絡があり、

やたらと規則を重視しながら、一応真面目に対応してくれます。

 ロバート・ダヴィ

で、刑事は刑事でゆっくりと捜査を開始し、それを待っていたら埒があかない雰囲気もありますので、ゴスの方も独自で、捜査を開始します。

で、ここへきて新たな設定として、奥さんの父親が、どうも裏の世界のかなりの有力者のようで、娘を攫われた経緯を聞きにゴスにコンタクトしてきます。

ちょっと怖そうなマフィアのボス(多分)、義父

で、事の経緯を説明し、このマフィアのような父親も独自の捜査を開始していきます。

という事で、一つの誘拐事件に対してアメリカ人ビジネスマンで夫のゴス、事件を追う刑事ダヴィ、マフィアのボスの父親、

という別の立場の3人が犯人を追う形になっていきます。

なかなかの緊迫感を煽るワクワクする設定ですが、おそらく、ルーク・ゴスの中のイメージがはっきりとあったのは、この辺りまでのようで、

本題に入った中盤から、どんどんとある意味予想外の方向へと事件は展開していきます。

まず、犯人が、割とあっさり判明します。

ですので、ビデオ通信の時点で既にちょこちょこと顔は映っていましたが、本題に入ってからも割とあっさりと正体が映る上に、普通のコンサルタント会社の会社員として勤務している

という日常まで描かれますので、犯人は誰だ?というサスペンスは一切なくなります。

犯人

勿論、その部分をあっさり捨ててしまいますので、他の容疑者が浮かび上がるというようなこともなく、

犯人の日常とゴスが右往左往するゴス捜査線が交互に描かれます。

※↓ここから先は後半の物語展開に触れていますので、ご注意ください↓※

ダヴィももたつき、犯人まではなかなか辿り着かず、犯人側の日常描写も増えていきますので、今度はギリギリのところで犯人が上手く捜査を交わしていくサスペンスを期待しますが、

これも、勝手の分からない異国でのゴス捜査線が、熟練刑事の捜査線や、各地に影響力のあるマフィアのボス・義父よりも、あっさりと犯人へと辿り着いて、捕らえてしまう事で、終わりを迎えてしまいます。

ボスとゴス

まだまだ中盤なのに、主人公が犯人を捕らえてしまう、というある意味意表を突いた展開に戸惑ってしまいますが、

その後の後半の展開に、さらに戸惑ってしまいます。

後半のクライマックス展開は、まさかの、、、

妻子を監禁している、犯人の口を割らせるために、ゴスが犯人を監禁して拷問を加える、

という展開になっていきます。

しかも、本作、冒頭からのゴスのゆったり感がここでも炸裂し、命の危険があるので、一刻も早く妻子の監禁場所を聞き出さないといけない状態なのに、

とりあえず犯人の手を縛ったのみで、妻子の居場所を聞く前に、

まず、奥さんとの思い出話を語りだす

奥さんとの出会いを悠長に話すゴス

という、そこだけ観ると、何をしているのか全く分からなくなるようなシーンが暫く続きます。

で、暫く雑談が続き、

雑談中

合間に、

休憩で外にたばこを吸いに行って夕日を見て、

わんわん

帰って来て、

拷問をヒートアップさせるのかと思えば、、、

ワインを少し、強引にがぶ飲みさせる、

という、拷問というか、いじめぐらいの危害を加え、

さらに、、、

『おはよう』

ひと眠りして、起きしなに朝食をゆっくり噛んで食べる、

という日常を送りながら、

さらに一晩立って次の日ぐらいに急にゴスの堪忍袋の緒が切れたのか、

やっと、キレて銃を取り出す

という、独特のゆったり感(違和感)を感じる作品となっています。

独特です。

恐らく、他の製作会社では描けない内容ではないでしょうか。

という感じで、家族を誘拐された父親が、家族を取り戻すために異国の地に乗り込んで情け無用のアクションを繰り広げる物語と思いきや、

家族を誘拐された父親が、家族を取り戻すために異国の地に乗り込んで、犯人を捕まえて、家族の監禁場所を聞き出すために、犯人をじっくり監禁して拷問を加える、

という(96時間)のような爽快感は一切感じないようなジトっとした作品となっています。

因みに、犯人は、ただ単に選手時代の奥さんのストーカー的ファンで、ゴスに個人的な恨みがあるわけではなく、

ただ単に大好きな女性を取られた、と思い込んでいるだけ、という拍子抜けの誘拐理由となっています。

YOUR MOVE』という意味ありげな捨て台詞から始まって、さらにそれがタイトルにまでなっていますので、

色々と想像してしまいますが、特に意味はなく、雰囲気で言っただけ、という感じになっています。

個人的には、ルーク・ゴス、監督は他の人に任せて主演に専念した方が良いと思うのですが、どうでしょうか。

という事で、ルーク・ゴス入魂の監督・脚本・主演の、いつものようにふわっとした作品となっていますので、

ルーク・ゴスファンの方や、B級アクション作品好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

アクション要素は極めて薄いですが、、、。

作品情報

2017年製作 アメリカ製作 サスペンス

監督・脚本 ルーク・ゴス

出演 ルーク・ゴス、ロバート・ダヴィ、パトリシア・ドゥ・レオン、アラン・モラ

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