バッド・トレジャー (DANGEROUS)99分

投稿者: | 2022年10月26日

おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆

(ソウ)シリーズのデヴィッド・ハックルが監督し、スコット・イーストウッド、メル・ギブソン、ファムケ・ヤンセン、タイリース・ギブソンと豪華キャストが集結した、ダイハード型籠城サスペンスアクション!!

作品紹介

2022年7月19日公開

今回ご紹介するのは、スコット・イーストウッド主演の籠城サスペンスアクション作品です。

それでは、あまずは、あらすじから、

反社会性パーソナリティ障害の元特殊部隊員D(スコット・イーストウッド)は、自身の唯一の理解者であった弟の訃報を受けて、

仮釈放中でありながらも、行方をくらまし、弟の葬儀が行われている孤島へとやって来る。

絶縁中だった母親との再会に、微妙な空気が流れる中、武装した謎の男たちの上陸によって事態は思わぬ方向へと進んで行くのだった!?

ソウ5)や、ジョン・トラボルタ、シャロンストーン共演の(アルティメットサイクロン)、ジーナ・カラーノ、リチャード・ドレイファス共演の(テイクバック)等、

豪華なキャストの共演と、調度良いB級感のある作品を製作しているデヴィッド・ハックル監督作品です。

本作もスコット・イーストウッド、メル・ギブソン、ファムケ・ヤンセン、タイリース・ギブソンと非常に豪華キャストの共演が実現しています。

内容も、反社会性パーソナリティ障害(一般的な常識や法律を無視して他人の迷惑等も考えること無く、独自の考えや行動を取ってしまう精神疾患)の元特殊部隊隊員という、

捻りの効いた主人公で、過去に殺人事件を起こして服役し、現在は仮釈放中、というちょっと近寄りがたいキャラクターの主人公となっています。

スコット・イーストウッドが好演

しかも、家族にはそのことで、大変迷惑をかけてしまって、母親からは絶縁されていて、友人もいなくなり、

唯一、学者である弟だけが、家族の絆を保っている、というなかなかハードな設定となっています。

で、そんな唯一の理解者である弟の訃報が届き、葬儀に出席するために、保釈中にも関わらず、ルールを破って弟の住んでいた孤島を訪れる、

というところから、メインの物語に入っていきます。

という事で、物凄い過去の持ち主が、いきなり追われる身となって孤島を訪れます。

この、追う側の捜査官を演じているのが、(Xーメン)でジーン・グレイを演じていたファムケ・ヤンセンで、

頭脳明晰なやり手の捜査官としてスコット・イーストウッドを執拗に追いかけます。

ファムケ・ヤンセン

で、葬儀場では、喪主である母親を筆頭に、故人である弟の親しかった人々が集まっているのですが、

その中には海上警察の警察官であるタイリース・ギブソンも交じっています。

で、悲しみに包まれる葬儀場に、殺人の罪を犯したスコット・イーストウッドが登場した事で、微妙な緊張感が流れ始めます。

イーストウッドを警戒するタイリース

暴れ出したり、他人を傷つけたり、は無さそうですが、流石に殺人の罪を犯している有名人なので、当然全員が葬儀にやって来るとは思っていなかったようで、

和やかだったムードが一瞬にして凍り付きます。

で、その沈黙を破るように、絶縁した母親がキレ出します。

もう縁を切って家族ではないのに、何をしに来たのだ、と。

キレる母。大嫌いなようです、、、。

本作の面白い所は、そうやって皆に嫌悪されて、酷い言葉を掛けられても、主人公には精神疾患のために、他人と同じように楽しんだり、怒ったり、笑ったり、泣いたり、

という感情が欠落してしまっているので、嫌われているのが理解はできても、何故嫌われるのか?までは分からないので、対処ができない

という特異な設定が生み出すドラマ部分にあります。

上手く他人に合わせる事が出来ずに、結局孤立してしまうので、全ての出来事に足して主人公が次にどういう行動にでるかも予測できずに、常に微妙なハラハラ感が持続するようになっています。

で、自らそんなに言葉を発するタイプでもないので、何を考えているのか、もはっきりぜずに、観ようによっては、これからも殺人を犯しそうな犯罪者にも見えてきたりします。

そんなちょっと近寄りがたい主人公、実は感情を抑制する薬を医師に処方してもらっていて、その薬を一定時間おきに服用しなければならない、

という何かの予感を感じさせる設定も加わっています。

さらに、その薬を処方している主治医を演じているのがメル・ギブソンで、この医師自体は物語のメイン展開に直接的には絡みませんが、

ことあるごとにスコット・イーストウッドが電話を掛けて、その問いかけにメル・ギブソンがその都度、対処法を指導する、

という、そこにはいないながらも、ずっとサポート役として存在しています。

この医師の存在がまた、本作の設定をさらに面白くしていっています。

メル・ギブソン。アクションシーンには参加していないながらも、要所で電話にて参加する、という美味しい位置。

で、そんな微妙な空気が流れる葬儀場で、まずは警察本部から、仮釈放中に逃亡したスコット・イーストウッドの逮捕命令の連絡が入ります。

で、とりあえず拘束しないといけないので、地下室にスコット・イーストウッドを拘束監禁し、本部に連絡を入れたところで、

早々に本部から迎えのメンバーが到着、、、、

『動くな!』
逮捕!

と思ったら、まさかの武装集団!!

急にダイハード

という事で、非常に緊迫感満載の中で、ダイハードな籠城サスペンスアクションへと展開していきます。

本作のメインの見せ場は、この籠城サスペンスパートで、要するに、かなりワケありな主人公を筆頭に謎の武装集団と戦いを繰り広げていきながら、

弟が遺した秘密が明らかになっていく、という感じで、ジャンル的にはダイハード系の物語ですが、設定やキャラクター、物語展開等が非常に巧で、

最初から最後まで、飽きさせない上手い展開のサスペンスアクションとなっています。

さらに、その危なそうな主人公を演じてるスコット・イーストウッドが、これまでの主演作の中では群を抜いた名演で、

他人の気持ちを考えずに独自の行動を取っていく姿が、父親クリント・イーストウッドが演じたダーティ・ハリーにも通じるようなキャラクターで、

他の作品では喜怒哀楽がはっきりと出ない表情が、いまいちに見えても、本作のキャラクターには見事にハマっています。

スコット・イーストウッド、今後も、この俺様道を一直線に進むようなキャラクターでしたら、もっと爆発的な人気が出るのではないでしょうか。

それぐらいに、本作の良さ=スコット・イーストウッドの持ち味、とも言えそうな魅力的な主人公となっています。

という事で、邦題から想像するイメージとはちょっと違う内容ではありますが(一応後半お宝も出てきますが)、

最初から最後まで、ゆっくりじわじわと楽しめるサスペンスアクションとなっていますので、アクション好きの方や、サスペンス好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2021年製作 アメリカ製作 サスペンスアクション

監督 デヴィッド・ハックル

出演 スコット・イーストウッド、メル・ギブソン、ファムケ・ヤンセン、タイリース・ギブソン、ケビン・デュランド

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