おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
些細な争いから殺人を犯してしまった不器用な理髪師が、殺人を隠すためにどんどんと深みにはまってしまう、ロバート・カーライル初監督・主演のダークスリラー!!
作品紹介
2017年7月24日公開
今回ご紹介するのは、ロバート・カーライルが初監督・主演をこなしたユニークなサスペンス作品です。
それでは、まずはあらすじから、
グラスゴーの理髪店で働く、うだつの上がらない理髪師バーニー・トムソン(ロバート・カーライル)は、
ある日、上司と揉めてしまい、誤って殺害してしまう。
なんとか罪を隠蔽しようと奔走するが、やればやるほど、深みにはまってしまい、ついには母親(エマ・トンプソン)にも見つかってしまうのだった!?
(トレインスポッティング)シリーズで有名なロバート・カーライル初監督・主演のダークサスペンスです。
満を持して初監督、といった感じですが、選んだジャンルはユーモアのあるダークサスペンスという事で、雰囲気的にはコーエン兄弟作品のような、
殺人というダークな題材を取り扱っているのに、どこかユーモアがあって笑えるような要素のあるサスペンス作品となっています。
ロバート・カーライル演じる主人公バーニー・トムソンは長年老舗の理髪店で理髪師として勤めていますが、最近ではその無口で不愛想な性格から、
客と口論になることも、しばしばで、先代のオーナーには気に入られていたようですが、次の世代になっていよいよお役御免を言い渡される、
という追い詰められた状況になってしまっています。
そうは言っても、バーニーにはこの理髪師の仕事が全てなので、そこで現オーナーと揉め事になってしまい、もみ合っているうちに倒れてしまい、
オーナーともつれるように倒れたので、持っていたハサミがオーナーに刺さってしまう、という不運な殺人を犯してしまいます。
そこで警察に通報すれば、まだ良かったのですが、そこからその殺人を隠蔽するために、死体を自宅に持ち帰り、さらに母親にその死体を見つかってしまうことで、
どんどんと深みにはまっていく、というダークなサスペンスへと展開していきます。
ですので、日本版のDVDジャケットからは猟奇殺人鬼が、次々と殺人を犯して殺人日記をつけていくような物語を想像してしまいますが、
そういうサイコパスなシリアルキラーが登場するのではなく、しがない理髪師が、誤って殺人を犯してしまい、それを取り繕うとすればするほど、
どんどんと深みにはまってしまう、というブラックな笑いを散りばめた作品となっています。
あのオシャレな映画出身のロバート・カーライルの監督・主演作品という事もありますし、内容的にはユーモアもあって、
さらにエマ・トンプソンというアカデミー受賞者まで重要な母親役で登場するような作品ですので、
もっとオシャレ系作品として売り出されていれば、結果も変わったような気もするのですが、どうでしょうか。
そんな内容ですので、ダークな内容ながらも、どこかのほほんとした雰囲気が流れているのですが、容疑者となるバーニーを追う側の刑事役で、
(ディパーテッド)等が有名なイギリス系の名優レイ・ウィンストンが流石の迫力で、主人公を追い詰めます。
非常に重厚な演技で、同僚のライバル女性刑事とやたらと揉めながら、一見マフィアにしか見えないような迫力で刑事を好演しています。
この二組の刑事に追い詰められながら、母親と事件をもみ消していくのですが、この母の方もエマ・トンプソンが演じているだけあって、
一癖も二癖もある、一筋縄ではいかない母親で、物語が進むにつれて、母親の秘密も明らかになっていきます。
という感じで物語は、主人公、母親、刑事それぞれの思惑がぶつかり合いながら、クライマックスに向けて加速していきます。
ラストは暗くなりがちだった物語にパッと光が差すような展開が待っていて、初監督作とは思えないようなしっかりとまとまった作品になっていますので、
豪華なキャスティングといい、おそらく長年映画業界で功績を残してきたロバート・カーライルだからこそ製作できた初監督作なのではないでしょうか。
という事で、DVDジャケットのイメージほどサイコサスペンスではなく、割と鑑賞しやすいダークコメディといった感じですので、
コーエン兄弟作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
あと、エンドロール中にNGシーンもあって、和やかな感じで良いですよ。
作品情報
2015年製作 カナダ・イギリス・アメリカ製作 サスペンス
監督 ロバート・カーライル
出演 ロバート・カーライル、エマ・トンプソン、レイ・ウィンストン、ジェームズ・コスモ、トム・コートネイ、アシュレー・ジェンセン、マーティン・コムストン
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