お薦め度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
幸せなカップルが抜け出せなくなる無限世界の恐怖を、ジェシー・アイゼンバーグ、イモージェン・プーツ主演で描いた(トワイライトゾーン)風サスペンス!!
作品紹介
2021年3月12日公開
今回ご紹介するのは、ジェシー・アイゼンバーグ主演の(トワイライトゾーン)風サスペンス作品です。
それでは、まずはあらすじから、
新居を求めてある不動産屋を訪れたトム(ジェシー・アイゼンバーグ)とジェマ(イモージェン・プーツ)は、全く同じ住宅が建ち並ぶ住宅地【ヨンダー】を紹介される。
しかし現地まで内見に行き、帰宅しようとすると、さっきまでいたはずの不動産屋は忽然と消えていた。
不気味に思った二人は、急いで車を走らせるが、どこまで行っても、景色は変わらず、街から抜け出せなくなってしまった。
途方に暮れた二人は車を降りると、そこには一つの段ボールがあり、中には生まれたばかりの赤ん坊が、、。
(ソーシャルネットワーク)のジェシー・アイゼンバーグと(28週後…)のイモージェン・プーツ主演の(トワイライトゾーン)風のサスペンス作品です。
キャストは少ないですが、若手実力派二人が共演した、しっかりとした作品となっています。
監督のロルカン・フィネガンは本作が長編2作目という事ですので、2作目でこのキャストが揃うほどに周囲からも期待されている注目株、という事のようです。
まだ2作目ですが、なかなかの作家性が前面に出ている内容となっていました。
ある住宅街から抜け出せなくなってしまったカップルの苦悩が細かく描れていて、神経がざわざわするような不条理系のサスペンスとなっています。
変わった設定と、その突飛な設定に説得力を与える実力派のキャストが揃わないと、一歩間違えれば完全にコントのようになっていまう恐れのある作品ですので、
上手くまとめつつ監督、脚本、主演二人の実力が堪能できる作品となっています。
物語については、展開そのものがネタバレになってしまいますので、詳しくは割愛しますが、カップルがどのようにしてこの迷宮から脱出するのか?
また、赤ん坊の正体は?
などの謎を引っ張りながら、展開していきます。
(トワイライトゾーン)風ですので基本的には想像力を刺激するような内容で、細かい説明や、納得のできる細かい説明はありませんが、
監督のインタビューによると大量消費社会に向けたメッセージなども多分に盛り込みながら、そこでもがく主人公達を描く事が本題ですので、
一応の落ちなどもあり、ピタっと終幕まで描き切っています。
そういった意味では、他のハリウッドメジャー作品のようなエンターテイメント作品とは一線を画する作品となっています。
ですが、娯楽性は最小限残しつつ、監督のメッセージは前面に出ているバランスの作品となっています。
そのため、分かり易い娯楽作品を期待して鑑賞するとちょっと退屈、と感じてしまう部分はあるかもしれません。
逆に、その作品から出ている独特の異質な雰囲気が気に入れば、作品世界にハマってしまうかもしれない、という賛否の分かれる作品ではないかと思われます。
個人的には、後半で急にテンポが速くなって物語が展開しだしますので、そういった展開が中盤ぐらいからテンポ良く描かれていれば、
ハラハラ感はもっと増したように感じましたので、少し残念ではあります。
どちらかというと、謎を追いかける、というより不条理世界での苦悩の日々が描かれる事がメインのようでしたので、少し個人的に予想していた展開とは違っていました。
という事で、観る人によって評価の分かれる作品だと思われますが、ハマれる人はハマれますので、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
今回大活躍のイモージェン・プーツはもっと活躍して欲しいですね。
本作でもキャストのクレジットは一番目でした。
作品情報
2019年製作 ベルギー・デンマーク・アイルランド製作 サスペンス
監督 ロルガン・フィネガン
出演 ジェシー・アイゼンバーグ、イモージェン・プーツ、ジョナサン・アリス
その他の謎系サスペンス作品
その家には母が遺した守らなければならない掟があった(マローボーン家の掟)はこちら
田舎で暮らす一家の謎のウィルスとの戦い(イット・カムズ・アット・ナイト)はこちら
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