お薦め度 ★★★★★☆☆☆☆☆
怪異文学の古典にして最高峰【柳斎志異】の原作者は実は妖怪ハンターだった!
作品紹介
2020年1月17日公開
今回ご紹介するのは、レジェンド、ジャッキー主演のSFアクションです。
それでは、まずはあらすじから、
人里離れた山奥に妖怪たちと暮らす妖怪ハンター、ヤン(ジャッキー・チェン)は、ある日令嬢疾走事件の依頼を受ける。
押しかけ弟子である若き衛兵ヤンフェイ(リン・ボーホン)を加え、捜査に乗り出すヤンは令嬢の足取りを追ううちにある鏡屋に立ち寄っていた事実を知る。
実はその鏡屋は、2人の女妖怪が獲物としての人間をおびき寄せるための場所だったのだ。
女妖怪たちとヤンたちのバトルが繰り広げられる中、一人の謎の男が現れる。
男の目的が解らないままに三つ巴の戦いが始まる。
原作は中国の有名な古典【柳斎志異】をモチーフにその原作者である蒲松齢がいかにして原作小説を生み出していったか、を実は妖怪ハンターだったという大胆な設定の元に描いています。
鑑賞前は知らなかったのですが、今回のジャッキー・チェンはVFX技術のムービーレタッチで、若い時代の姿になって演じているのが話題となっている、と劇場で購入したパンフレットに記載されていました。
ジャッキー本人もインタビューでその姿を気に入っているそうです(いつものリップサービスかもしれませんが)。
鑑賞前にその事実を知らずに見ましたが、正直気づきませんでした、、。
時代ものなので濃いめの化粧かな、ぐらいで、、。
それはさておき内容ですが原作のモチーフが【柳斎志異】という事で有名な作品として、(チャイニーズゴーストストーリー)シリーズ、ドニー・イェンも一作目に出演していた(画皮)シリーズ、巨匠キン・フー監督の(侠女)などが映像化されており、どれも名作ぞろいです。
その物語の特徴として人間と幽霊の悲哀などについて描かれている場合が多く、鑑賞後はどの作品もどこか切なさが残る作風となっています。
本作もジャッキーをメインとした妖怪ハンターのコメディ要素の強い珍道中を前半で描きながら、後半は人間と妖怪の悲哀の物語へとなだれ込みます。
この展開はあまりに前半と後半で違う作品のようになってしまうので、賛否別れるところかも知れませんが、個人的な感想としては少しもったいないなぁ、と感じました。
それまでの流れがどう考えてもキョンシー映画を見ているようなファミリー向けの明るい雰囲気でしたので、そこまでのイメージが強すぎて後半突然訪れる悲劇的な展開での名シーン、名演技に感動はしているのに気持ちが追い付かないままラストを迎えてしまいました。
泣きそうで泣けないままに、ジャッキーの晴天ムードにまた引き戻される、といった感じでした。
最初からもう少し後半の雰囲気に合わせた流れがあればもっと傑作になったと思いますのでもったいないです。
なにせ前半ではジャッキーがCGキャラの妖怪たちと割と長い時間歌って踊っている陽気なミュージカルの連続でしたので、、。
あくまでジャッキー作品なのでそこはしょうがない部分なのかもしれません。
しかし、イーサン・ルアンファンの方はおそらく満足できると思います。
泣かせてくれます。
本当に悲しい事が起きて気持ちが破裂しそうになって流している涙にしか見えませんでした。
というように、正直、前半部分を我慢すれば後半は泣ける秀作となっていますので、機会がありましたらご鑑賞ください。
作品情報
2019年製作 中国映画 SFアクション
監督 ヴァッシュ・ヤン
出演 ジャッキー・チェン、イーサン・ルアン、エレイン・チョン、リン・ボーホン
スタッフ・キャスト
出演は40年以上のキャリアを持つ生きる伝説のアクションスター、ジャッキー・チェン。
共演はモンガに散るで台湾アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いたイーサン・ルアンと新星エレイン・チョン。
また近年に日本との合作作品オーバー・エベレスト陰謀の氷壁などで印象的な役柄を演じていたリン・ボーホンがジャッキーの所に押しかけ弟子として転がり込む若者を助演しています。
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