フューチャー・ウォーズ(LE VISITEUR DU FUTUR/VISITOR FROM THE FUTURE)101分

投稿者: | 2024年10月17日

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

地球の未来を救うため、2555年から現代にやって来た使者が、その原因となる出来事を阻止しようと奮闘するSFタイムトラベルコメディアクション!

作品紹介

2024年5月10日公開

今回ご紹介する作品は、地球の未来をかけて未来からの使者が奔走するSFアクションコメディ作品です。

基になったのは、2009年から2014年にかけて同スタッフ・キャストによってリリースされたwebドラマシリーズで、

このwebドラマがフランスでカルト的な人気を獲得し、ついに劇場版となる本作が製作されています。

webドラマ版

それでは、まずはあらすじから、

2555年、地球は絶滅危機に瀕していた。その原因となる原発の放射能漏れ事故を阻止するため、2555年から2022年にやって来たタイムトラベラーは、

原発施設の建設を認可した議員ギルバートを止めるために行動を開始するが、原発反対派のギルバートの娘アリスと出会う事で、事態は予想外の方向へと進むのだった!?

監督・製作・脚本は、本作の基になったシリーズや、ドラマシリーズ(Dark Stories)、(Dead Landes)等の

フランソワ・デスクラックで、有名SF映画にオマージュを捧げた近未来SF世界を構築しています。

現代側の主人公となる少女役で、ドラマシリーズ(Bullit & Ripe)や(Pamela Rose, la série)等のエンヤ・バルーが登場し、事件に遭遇して行きます。

エンヤ・バルー

で、未来からやってくる男役で、ドラマシリーズ(Les Archives d’après minuit)や、(Abonne-toi)等のフローラン・ドリンが登場し、現代と未来を行ったり来たりします。

フローラン・ドリン

で、主人公の父親役で、(恋のときめき乱気流)や(Les profs2)等のアルノー・デュクレが登場し、出来事の鍵となる人物を好演しています。

アルノー・デュクレ

そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、ある原子力発電所で原子炉が暴走し始め、2人の科学者が、

暴走と止めるためのスイッチを切ろうとするシーンから始まります。

いきなりの危機的な状況ですが、この科学者二人は、その暴走している装置には詳しくないようで、青色と黄色の二種類のスイッチ、

どちらを押せば装置が停止するのかも良く分かっていないようで、追い詰められて困っていると、突然未来からやってきた、

と自称する男(フローラン・ドリン)が、黄色のスイッチを押せと強く進めてきます。

しかし、突然現れた怪しい男を完全に信じる事は無く迷っていると、中国語で書かれた装置とスイッチの説明書を解読するために、

未来から来た男が、速攻で過去(か未来)に向かい、その世界から中国人のおじさんを連れてくるなどして対処しようとしますが、

黄色!黄色!

その隙を突いて、今度は、黒の宇宙服のようなスーツを着込んだ、2人組の自称時空警察が現れ、今度は青のスイッチを押す事を強く勧めてきます。

青!青!

で、時間もギリギリという事で、青スイッチを押す事にした二人の科学者は、なんとかタイムリミット以内にスイッチを押し、爆発を免れ、、、、、、、、、

、、、、、、、、、たと、思いきや、、、、、

大爆発が起こり、そこから地球の汚染が始まってしまいます。

で、時間は爆発の数か月前までさかのぼり、原発推進派の議員ギルバート(アルノー・デュクレ)が、新しい核を利用した原子力発電所の開発計画を中国の企業と進め、

その最終的な許可を出すために記者会見を開いて、何故原発計画を進めるのか、を力説しますが、反対派も多数存在し、

娘アリスにまで、真っ向から反対されながらも、自身の考えは曲げることなく、危険な原発計画を推し進めていきます。

で、アリスは、父親の原発開発企業との癒着の証拠を掴むために、夜中に父のPCがある部屋に忍び込みますが、

そこで、怪しい人影を発見、ここにも表れた未来から来た男フローランを、撃退しようともみ合いになりますが、

そんな騒ぎを聞きつけて父親ギルバートも登場し、三人でもみ合いになっていきます。

さらに、フローランを追う様に、また時空警察(今度は三人)が登場し、三人に向けて発砲してきます。

で、あまりに突然の危機的な状況に、やむなく時間移動装置を作動させたフローランは、一緒に捕まっていたアリスと、ギルバートと共に2555年の未来へとタイムトラベルします。

で、未来についてみると、そこは、かなり荒れ果ててしまった世界で、その原因は、ギルバートが進めた原発施設の事故によって放射能が拡散し、

それが原因で謎の雲が発生し、人体に有害なその雲が、70年ごとに活発化、そのせいで人類は滅亡の危機に瀕している、という驚愕の事実を目の当たりにします。

で、未来の現実を目にしても、なかなか考えを変えないギルバートと、なんとか父親の考え方を変えさせようとする娘アリス、

ギルバートの命を奪ってでも過去の事実を変えて未来の荒廃の原因を排除しようとするフローラン、そして、過去の事実を変えさせないように一行に迫る時空警察と、

それぞれの思惑を抱えつつ、タイムトラベルを繰り返す、、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。

色んなSF映画にオマージュを捧げ、カルト的な人気を得たwebドラマの劇場版という事で、(ターミネーター)や(バック・トゥ・ザ・フューチャー)等、

タイムトラベルを扱った名作SF作品の良い所取りのような内容の娯楽SF作品です。

さらに世界観的には、(ブレードランナー)等のような、ごちゃっとした未来の雰囲気や(マッドマックス)等のようなポストアポカリプス的な終末感もあり、

さらに、(ミスト)のような巻き込まれると死が待っている謎の雲、そして、ついでのように(ゾンビ)もそれなりに存在する、

という、製作者の大好きなSF系、ホラー系作品の見た事ある要素を、SFタイムトラベルジャンルに凝縮し、

そこに、コメディ要素を散りばめる、という思いつく事は全部挿入したような作品となっています。

ただ、少々詰め込み過ぎたため、人類滅亡の回避という重いテーマにも関わらず、原子炉の正しいスイッチを押す、押さない等の、人の生き死にに関わるような場面でもギャグ要素を入れる、

という作品全体の世界観にそぐわないような無理なお笑い要素が、思い出したように挿入されますので、

その都度、そこまで積み上げた緊迫感は緩んでしまい、なんとなく乗れそうで乗り切れない、微妙なアンバランス状態が続く、独特の世界観の作品となっています。

ハッキリ言ってしまうと、人類滅亡とコメディ要素は、全く合っているようには思えませんが、ドラマシリーズが、本国でカルト人気を得た、

という事で、このアンバランスさが、もしかすると本作の魅力なのかもしれません。

恐らく、製作者が、(バック・トゥ・ザ・フューチャー)等の楽しいタイムトラベルものと、(ターミネーター)のような悲壮感漂う終末ものの、

どっちも好き過ぎて両方入れたかった、という事だと思われますが、人類滅亡の危機を描いている最中に、

ズッコケギャグをかまされて、大笑い出来る人もいない(苦笑い程度はあるかもしれませんが)と思われますので、

ギャグを描くのであれば、もっとライトな世界観と物語の方が良かったのではないでしょうか。

ただ、本作どこかで見た事のある設定や物語展開が目白押しで、既視感さえ漂いますが、後半になって、他のタイムトラベルものの常識を覆すような展開に突入していきます。

その展開も、これまでの常識で考えると、そうなってしまっては、辻褄が合わないどころか、

もう、何でもありになってしまう

ような、独創的な展開で、空想科学の可能性をどんどん更新していきそうではありますが、逆にそちらに進んでしまうと、

もう、SF作品としての面白みもどんどんなくなって行きそうな、独特のエンディングとなっています。

ただ、そこに行き着くまでの展開は、タイムトラベルものや、多次元もの等の設定を上手く利用したような、

なかなかにグッとくる物語展開となっていますので、つくづく合間のコメディ要素が悔やまれます。

同じ人類のはずの時空警察が、人類滅亡を阻止しようとするタイムトラベラーの行為を、何故そんなに阻止しようとする理由が分からなかったり(エイリアン等なら分かりますが)、

一番重要な存在であるはずのタイムマシン(腕に巻く大き目のスマートウォッチタイプ)に、全くスポットが当たらなかったり、

何度も、色んな時代にタイムトラベルしていそうなのに、爆破阻止は、何故かワンチャンスだったり、

原子炉事故の原因が、何故か、その開発を許可した議員一人の責任になっていたり、

そもそも、一応作品世界の主人公の位置にいるタイムトラベラー、フローランのキャラクターが、全く魅力的に描かれていなかったり、

という感じで、ツッコミ出すとキリがない作品ですが、しっかり目のCGや、後半のグッとくる展開、さらにクライマックスで登場する、

まさかの格闘ガンアクション(リベリオンジョン・ウィック系です)と、見所も沢山存在する作品となっていますので、

SF映画好き、やタイムトラベルもの好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2022年製作 フランス・ベルギー製作 SFコメディアクション

監督・製作・脚本 フランソワ・デスクラック

出演 アルノー・デュクレ、フローラン・ドリン、エンヤ・バルー、ラファエル・デスクラック、スリマン=バプティスト・ベルフン

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