ノー・エスケープ (QUARRIES)83分

投稿者: | 2022年8月23日

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

それぞれ何かからの依存症を克服するために集まった女性6人組VS謎のマンハント男性軍団の対決を描いたバトルロワイヤル作品!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、美女6人と男性7人のバトルロワイヤルを描いたアクションスリラーです。

それでは、まずはあらすじから、

様々な依存症を克服するために山間部でのキャンププログラムに参加した女性たち6人だったが、あいにくの山火事発生によって、

通常とは別コースを通ってキャンプ地に向かう事になってしまう。

険しいコースながらも順調に歩を進めていた彼女たちだったが、その地域は実は行方不明者が続出している地域で、正体不明の殺人集団によって人間狩りが行われている地域だった!?

様々な理由で集まった女性たち

山岳地帯を舞台にしたサスペンス系のレディースアクション作品です。

山間部と女性のサバイバル、という事で、同タイプの作品に、更生施設監視員と女子高生がバトルを繰り広げた(アーチャー地獄のデスロード)(詳しくはこちら)や、

のどかな島でアクション女優ナタリー・バーンがなんとなくサバイバルする無双映画(アウェイクン監禁島)(詳しくはこちら)、

主人公が人間狩りでなんとなく生き残っていく(ブラッドゲーム)(詳しくはこちら)、

など人気ジャンルと言っても過言ではないぐらいに大量に存在しますが、本作もその流れを汲む作品となっています。

その中でも、本作の特徴としては、狙われる側の女性6人VS狙う側男性7人と、完全に男女で分かれてチーム対決になる、という点でしょうか。

ただ、分かりやすくはありますが、この人数があまりに順調にサクサクと減っていきますので、正直ほとんど活躍する事のないキャラクターも多く、

正味活躍するのは4人VS3人ぐらい、となっています。

で、実際の内容も至って分かりやすく、何らかの理由で心や体に傷を負っている女性たち(それぞれの詳細の説明がないので良く分かりませんが、

主人公は彼氏のDV、準主役クラスの女子は薬物依存、あと妙に明るすぎて前向き過ぎる女子等色々設定はありそうですが、詳細な説明はありません)が、

何かをふっきれるために自発的に参加する山間部でのキャンププログラムに参加し、

そのキャンプ地に向かおうとしたら、山火事が発生していたので、迂回ルートを通ってみると、そのルートがある地点はとんでもない変態殺人集団(男ばかり)が人間狩りをしている危険地帯だった、

という事で、ドラマを盛り上げるための説明はさっさと飛ばして、早めに本題のマンハント展開に入っていきます。

しかも83分と短めの作品ですので、サクサクと犠牲になるシーンが進んでいく上に、女性陣のドラマ以上に、男性側のドラマはほとんど描かれないので、

どういう理由で人間狩りをしているのか?何故そんな事をしていて(冒頭で別人物たちが犠牲になるシーンあり)警察に捕まらないのか?

そもそも何者なのか?

など、最低限必要な情報も描かれない(スピルバーグの激突!のように顔が映らない、等のミステリアスな演出ではなく、ずっと姿は映って普通に動き回ります)ので、

いまいち緊迫感が感じられないのが残念なところです。

結構な外見のキャラクターですが、何故そんな事をしているのか、分かりません、、。

しかも殺人集団の内の一人は何故か4足歩行、という思い付きだけで味付けしたようなキャラクター設定が加えられていますので、

なかなかリアルな緊迫感が薄い作品となっています。

何故か4足歩行

さらにこの殺人集団たち、その犯行の理由も謎のままですが、女性ばかりVS男性ばかりという構図のわりに、襲い方はいきなりのパンチやキック、

という子供の喧嘩のような攻撃で、それに応戦する女子もパンチとキックで応戦し、さらにこの殴り合いが結構互角、というよりむしろ、主人公側に有利になるパターンが多く、

ほとんどの男子にほとんどの女子が殴り合いで勝利する、というあまり見かけないようなバトル展開となっていきます。

女子が強い!

せめて、以前に格闘を習っていたとか、主人公は彼氏のDVに悩んでこのキャンプに参加しているので、DV対策で、女性の力でも男性を倒す方法を学んでいる、

などの説得力のある設定があれば、それなりにリアル感があったと思うのですが、本作では、そういう物語の感情移入に必要な説明を全てカットしてしまっているので、

アクションシーンになる度に、殴り合いの末に勝利しますので、緊迫感は薄れて、逆に安心感が勝るようになっていきます。

まさかのセガール作品と同じような流れです。

逆に言ってしまうと、女性の集団が山奥で正体不明の男性集団に襲われる作品、というよりも、男性集団に襲われそうになった女性集団が痛快に男性陣をやっつけていく映画、という感じでしょうか。

ただ、そこに行き着くまでに早めに脇役の女性陣も結構犠牲になっているので、本来はやられたので倍返ししている、という構図だとは思われますが、

主役級のメンバーと脇役メンバーとの扱いの差が激し過ぎるために、全てのバランスが崩れて、ただの主役級の女優陣の痛快セガールアクションになってしまっている、と言えるかと思われます。

ただ、女性が主人公のリベンジスリラーとしては、緊迫感は極めて薄いですが、それぞれに悩みを抱えた女性たちが、当初反目していたものの、

殺人集団に突如命を狙われる、という追い込まれた状況で、共通の危機に接したときに、恥も外聞も捨て、互いを尊重し合いながら、団結していく姿は意外に熱かったりもしますので、

つくづくセガール展開が悔やまれる作品となっています。

という事で、サクサク進む、軽めの作品ですが、外見の整ったキャストが出演して奮闘する作品ですので、レディースアクション好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2016年製作 アメリカ製作 サスペンスアクション

監督 ニルス・テイラー

出演 ニコール・マリエ・ジョンソン、キャリー・フィンクリー、レインヤ・ヘイリー、サラ・モーネル

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