おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
水上の事故で、漂流状態になり、サメの襲来等の危機が迫る中、奇跡的に遭遇した漁船に救われた少女二人が、さらなる恐怖を味わう事になる海洋サバイバルスリラー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、水上事故の末に、怪しい漁船に救われた少女二人のサバイバルスリラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
フロリダ州、母を失い、病気がちな弟の世話をして暮らす少女カヤは、ある夏の日、親友のテッサに誘われて二人の男子と共に、バハマまで水上バイクで出かけた。
しかし、その帰途、水上バイク同士が激突・大破し、少年一人は行方不明、残りの三人は漂流状態となってしまう。
なんとか、奇跡的に通りかかった漁船に救われた三人だったが、いつしか船内にテッサの姿が見当たらないことに気付いたカヤは、
漁船を操る男レイに尋ねると、レイは思いがけない行動にでるのだった!?
監督・脚本は、(エクストーション)(詳しくはこちら)や(Garbage)等のフィル・ヴォルケンで、ありがちな物語に少し捻りを加えた設定の、海上を舞台にしたサスペンスを演出しています。
主演の少女役には、(フェリーニに恋して)やドラマシリーズ(ザ・ウォッチャー)等のイザベル・グラヴィットが扮し、虐げられながらも、気丈なヒロインを好演しています。
で、その親友役で、(キャンディケインレーン)や、ドラマシリーズ版の(スクール・オブ・ロック)等のジェニア・ウォルトンが登場し、悪党に追い詰められます。
で、2人を追い詰める悪党役で、(サン・ドッグス -生きる意味を探して-)や( 野蛮なやつら)等のアレキサンダー・レイスが登場し、怪演を披露しています。
で、中盤登場する医師役で、(スリープ・ウィズ・ミー)や(ストレイト・アウタ・コンプトン)等のディーン・キャメロンが登場し、緊迫感を上げていきます。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、一年前に母を失い、そのショックで酒に逃げる父親と、まだ幼い弟の世話をこなしている頑張り屋の少女カヤ(イザベル・グラヴィット)が、
イケイケな友人のテッサ(ジェニア・ウォルトン)に誘われて、最近恋仲になったイケメン調子ノリ男子ジュリアンと、雰囲気たっぷりのミステリアス系男子ザンダーとの四人で、
水上バイクに乗って遠目の距離にあるバハマまで出かけるシーンから始まります。
2対2に分かれて、ロマンチックな雰囲気を楽しんだ四人は、同じコースを辿って帰路に着きます。
しかし、調子ノリが過ぎて、お互いの水上バイクが激突する事故を起こしてしまい、その事故によって、
水上バイクは大破し、ジュリアンは、行方不明、ザンダーは膝に大怪我、テッサも腹部を怪我した状態で、漂流する事になってしまいます。
しかも、そこは、大ザメが泳ぎ回る危険な海域で、カヤ以外には、まともに動ける者もいない中、途方に暮れていたその時、カヤは、偶然一隻の漁船を発見します。
で、皆で大声を上げてなんとかその漁船に気付いてもらい、救助してもらいます。
その漁船を操るのは、レイという、強面の無骨な男で、なんとなく怪しい雰囲気を漂わせるものの、今生命の危機を脱したばかりの若者たちはレイに頼るしかないので、
そのまま身体を休めつつ海南救助隊の助けを待ちます。
しかし、テッサが水を貰いに行ったまま戻らないので、不審に思ったカヤは、レイにテッサの行方を聞きに行くと、、、、、、
、、、、、、、、、、、
、、、、、、、、、、、
、、、、、、突然、クロロホルム浸されたタオルで口をふさがれて、、、、、
、、、、、、、、、、、
、、、、気づけば、船底にある監禁部屋にテッサと共に監禁状態!!!
という事で、監禁サスペンス展開に突入する、というのが大体の大筋の流れとなっています。
一応、水上バイクでの事故による漂流サバイバルかと思いきや、、、、サメパニックと思いきや、、、、、
実は監禁サスペンス、という流れで、物語展開は捻られていきますが、漂流や、サメの登場等は、結構なあっさり具合なので、
展開を捻る意外性というよりも、本題に行き着く前の味付け程度で、メインは、このゴツめの監禁男から、
周りは大海原という状況からいかにして少女たちが脱出するのか?を見所とした作品となっています。
本題突入前に、母親が一年前に亡くなっているとか、父親が酒に逃げているとか、弟が病気がちで世話が必要とか、
ミステリアスな魅力のザンダーとか、調子ノリのジュリアン、淡いロママンス等、本題突入前に色んな設定が描かれますが、
残念ながら、そういう物語を面白くしそうな要素は、ほぼ監禁サスペンス自体には関わりません。
弟の世話というキーワードが何度となく出てきますが、基本父親がいるので、自分が早く帰らないと生命の危機に瀕するという事もなく、
母親の死の事実はあっても、その事で前を向けないぐらいに落ち込んだり、なんらかのトラウマを抱えている、という事も無く、
父親との確執で大げんかして家を飛び出してきたわけでもなく、
恋が芽生えたザンダーは、ドラマを展開させる前に速攻で言葉も発せられないぐらいのダメージを受けてしまい、
ジュリアンなんかは、事故で行方不明になって、終幕を迎えても、その後どうなったかの説明さえありません、、。
という感じで、それまでの全ての要素を、放り投げてしまって始まる監禁サスペンスですが、、、
※↓ここからは、中盤以降の内容に触れていますので、ご注意ください↓※
まずは、初登場時は、何をやっているのかわからない、正体不明の男、という感じで、何が起こるか分からない良い緊張感が流れていますが、
ものの数分で、少女二人を監禁する本性を現してしまいますので、怪しいヤツの正体は?という緊迫したサスペンスを楽しむという要素もかなり薄く、
その辺に関しても、味付け程度で、サクサクつと監禁サスペンスに突入してしまいます。
要は、ここまで色々と展開しますが、そこに行き着くまでの盛り上がりそうなサスペンス要素はサクッと捨ててしまって、
本当に監禁から脱出するまでが見所の全て
ぐらいの作品となっています。
だったら、監禁されて目を覚ますシーンから始まった方が、色んな見所が描けそうですが、本作監督の前作(エクストーション)と本作を合わせて鑑賞すると、
海難事故(遭難)をまず描いて、その後に本題の事件が起こる、という二本柱の展開がお好みなようで、
事故・事件のタイプは違う2作品ではありますが、恐らくそういう二本柱の物語を描く事が、この監督作品の特徴なのだと思われます。
色々入れ過ぎると、それぞれの要素が薄まってしまう気がしますが、、、。
後半には、レイの漁船にある男(ディーン・キャメロン)が自家用ヨットで接近してくることで、少女を監禁する理由も明らかになる事で
前半から通して観ると、
年末ジャンボ高額当選並みの物凄い確率で散々な目に合う少女の物語、
という事で、流石に現実味は薄めですが、
ドラマの薄さとは裏腹に、カヤを演じるイザベル・グラヴィットの可憐ながらも、力強い意思を感じる名演や、
レイを演じるアレキサンダー・レイスのなんとも、近寄りがたい、いるだけで、ちょっとした畏怖を感じさせる存在感で、
意外と美女と野獣の激突を楽しめる作品となっていますので、サスペンスやレディースアクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
イザベル・グラヴィットは今後の大活躍も期待できそうですね。
作品情報
2024年製作 アメリカ製作 サスペンス
監督・脚本 フィル・ヴォルケン
出演 イザベル・グラヴィット、ジェニア・ウォルトン、コア・トム、ギャレット・ウェアリング、アレキサンダー・レイス、ディーン・キャメロン
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