おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(ランボー ラストブラッド)の監督らしく、観客が観たい内容と実際の内容がズレたサメがほとんど登場しない巨大サメパニック、、、ではなく、巨大サメに対処する人々をメインで描いたヒューマンパニックサスペンス!!でも、サメはずっと近くにいます!!
作品紹介
2023年6月2日公開
今回ご紹介する作品は、サメのほとんど登場しないサメパニック作品です。
それでは、まずはあらすじから、
海底油田の視察と家族旅行を兼ねて、メキシコを訪れたポールだったが、かつて栄えていた街は廃れ、油田にも人気がなくなっていた。
しかし、油田に到着して早々に、衝撃が走り、2人だけ残っていた作業員によって、それは巨大サメ【ブラックデーモン】の仕業である事が知らされる。
さらに、ポールが乗って来たボートは大破、通信機も故障し、油田からの脱出手段が無くなってしまうのだった!?
巨大ザメに対処する人々のパニックぶりをメインで描いた作品です。
監督は、名作(ランボー)シリーズにトドメを指した(ランボー ラストブラッド)(詳しくはこちら)のエイドリアン・グランバーグで、
人気のサメパニックジャンルで、前作のようなちょっと違った視点の作品世界を描いています。
主演は(ゲットバック)や(ポセイドン)、(フォーエバー パージ)等、多くの作品で活躍しているジョシュ・ルーカスで、
物語中に成長を遂げる石油会社社員を演じています。
そのジョシュ・ルーカスの妻役で、(クライマッチョ)や(ブルーミラクル)等のフェルナンダ・ウレホラが登場し、
家族を守りながらサメと戦っていきます。
油田(リグ)で、相棒となっていく作業員に(メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬)や(ザ・ハーダー・ゼイ・フォール報復の荒野)等のフリオ・セサール・セディージョが扮し、
いがみ合いながらも、信頼関係を築き、サメと戦っていきます。
で、ジョシュ一家の長女役で、キアヌ・リーブスとアナ・デ・アルマスが共演した(エクスポーズ)等のビーナス・アリエルが登場し、
反抗期を迎えながらも、後半大活躍し成長していく娘を好演しています。
で、家族の末っ子役で、(レジデント)等で子役として大活躍しているカルロス・ソロルサーノ君がしっかりと家族の一員として大活躍していきます。
そんなスタッフ・キャストが結集した本作は、ジョシュ・ルーカスを大黒柱とする一家が、ジョシュの出張に便乗してメキシコに家族旅行に行くところから始まります。
で、その地域は、ジョシュが長年勤める石油会社によって、雇用を生み出し、ある程度栄えていた時期もあったようですが、
ジョシュが暫く訪れていない間に、村は荒れ果て、治安も悪くなり、外国人は歩いているだけで睨まれるような地域となってしまっています。
そこに幼い子供を連れた一家が、おっかなビックリやって来るのですが、ジョシュは仕事の業務をこなす必要がありますので、
とりあえずちょっとだけ、自身の務める会社が管理運営している海上油田(リグ)まで、ボートで移動します、、、、
という所で、油田に着くなり、一人で乗って来たボートが何かにぶつかり、途中まで乗り継ぎで乗せてもらったボートが総舵手ごと規格外に巨大なサメに飲み込まれる姿を目の当たりにし、
油田の作業員二人に取り押さえられます。
で、いきなりの展開に、何がなんだか理解できないジョシュに、作業員フリオ・セサール・セディージョが、
油田によって圧搾と原油の垂れ流しが繰り返され、その結果海が汚れて、神の怒りに触れ、アステカに語り継がれる伝説の超巨大ザメ「ブラック・デーモン」が復活した事を告げられます。
しかし、ジョシュは、現実主義で、神や、迷信、おまじない等の類は、一切信じない楽観主義者(というより、自分以外は何も信じない自己チュー的な性格)で、
神の怒りに触れて悪魔のようなサメが復活するという迷信なんかは全く聞き入れません。
ですので、油田作業員二人とも、まったく意見が合わないのですが、そうは言っても、現実的に巨ザメはすぐそこに存在して、
今にも3人を飲み込んでしまおうと虎視眈々と狙っています。
と、そんな状況で、浜辺に残してきた妻と子供2人は、殺風景な浜辺のレストランで、村人に怪しい視線を向けられながら、ジュースを飲んでいたら、
ストリートギャングのような数人に絡まれ、とりあえずその場から逃げた先が、桟橋だったので、ボートに乗っているその辺の人に頼んで浜辺を脱出し、
夫の待つリグへと向かう事になります。
で、なんとか無事辿り着くものの、巨ザメに襲われ乗って来たボートも大破してしまったので、ジョシュ家族もリグに閉じ込められてしまう事になります。
一応、メインの展開としては、このジョシュ家族と、作業員二人が、いかにして巨ザメの攻撃を交わし陸へと脱出できるか?という流れがメインとなっていきます。
しかも、油田の地下には実は時限爆弾が仕掛けられていて、タイムリミットはあと1時間というところまで迫っている、という条件まで加わります。
ただ、本作、どういうつもりなのか、巨ザメが人を襲うシーンがほとんど存在せず、油田の作業員は実は大勢いたはずですが、
既にジョシュが到着する前に犠牲になりまくって、油田の周りにバラバラになった足等が沈んでいる、という感じで、
サメ映画なのに、サメが人間に噛みつくシーンがほとんど存在しません。
では、どこにポイントが置かれているのかと言うと、巨ザメに対処しようとするジョシュ家族と作業員の人間ドラマです。
それを描くために、ジョシュは常識外れに何も信じませんし、自身の過ちで家族とも疎遠になりかけます。
そんなジョシュが自身の過ちに気付いて、悔い改め、家族の信頼を再び得ていく成長がサメの活躍を描く代わりに描かれていきます。
ですので、サメパニック作品は通常サメが主役のような扱いを受けることが多いですが、本作においては、
存在はずっとしているものの、サメ自身が動き廻ってどう猛に人々を襲ってきて、リグ倒壊の危険が迫る(一応襲ってはきますが)、
という本来他の作品で描かれるような意味でのタイムリミット(リグ崩壊=死)ではなく、
人間が仕掛けた時限爆弾がタイムリミットとなっています。(しかも、家族はクライマックス近辺まで爆弾の存在すら知りません)
ですので、前半で、ボートの操舵手がパクつかれたシーンが一番のサメの活躍シーンで、その後は、
海中を優雅に泳いでいるシーンが何度か挿入されるだけ、しかも、どっちにしても時限爆弾があるので、サメ関係なしに脱出する必要がある、
というサメよりも爆弾の驚異の方が危機的な、サメパニック映画としては、なんとなくちょっと焦点のズレた内容となっています。
サメ映画としての盛り上がりとしては前半の巨ザメのジャンピングかぶりつき、映画全体としては、敵意丸出しの住民しかいない勝手の知らない異国の地で、
少しずつ追い詰められていく過程が一番スリリングですので、どちらにしても、サメ映画の見所としては少々残念な見せ場となっています。
という事で、ポスターデザインからのイメージで予想する見せ場は少ないですが、ちょっと変わったサメ映画として楽しむこともできますので、
サメ映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
それにしても、本作とは無関係ですが、(ランボー )もう一本ぐらい本当のラストストーリーを製作して欲しいですね、、。
スタローン自身の監督・主演で。邦題は【ランボー 最後の怒り】なんてどうでしょうか。
作品情報
2023年製作 アメリカ製作 アニマルパニック
監督・製作総指揮 エイドリアン・グランバーグ
出演 ジョシュ・ルーカス、フェルナンダ・ウレホラ、フリオ・セサール・セディージョ、ビーナス・アルエル、カルロス・ソロルサーノ
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